【2025年版】パスポートの概要と申請・更新方法

©︎iStock

海外旅行に欠かせないパスポート。初めてパスポートを取得したり更新したりする場合、手続きや必要書類が分からず不安になる方も多いのではないでしょうか? 本記事では、パスポートの申請手順や必要書類、注意点を解説します。

パスポート(旅券)とは

パスポート(旅券)とは、世界で通用する身分証明書のことです。海外旅行で入出国審査や身分証明書として使用され、基本的には海外では常に携帯することが求められます。

1.パスポートの種類

パスポートは、おもに10年有効パスポート(10年有効旅券)と5年有効パスポート(5年有効旅券)があります。違いは次の通り。

種類 概要
10年有効パスポート ・有効期間は10年
・満18歳以上が申請可能
・パスポートの表紙が赤色
5年有効パスポート ・有効期間は5年
・満18歳未満は5年用のみ申請可能。満18歳以上でも申請可能
・パスポートの表紙が紺色

2.パスポートの申請方法

パスポートの申請方法は、パスポートセンターの窓口で申請する方法と、オンラインで申請する方法の2通りあります。オンライン申請のほうが手数料が安く、窓口に行く手間も1回で済みますが、オンライン申請を利用するためにはマイナンバーカードとマイナポータルアプリ対応のスマートフォンを持っている必要があります。

パスポートセンターの窓口で申請する方法

1.初めてパスポートを取得する場合、有効なパスポートを持っていない場合

初めてパスポートを取得する場合や、パスポートの期限が切れていたり紛失したりして有効なパスポートを持っていない場合、パスポートセンターの窓口で申請することができます。その際に必要な書類や手続きの流れは次の通り。

①申請に必要な書類や手数料を準備

まずは申請に必要な書類や手数料を準備します。本人確認書類は、1点でよいものと、2点揃えないと本人確認書類として認められないものがあるので注意。また、手数料は、申請時ではなくパスポート受領時に必要です。

なお、書類等は変更になる場合があるので、最新情報は外務省の公式ページで確認するようにしてください。

書類・手数料 必要数 備考
申請書 1通 一般旅券発給申請書は、最寄りのパスポートセンター、またはダウンロード申請書から入手可能。パスポートを紛失した場合は紛失一般旅券等届出書を用いること
※申請書は機械で読み取るため、折ったり汚したりしないこと
本人確認書類 1点でよいもの 運転免許証、マイナンバーカード(通知カードは不可)、船員手帳 など
2点必要なもの 下記のうち、(1)から2点、あるいは(1)から1点と(2)から1点の計2点
(1) 健康保険証、国民健康保険証、共済組合員証、船員保険証、後期高齢者医療被保険者証、国民年金手帳、年金証書(厚生年金証書、船員保険年金証書、共済年金証書など)、印鑑登録証明書(登録した印鑑も必要) など
※健康保険証、国民健康保険証、共済組合員証、船員保険証、後期高齢者医療被保険者証は、経過措置として2025年12月1日まで本人確認書類として使用可能
(2) 写真が貼ってある学生証、写真が貼ってある会社の身分証明書、写真が貼ってある公的機関発行の資格証明書
証明写真 1枚 パスポート申請用写真の規格に沿って撮影したもの
※規格を満たしていないものは申請が受理されないので注意
戸籍謄本 1通 6ヵ月以内に作成されたもの。市役所の窓口、またはマイナンバーカードがあればコンビニまたはオンラインで入手可能
※戸籍謄本と似た名前の「戸籍抄本」は申請書類として使用できないので注意
住民票の写し
※備考欄の(1)か(2)に該当する場合は必須
1通 下記の(1)か(2)に該当する場合は必須
(1)住民基本台帳ネットワークシステム利用を希望しない場合
(2)単身赴任や就学などで住民登録をしていない都道府県で申請する場合
手数料
※受領時に必要
・10年有効パスポート:1万6300円
・5年有効パスポート:1万1300円
・5年有効パスポート(12歳未満):6300円
※窓口で申請する場合は現金のみ

②パスポートセンターで書類を提出

申請書や取り寄せた書類に不備がないか、証明写真が規定を満たしているか事前にチェックしましょう。書類を準備したら、各都道府県のパスポートセンターの申請窓口で書類を提出します。申請からパスポートの受け取り(受領)までは、2週間程度かかります。

③パスポートの受け取り(受領)

受領する際は、申請時に受け取ったパスポート引換書、手数料を持参します。

パスポートを受け取ることができるのは、乳幼児も含め本人(パスポートの名義人)のみで、代理人による受領は認められません。また、パスポートを受領できる場所は、申請書を提出したパスポートセンターのみ。さらに、パスポート発行日から6ヵ月以内に受領する必要があります。6ヵ月を過ぎるとそのパスポートは失効し、失効後5年以内に新たなパスポートを申請する際に手数料が通常より6000円高くなるので注意してください。

