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微笑みの国、タイ・チェンマイ~避暑地パーイで温泉三昧!の旅

チェンマイ近郊で最も有名なサンカンペーンの噴泉

アジアのなかでも温暖な気候や豊かな文化、そのリーズナブルさもあり、旅行先として変わらぬ人気のタイ。プーケットやクラビなどのビーチリゾートに、アユタヤやスコータイなどの古都、おいしいタイ料理などたくさんの魅力にあふれています。

実はタイには、全土に渡って100ヵ所以上の温泉が湧いているのをご存じですか? とりわけ、首都バンコクから北へ飛行機で1時間のタイ第2の都市、チェンマイ周辺には魅力的な温泉が数多くあります。タイ北部の観光のベストシーズンは11月から2月の乾季。そろそろ旅の計画を立て始める方も多いと思いますので、今回はチェンマイ近郊のおすすめ温泉を紹介したいと思います。

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旅の起点はチェンマイ

最も格式の高いワット・プラシンなど美しい寺院が多く残っている。

バンコクから北に720km、“北方のバラ”と称される都市チェンマイは、かつて一帯を治めていたラーンナー王国の首都として栄えました。建築や工芸分野で独自の伝統を育み、町には数多くの歴史的な寺院が点在し、市場やナイトバザールではタイ独特の雰囲気が楽しめます。バンコクとの間に1日50便以上国内線が就航していてアクセスも容易なため、国内外の観光客からも人気の都市です。

あわせて読みたい、チェンマイの観光スポットを紹介!

まずは、チェンマイ周辺で最も有名な温泉を紹介しましょう。

緑豊かな自然の湯、サンカンペーン温泉

露天風呂はミルキーグリーンの濁り湯

チェンマイの市街地から車で東に約1時間、自然に囲まれた美しい公園内にあるサンカンペーン温泉。青空に映える噴泉(冒頭の写真)や高温の温泉池で作る温泉卵で知られ、多くのパックツアーが訪れます。敷地内には宿泊施設などもあり滞在できるので、ぜひ入浴も楽しみたいところ。全体の半分が屋根付きという広大な露天風呂と、地味ながら新鮮な湯を楽しめる個室風呂があります。

サンカンペーンの近くにはルンアルン温泉やシッパ温泉などもあり、ちょっとした温泉郷を形成しています。

サンカンペーン温泉(タイ国政府観光庁ホームページ)

少し足を延ばして、ノスタルジックな避暑地パーイへ

チェンマイからバスや車で3時間の北西に位置するパーイは、標高が高いため避暑地としても知られ、大都市に比べ格安の料金でリゾートホテルやコテージに宿泊できるのが魅力で、欧米のバックパッカーにも人気の町。最近ではタイ映画のロケ地として、そのノスタルジックな町の雰囲気が話題となり、多くの観光客の注目を集めています。また、象乗り体験や少数民族の村々を訪ねる拠点の町としても知られます。

©︎istock 夕暮れ時のパーイの町

パーイは観光の町ですのでタクシーや専用車を手配するのも簡単で、旅慣れた人なら、レンタバイクの利用も可能です。

パーイの町の紹介ページ(タイ国政府観光庁ホームページ)

それでは、パーイ周辺の代表的な温泉を4つほど紹介したいと思います。

石灰華ドームが珍しい、ムアンペーン温泉

100℃近い温泉が斜面を流れる光景は必見

タイには目立った火山はないのですが、パーイ周辺には高温で成分の濃い温泉が湧いていて、最も印象的なのがムアンペーン温泉です。パーイから車で北西へ約40分、見事な「石灰華ドーム」が迎えてくれます。鮮やかな白を基調に黄色や黒の縞模様がアクセントとなったドームは温泉成分が固まって形成されたもの。熱湯なので近づけませんが、温泉が作り出した造形美を楽しむことができます。

温泉はドームの頂上から湧いていて、むせ返るような蒸気ともに石膏泉特有の焦げたニオイが。なお、色鮮やかなドームは道路や駐車場から見えない位置にあるので、遊歩道からぐるりと回りこむ必要があります。

日本と違い遊歩道に柵などないので、泉源付近の散策は気をつけて

筆者が20年近く前に訪ねたときは、入浴できる場所はなく、温泉は川となって流れ去っていたのですが、いまは立派な露天風呂と足湯浴槽が設置されています。敬虔な仏教徒の多いタイでは肌の露出を好まず足湯を楽しむだけの人が多いのですが、外国人には露天風呂が人気。川の水を足しているのか、露天風呂はぬるめで、暑いタイでは気持ちの良い湯温でした。

蒸気の立ち昇る石灰華ドームを眺めて浸かる露天風呂

大自然の川湯、サイ・ガーム温泉

川の温泉があるだけだが、立派な看板があるので見落とすことはない

サイ・ガーム温泉はパーイから車で北へ40分の場所にあり、車を1日貸切ればムアンペーン温泉とのハシゴ湯も可能。大きな駐車場のすぐ先に川湯への入口があり、ところどころに堰が設けられた露天風呂が段々に並んでいます。

