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11月の下旬、鳴子温泉郷(宮城県大崎市)にて2泊3日のワーケーションモニターツアーに参加。在宅勤務やオフィスワークが続く中で日常に癒しが足りてないと思いいたり、「リフレッシュしながら働くこと」を目標に、湯治宿を訪ねました。まだ秋の気配がわずかに残る大崎市では、ゆったりと心地よい時間が流れていました。
目次
宮城県大崎市でのワーケーションモニターツアー募集があり、「リフレッシュしながら働くこと」を目標にワーケーションを行いました。有名な湯治宿を訪れ、お湯に癒されながら働くことで、仕事の効率を上げることを目指します。
11月19日(金)~11月22日(月) 2泊3日+ブリージャー1日
今回訪れたのは宮城県大崎市・鳴子温泉郷にある「旅館大沼」。
鳴子温泉郷とは1000年を越える歴史を有する温泉郷で、「東鳴子温泉」「川渡温泉」「鳴子温泉」「中山平温泉」「鬼首温泉」の5つの温泉地からなります。源泉数が非常に豊富で、日本にある11の泉質のうち9つが存在しており、多種多様な温泉を楽しめる一大温泉郷です。
旅館大沼は「東鳴子温泉」に位置しており、お宿で楽しめる泉質は「純重曹泉」「含食塩・芒硝-重曹泉」の2種類。5代目湯守の大沼さんによれば、この重曹泉、入った後には体はホカホカ、お肌もふっくら、すべすべになるのだそう。
旅館大沼には8つの湯殿と離れの庭園貸切露天風呂があり、気分や目的にあわせていろいろなお湯を楽しむことができます。
ツアー初日は6時台に東京を出発し、新幹線内で少し仕事。電車を乗り継いで11時に宿にチェックイン。
今回はモニターツアーでの参加だったので、他の参加者の方との顔合わせなどのご挨拶から始まりました。
旅館にはワークスペースが完備。広々としたスペースには観葉植物や木製のデスクが並び、落ち着いた雰囲気。高速Wi-Fi環境もあり、PCで作業するには全く不便を感じません。私が参加した日にはたまたま地元の珈琲屋さんの出展イベントがあり、美味しいコーヒーを飲みながら作業。まるでカフェにいるかのような気分で仕事も捗ります。
ただし、ワークスペースは作業のため静かに利用する場所ということで、基本的に電話や会議などは禁止。私はお昼に部署の会議があったため、自室でオンライン会議を行いました。
18時、仕事を終え夕食へ。ツアー中は毎食参加者全員でテーブルを囲んで食事をとります。一汁五菜で作られた膳には地元の農家さんの野菜や鳴子の新米が使われており、一口で鳴子の風を感じることができます。
夕食を終えて自室で少し休憩した後、ツアー最初のお風呂へ。最初に入ったのは混浴大浴場の「薬師千人風呂」(女性専用の時間有)。壁に天子の画が描かれていたのが非常に印象的で、何も考えずただ壁をぼーっと見つめながら、日々の疲れがゆっくりお湯に溶けていくような時間でした。
この日は土曜日だったのでゆっくり起床。朝食をいただき、朝風呂へ。離れの庭園貸切温泉に浸かります。山の中、木々に囲まれてゆったりとお湯につかる時間はこの上ない贅沢。完全貸切なので誰にも邪魔されることなく、空や木々を見、風を感じ、鳥の声に耳を澄ましながら、日々のあれこれを忘れてのんびり過ごすことができました。
この時期東北には渡り鳥がやってくるそうで、宿のレンタル自転車を借り、近くを流れる「江合川」を散策。川を見渡すと探すまでもなく、たくさんの白鳥が!東京ではなかなか見られない光景に胸が高鳴ります。
午後は旅館大沼・大女将による「茶道体験」。参加者全員で大女将のレクチャーを受けながら、お茶と茶菓子をいただきます。お茶が出されたら上座の方に一言「ご相伴いたします」と声をかけてからいただくなど、茶道の細やかな心遣いに触れ、日本文化の美しさを改めて感じる時間でした。
宿に戻り夕食後をいただいた後、2日目の夜は女性専用浴場の「天女風呂」へ。このお風呂では美肌効果の高い重曹泉「赤湯」を楽しむことができます。お風呂上りに自分の肌を触ってみると心なしか普段よりすべすべもちもちしているようで、とても嬉しくなりました。