2.パスポートを更新する場合、有効なパスポートを持っている場合

パスポートの残存有効期間が1年未満になったら、パスポートを更新することができます。また、余白ページが見開き3ページ以下になった場合、氏名や本籍地などの記載事項に変更がある場合にも手続きが可能です。

①更新に必要な書類や手数料を準備

申請に必要な書類や手数料は、初めてパスポートを取得する場合とほとんど同じですが、有効なパスポートを持参することを忘れずに。

申請に必要なもの 必要数 備考
申請書 1通 一般旅券発給申請書は、最寄りのパスポートセンター、またはダウンロード申請書から入手可能。記載事項に変更がある場合や余白ページがなくなった場合は一般旅券発給申請書(残存有効期間同一)があるので、用途に合わせて選択すること
※申請書は機械で読み取るため、折ったり汚したりしないこと
本人確認書類 1点でよいもの 運転免許証、マイナンバーカード(通知カードは不可)、船員手帳 など
2点必要なもの 下記のうち、(1)から2点、あるいは(1)から1点と(2)から1点の計2点
(1) 健康保険証、国民健康保険証、共済組合員証、船員保険証、後期高齢者医療被保険者証、国民年金手帳、年金証書(厚生年金証書、船員保険年金証書、共済年金証書など)、印鑑登録証明書(登録した印鑑も必要) など
※健康保険証、国民健康保険証、共済組合員証、船員保険証、後期高齢者医療被保険者証は、経過措置として2025年12月1日まで本人確認書類として使用可能
(2) 写真が貼ってある学生証、写真が貼ってある会社の身分証明書、写真が貼ってある公的機関発行の資格証明書
証明写真 1枚 パスポート申請用写真の規格に沿って撮影したもの
※規格を満たしていないものは申請が受理されないので注意
戸籍謄本 1通 6ヵ月以内に作成されたもの。市役所の窓口、またはマイナンバーカードがあればコンビニまたはオンラインで入手可能
※戸籍謄本と似た名前の「戸籍抄本」は申請書類として使用できないので注意
有効なパスポート 有効なパスポートを持っている場合は必須
住民票の写し
※備考欄の(1)か(2)に該当する場合は必須
1通 下記の(1)か(2)に該当する場合は必須
(1)住民基本台帳ネットワークシステム利用を希望しない場合
(2)単身赴任や就学などで住民登録をしていない都道府県で申請する場合
手数料
※受領時に必要
・10年有効パスポート:1万6300円
・5年有効パスポート:1万1300円
・5年有効パスポート(12歳未満):6300円
※窓口で申請する場合は現金のみ

②パスポートセンターで書類を提出

書類に不備がないか、証明写真が規定を満たしているか事前にチェックし、各都道府県のパスポートセンターの窓口に書類を提出します。パスポートの受け取りまでは2週間程度かかります。

③パスポートの受け取り(受領)

申請時に受け取ったパスポート引換書、手数料を持参し、本人(パスポートの名義人)が申請書を提出したパスポートセンターへ行き、パスポートを受け取ります。

オンラインで申請する方法

2025年3月末より、パスポートを初めて取得する場合、更新する場合、有効期限が切れた場合、氏名や本籍地が変更になった場合、紛失や盗難に遭った場合にオンライン申請が利用できるようになりました。オンライン申請を利用すれば、戸籍謄本を市役所に取りに行くことも不要で、パスポートセンターへ行く手間が1回で済みます。ただし、オンライン申請には、マイナンバーカードとマイナポータルアプリ対応のスマートフォンが必須になるため、これらを持っていない場合はオンライン申請を利用できません。

オンライン申請の流れ

1.オンライン申請に必要なもの

申請に必要なもの 備考
マイナンバーカード 4桁の利用者証明書用電子証明書パスワード、半角6~16文字の署名用電子証明書パスワードが必要。署名用電子証明書は、マイナンバーカードを窓口で受け取った際に設定した半角6~16文字英数字のパスワードのこと
マイナンバーの署名用電子証明書パスワード マイナンバーカード作成時に設定した半角英数字6~16桁のパスワード。忘れてしまった場合は、住民票のある市区町村で初期化申請を行う必要がある
マイナポータルアプリ対応のスマートフォン パソコンからでも申請手続きはできるが、申請の過程でスマートフォンでマイナンバーカードやパスポートを読み取る必要があるため、マイナポータルアプリ対応のスマートフォンが必須
マイナポータルアプリ マイナポータルアプリのインストールを忘れずに。申請前に初回登録を済ませておくこと
本籍地の情報 申請を進めていくと自動入力されるが、その情報が正しいか確認できるようにあらかじめ把握しておくこと
顔写真のデータ
※任意
申請時にスマホで撮影することも可能だが、紙で申請する場合と同じで細かい規定があるため、事前に撮影した顔写真のデータをスマホに保存しておくと便利
有効なパスポート
※更新時のみ
更新の場合は必須
手数料
※受領時に必要
10年有効パスポート:1万5900円
5年有効パスポート:1万900円
5年有効パスポート(12歳未満):5900円