川の底から温泉が湧く自噴温泉を堪能したい

入口付近は30℃前後とぬるく浅いので、子どもたちの遊び場にも。奥に進むと少し湯温は上がりますが、それでもぬるい温泉です。川の底は砂利なので足の裏が刺激されて気持ちいいのですが、歩きやすくはないので、川の奥にまで進みたいなら、川歩き用の靴を用意した方がよいでしょう。

入浴客が少ない時には、温泉は澄んでいて透明度の高さに驚きます。木漏れ日を受けると少し緑色に輝いたような湯は美しく、あっという間に時間が経ってしまいます。「ぬるすぎる」と感じる人もいるようですが、筆者はとても心地よく感じました。

観光名所「メモリアル・ブリッジ」橋下の露天風呂!?

今では観光客に人気のメモリアル・ブリッジ

パーイの町の南にメモリアル・ブリッジという橋があります。第二世界大戦中の1942年、日本軍がチェンマイからビルマ(現ミャンマー)への鉄道建設のため、パーイ川に架けたで、正式名称はター・パーイ橋といいます。地元の人々にとっては苦難の歴史の象徴ですが、風光明媚で雄大な夕焼けを楽しめる場所として、今では国内外から多くの観光客が訪れます。

好きな人にはたまらない究極のシンプル露天風呂

知る人はほとんどいませんが、実は橋のたもとにとっておきのローカル温泉があります。温泉といっても、川岸に無機質なコンクリート浴槽が6つ並んでいるだけ。店のおばさんに声をかけると、バルブを開いて浴槽に湯を溜めてくれます。6つの浴槽のうち4つは河原にあり風景を眺めながらの入浴が可能。残りのふたつは周りが黒いシートで囲われていて景色は楽しめないものの、貸切風呂感覚で楽しめます。

川の増水時には入浴できず、サイ・ガームと同じでかなりぬるめですが、硫黄のニオイがはっきりとした名湯です。万人向けではありませんが、この種の温泉が好きな人は、ぜひチャレンジしてください!

快適な湯温が楽しめる、ター・パーイ温泉

ター・パーイ温泉入口。入浴場所と泉源が「異なるマーク」で紹介されている

メモリアル・ブリッジの北東2kmには、パーイで一番有名なター・パーイ温泉があります。外国人の利用が多いので、タイ語、英語、中国語で書かれた案内表示があり、中国語では「他百温泉」と記されています。「世界の温泉マーク」を紹介した記事では、ISO式の温泉マークを導入している例としてター・パーイ温泉を紹介しました。

世界の温泉マークの記事はこちら

土日や観光シーズンはさらに多くの人でにぎわう

ここも公園の奥から流れてくる渓流自体が温泉なので、上流に行くほど温かくなります。源泉は80℃と高いので、サイ・ガームより温泉らしい湯温での入浴ができて、脱衣所やトイレも充実しています。野湯を快適に楽しめる施設なので、外国人の利用が多いのだと思います。川の脇にはコンクリートで固めた少し熱めの露天風呂や個室風呂、温泉卵作りを楽しめる源泉池などがあり、温泉のテーマパークのようです。

泉源の近くには温泉卵を作れる高温の池がある

ターパーイ温泉(タイ国政府観光庁ホームページ)

朝食は市場の絶品粥で!

市場の手前の広場で多くの屋台が営業中

パーイでは、町なかのセーントーンアラーム市場で朝食をとりました。山のなかなので鮮魚は扱っておらず、色とりどりの果物や野菜が中心。市場前の広場には屋台が並び、飲み物やフルーツを扱う店やフライドチキンなどの揚げ物専門店などがあるなかで、一番人気という屋台でお粥とスープを注文しました。

豚肉のお粥(左)と血豆腐のスープ(右)。右側の茶色が血豆腐

タイ文字は読めませんが、メニューの写真を指さして注文し、店の前の青いベンチに座って待ちます。支払いは食後でよいとのこと、タイの治安のよさがうかがえます。豚肉団子や温泉卵など具だくさんのお粥と豚の血豆腐のスープ(ガオラオルアットムー)を注文し、全部で65バーツでした(日本円で300円ほど)。

豚の血豆腐は文字通り血を固めたもの。臭みはなくプルンとしていてビタミンやミネラルが豊富なので、中国から東南アジアにかけて広く食べられている食材です。豚肉のスライスやホルモンなども入っていて栄養満点のスープ。市場での食事は早くて安くておいしくて、大満足でした!

最後に

いかがでしたか? パーイには温泉付きのホテルもありますし、チェンマイへ戻る途中には、温泉の滝と個室風呂を楽しめるポーン・ドゥアット温泉があります。海外の温泉に興味がある方にはぜひ、チェンマイからパーイへの小旅行をおすすめします!

バンコクから日帰りできるヒンダート温泉や、クラビのクロントム温泉は拙著で紹介していますので、あわせてご参照ください。

「世界のスゴイ温泉旅」これまでの記事はこちら

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