お風呂でゆったりした後は、離れで「瞑想ワークショップ」に参加。アナウンサーの及川徳子さんを講師に、朗読を聞きながら瞑想を行います。普段時間をとって自分の内面に向き合うことはなかなかないのでとても新鮮な体験で、いろいろな気づきを得られたワークショップでした。
いずれも日常では味わうことのできない静かで贅沢な時間。このように一週間働いた後に自分と向き合う時間をしっかりとれることもワーケーションならではかもしれません。
最終日の日曜日は少し早めの起床で、離れの山荘でヨガを体験。
まだ外も薄暗く体も目覚めていない状態から、ヨガを行うことで体と頭がどんどんすっきり澄み渡っていく感覚はとても爽快で、一日のスタートを気持ちよく切れたような感覚でした。
朝ヨガで体をすっきり目覚めさせた後、ツアー最後のお風呂へ。最後のお風呂は「陽の湯」。予約なしで貸切することができるお風呂で、東向きなので湯浴みしながら日の出も楽しむことができるのだとか。残念ながら時間の関係で日の出は見ることができませんでしたが、貸切で静かにのんびりと、最後のお湯を存分に味わいました。
そしてチェックアウト前には、湯守の大沼さんと従業員の齋藤さん、参加者全員で、それぞれがワーケーションを体験してどんな感想をもったかをシェアしました。「日常では味わえない経験をし、またこの経験を日常に持ち帰ることでいい循環が生まれそう」、「自分の中に余白ができた」、「それぞれのワーケーション施設の色を作り、地域の特徴に合わせて、こんな人に出会えるかもという期待で場所選びができると楽しい」などといった声が挙がりました。
チェックアウト翌日は仙台に向かい市内散策を。
仙台名物の牛タンやお寿司に舌鼓を打ち、このワーケーションモニターツアー3日+ブリージャー1日の旅行は幕を閉じました。
合計 61,800円
交通費 | 24,000円(往復) |
ツアー参加費用 | 27,800円(食費含む) |
その他雑費 | 10,000円 |
「リフレッシュをしながら働く」を目標に参加したワーケーションツアーでしたが、目標は見事達成。特に今回訪れたのが湯治宿だったということは達成要因の一つではないでしょうか。始業前にひと風呂浴びて体を目覚めさせ、仕事に挑む。仕事が終わり、一日のデスクワークで凝り固まった体をゆっくりほぐす。日常の合間にほっと一息を挟むことで、適度にリフレッシュしながら平日を効果的に過ごすことができました。
また、ツアー参加者内での交流があったことも大きな収穫です。普段出会えない業界、職種、キャリア経験の人と話が出来たことはかなり刺激になりました。
とくに印象的だったのが2日目のお昼ご飯時の出来事。お弁当の仕出しに来られた地元の農家さんと、ひょんな雑談の流れで、「宮城県の地主さんが抱える悩みは参加者の会社で解決できるのでは?実際に社内で新規プロジェクト提案できるかも?」という話題に。他参加者からも「自分の会社ではこんな関わり方ができそう」という声が上がり、話に花が咲きました。
ワーケーションとは"自分"の働く環境を整える行為のひとつであり、意識も"自分"に向きがちです。しかし一方で、働く環境を変えるということは自分が関わる"相手"を変えるということでもあり、そこでは普段の仕事では得られない新しい出会いや発見が待っているかもしれません。
リフレッシュしながら働けたり、普段の仕事生活にない出会いや発見を得られたりするのは、ワーケーションならではの体験。PCを切るとそこは非日常、少しわくわくしながら高揚感をもって働けるのは大きな魅力ではないでしょうか。普段オフィスや在宅でがんじがらめになっている人は、仕事場と距離感を保って働けるので、自分で自分の時間を自由に使える開放感も味わえるかも。自分で自分の居場所を選べることは、自分の人生をより自由に選択できるということにつながります。働き方の選択肢の一つとしてワーケーションが浸透していく未来がやってくるといいなぁと思います。
取材:中村 かれん(20代)
現地訪問日:2021年11月19日~11月22日。感染症予防対策をしたうえで、現地訪問・取材をしています。