2.マイナポータルアプリにログインし、パスポート申請画面を開く

検索画面から「パスポート」などと入力し、「パスポートの取得・更新」を選択して申請画面を開く。「申請する手続きを選択」という項目のなかから、パスポートを初めて申請する場合は「パスポートを取得する(新規申請)」を、パスポートを更新する場合は「パスポートを更新する(切替申請)」を選択。

3.パスポートの受け取り窓口を選択

①「パスポート(旅券)窓口の選択」というページに移行するので、マイナンバーカードに記載されている都道府県と市町村をプルダウンから選択し、「この条件で検索」をタップ。

②オンライン申請に対応しているパスポートセンター(受け取り窓口)のリストが表示されるので、このリストからパスポートを受け取りたいところを選択。

③「申請前の同意」というページに移行するので、内容を確認したうえで、「確認事項に同意する」のチェックボックスにチェックを入れ、「次へ」をタップ。

4.署名用電子証明書パスワードの確認

「署名用電子証明書の確認」というページに移行するので、内容を確認して問題なければ「次へ」をタップ。

5.顔写真の作成

マイナポータル画面にある手順1「事前準備」について、「顔写真」「自署画像」「申請事前情報」の3項目のうち、どれから作成してもOK。今回は、「顔写真」から作成していく。

①「顔写真」の項目下にある「作成する」ボタンをタップ。

②顔写真の規定を確認し、「マイナポータルアプリで撮影・アップロードする」ボタンをタップ。

③事前に準備した写真をアップロードする場合は、スマートフォンのアルバムに写真をアップロードしたうえで、「選択してアップロードする」ボタンをタップすること。その場で顔写真を撮影する場合は、「カメラを起動して撮影する」ボタンをタップ。

④その場で撮影する場合は、まず撮影環境を整える。背景が自動処理されるため背景がない明るい場所で、顔に影が入らないように正面から撮影すること。また、注意事項として、カラーコンタクトはNG、メガネは可能な限り外すこと、髪の毛は目にかからないようにすること、髪の毛が長い場合は顔の輪郭が隠れないように髪を縛ったりすること。

⑤注意事項を読んでから「撮影に進む」ボタンをタップし、画面のガイドに顔の位置を合わせて撮影。撮影が完了したら「この写真を使用する」ボタンをタップ。

⑥顔写真のチェック結果が表示される。背景が自動で白色になるので、写真とエラーメッセージを確認して問題なければ「次へ」をタップ。

⑦「次の手順へ進む」をタップすると、「事前準備」のページに戻るので、顔写真の作成状況が「完了」になっていることを確認すること。

6.自署(サイン)画像の作成

①次に、パスポートに記載されるサインを作成する。あらかじめ白い無地の紙と、黒色か青色のインクが濃いペンを用意する。用意した紙に、文字がつぶれないようにていねいにサインを書く。

②手順1「事前準備」の「自署画像」の項目下にある「作成する」ボタンをタップ。

③注意事項をすべて読み、「マイナポータルアプリで撮影・アップロードする」ボタンをタップ。

④事前に準備した自署画像をアップロードする場合は、スマートフォンのアルバムに写真をアップロードしたうえで、「選択してアップロードする」ボタンをタップすること。その場で自署画像を撮影する場合は、「カメラを起動して撮影する」ボタンをタップ。

⑤その場で撮影する場合は、まず撮影環境を整える。明るい場所で影が入り込まないように撮影すること。影が入っている場合、文字が薄かったり小さかったりする場合、背景が白地でない場合、サインがつぶれている場合は申請が認められない場合があるので注意。

