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郊外に多め!? パリのから揚げ事情って?

守隨 亨延

守隨 亨延

フランス特派員

更新日
2014年9月30日
公開日
2014年9月30日
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唐揚げ、好きな人多いですよね。パリでから揚げを食べたくなったら、私はよく、市内5区にある韓国レストラン「Han Lim(韓林)」(『地球の歩き方』フランス編やパリ編にも掲載)に行っています。

Han Lim(韓林)

住所:6 Rue Blainville 75005

営業時間:12〜14時30分、19時〜22時30分

定休日:月・火曜

電話:01.43.54.62.74

最寄り駅:地下鉄7号線Place Monge/10号線Cardinal Lemoine

日本や韓国レストラン以外だと、通常鶏肉を揚げたものは、つまりフライドチキンになるのですが、このフライドチキン屋、じつは(大手KFC含め)パリの中心部より、18区や19区といったような、アフリカやインド・パキスタン系移民が多く暮らす、郊外寄りの地区に集積しています。なぜでしょうか?

アフリカやパキスタン系移民の多くはイスラム教徒です。彼らにとって豚肉はタブーですが、チキンであれば問題なく食べられます。そのような鶏肉を中心に扱うレストランが、彼らの生活圏に集まっています。そのチキンも「ハラール」という、イスラム法に則り処理されたものが使われます。

このフライドチキン屋さん、移民街の独特の雰囲気もあり一見入りづらいですが、値段も高くなく(味は店によりますが)油っこいものが好きで、手頃に食事を済ませたい場合には重宝すると思います。ただし彼らの多くが暮らしている地区は治安が良くない場所も多いので、限られたパリ滞在期間中に、わざわざ食べに行くほどでもないですが……。

しかし、ただ1つ言えることは、フライドチキン屋があるような地区もフランスの魅力です。ルーブル美術館やシャンゼリゼ通りといったような、日本で「フランス」として映し出されるものは、この国のごく一部でしかありません。

もちろん、移民に由来する社会問題も数多くあります。(移民というのは途上国から移り住んできた人々だけではありません。問題の程度はあるにせよ、私たちパリで暮らす日本人も移民の一部です)。それも含めてフランス。パリのフライドチキン屋は、そのようなフランスの多様性をのぞける入口なのです。

(9月お題"から揚げ")

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