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幕末、日本が開国した時に、佐賀藩が対外貿易を任せた人物の一人に、同藩の商人・野中元右衛門という人がいました。その元右衛門の慰霊祭が、6月28日(日)にパリのペールラシェーズ墓地で行われます。
江戸末期、今までの秩序が崩れ各藩が軍備の増強などをしていく中で、佐賀藩も海外貿易により富国強兵政策を進めていました。その佐賀藩で、軍艦購入のための資金繰りを行うなど、手腕を発揮していた1人が元右衛門です。彼がフランスの地を踏むきっかけとなったのが、1867年にパリで開かれた第二回万国博覧会。同博覧会で、日本からは幕府、薩摩藩、佐賀藩がそれぞれ出品することになりました。そこで元右衛門が佐賀藩の渡仏メンバーに抜擢されたのです。
元来、元右衛門は身体が丈夫ではありませんでした。そのため家族はフランス行きに反対しますが、それを押し切り渡仏します。一行は船で南方を回り、エジプトを経由してパリへ到着しました。しかし長旅がこたえたのか、元右衛門は現地で急病に襲われ亡くなってしまいました。その後、パリ市内の墓地・ペールラシェーズに埋葬され、故郷の佐賀へ戻ることなく、今もパリで眠っています。
現在、日本人にとってもフランスは、人気ある渡航先になっています。ビジネスでも多くの人が訪れています。元右衛門は命をかけて渡仏し、日仏交流の原点の1つを作った人です。子孫の方々により墓の管理はされていましたが、さらに広く元右衛門の功績を見直そうとことで、パリの有志により立ち上げられたのが今回の慰霊祭です。
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