⑥画面の白枠のガイドに合わせてサインを撮影する。

⑦撮影した画像を確認し、問題なければ「この写真を使用する」ボタンをタップし、「次へ」をタップ。

⑧「次の手順へ進む」ボタンをタップ。「事前準備」のページに戻るので、自署画像の作成状況が「完了」になっていることを確認すること。

7.申請事前情報の作成

①手順1「事前準備」の「申請事前情報」の項目下にある「作成する」ボタンをタップ。

②初めてパスポートを取得する場合、②の工程はないため③へ。パスポートを更新する場合は、現在持っている有効なパスポートの読み取りが必要なため、「マイナポータルアプリでパスポートを読み取る」ボタンをタップ。カメラが起動するので、注意事項を読んでから「読み取りに進む」ボタンをタップ。画面に表示される白枠のガイドに合わせてパスポートの顔写真のページを撮影し、「次へ」をタップ。

③パスポートに記載する氏名、連絡先などの情報を入力。すべての項目の入力が完了したら「次へ」をタップ。

④「次の手順へ進む」ボタンをタップ。「事前準備」のページに戻るので、「申請事前情報」の作成状況が「完了」になっていることを確認すること。

8.入力内容の確認

①手順1「事前準備」の「顔写真」「自署画像」「申請事前情報」の3項目の作成状況がすべて完了になったら、手順2「申請」の項目の「申請」ボタンをタップ。

②案内に従って入力内容を確認していく。

③「申請の同意確認」のページに移行するので、「すべての確認事項に同意する」のチェックボックスにチェックを入れ、「申請する」ボタンをタップ。

9.本籍地の確認

戸籍情報のオンライン取得・提出について確認を進めていくと、本籍地が自動転記される。本籍地と筆頭者氏名を確認し、問題なければ「次へ」ボタンをタップ。

10.署名用電子証明書用パスワードの入力

①署名用電子証明書用パスワードを入力し、「マイナンバーカードを読み取る」ボタンをタップしてスマホでマイナンバーカードを読み取る。問題なければ申請は完了。

②申請完了画面の「次の手順へ進む」ボタンをタップし、申請の項目が「完了」と表示されているか確認すること。申請状況照会の項目の「申請状況照会をする」ボタンをタップすると申請状況が確認できる。

11.パスポートの受け取り(受領)

①審査が完了すると、マイナポータルに交付予定日の案内通知が届くので、通知が届いたら申請時に受け取り場所として指定したパスポートセンターへ。

②手数料は、案内通知に表示されているURLから納付専用サイトにアクセスすればクレジットカードで支払うことが可能。窓口で支払う場合は現金のみ可能で、クレジットカードや二次元コード決済は使用できないので注意。

③マイナポータルトップページの「やること」という項目から申請状況照会を開き、受付票にある二次元コードを窓口で提示し、パスポートを受け取る。

パスポート申請のよくある質問

パスポート申請のよくある質問をまとめました。詳細は外務省のウェブページやパスポートセンターでご確認ください。

Q
パスポートの申請にどれくらい時間がかかりますか?
A
通常、申請から受け取りまで2週間程度です。ただし、ゴールデンウィークや年末年始などの繁忙期は時間がかかることもあります。
Q
戸籍謄本はどこで取得できますか?
A
本籍地の市区町村役場で発行可能です。郵送での取得も可能です。
Q
戸籍抄本では申請できますか?
A
いいえ。2023年3月から戸籍抄本では申請不可になりました。必ず戸籍謄本をご用意ください。
Q
証明写真が規定に合わない場合はどうなりますか?
A
不備がある場合は受け付けてもらえません。
Q
パスポートの受け取り期限はありますか?
A
はい。発行日から6ヵ月以内に受け取らなければなりません。6ヵ月を期限を過ぎると失効するため、再申請が必要です。また、発行日から6ヵ月以内に受け取らずに失効させ、5年以内に再度パスポートを申請する場合は、通常よりも手数料が6000円ほど高くなるので、期限内に受け取りを完了させましょう。
Q
パスポートを紛失した場合、どうすればいいですか?
A
最寄りの警察署で紛失届を提出し、その後、パスポート窓口で再発行手続きを行います。この際、新規登録時と同様に戸籍謄本や本人確認書類が必要です。
Q
パスポートの期限が切れた場合、どうすればいいですか?
A
期限切れの場合、新規申請と同じ手続きが必要です。
Q
パスポートのオンライン申請が利用できるのはどのような場合ですか?
A
パスポートを初めて取得する場合、パスポートの残存有効期間が1年未満となり更新する場合、空白ページが見開き3ページ以下になった場合、紛失した場合などに利用できます。ただし、マイナンバーカードとマイナポータルアプリ対応のスマートフォンを持っている必要があります。

まとめ

パスポートは海外旅行の必須アイテムです。初めての申請や更新時には、必要書類を揃え、手順をしっかり把握することが重要です。本記事を参考に、余裕を持って準備を進めましょう。スムーズな申請手続きで快適な旅をスタートさせてください!

トップへ戻る

TOP