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青もみじ美しい、北峨野・直指庵(じきしあん)。
直指庵は、嵯峨野の中でも最も北の位置にあり、まさに
「庵」という名前通り静寂に包まれたお寺です。
1975年、女性デュオ「たんぽぽ」が歌った「嵯峨野さやさや」と
言う曲では直指庵が歌われていました。
「京都 嵯峨野の 直指庵 旅のノートに 恋の文字
どれも私に よく似てる
嵯峨野ささの葉 さやさやと 嵯峨野ささの葉 さやさやと」
直指庵を訪れる人は、一人旅の人も多く、
かつて直指庵は、泣き込み寺、駆け込み寺、と
呼ばれていた時がありました。
本堂入り口に仏教詩人・坂村真民さんの詩がありました。
『一本の道を』
「木や草と人間と どこがちがうだろうか
みんな同じなのだ
いっしょうけんめいに 生きようとしているのをみると
ときには彼等が 人間より偉らいとさえ思われる
彼らはときがくれば 花を咲かせ
実をみのらせ じぶんを完成させる
それにくらべて人間は 何一つしないで終わるものもいる
木に学べ 草に習えと
わたしは自分に言いきかせ 今日も一本の道を歩いていく」
仏教詩人・坂村真民
本堂からの眺め。
美しい緑の世界が広がっています。
机の上にあるのは想い出草ノート。
ノートには・・・
「そっとその意地を私の心(ノート)にすてていってください。
苦しむあなたをみているのが つらいのです」
と・・・・記されています。
このノートは、昭和40年から直指庵に来られる人々の心を
受け止めて来ました。ノートには参拝された方の、
人生の悩み 病の悩み 仕事の悩み 恋の悩み 等・・・・・・
人生に起こる様々な悩みが綴られています。
その数は、すでに5000冊以上だとか。
今も日々、新しいぺージが更新されています。
境内を歩くと、ここにも 言葉がありました。
「今日という今日」
「できないのではない やらないのだ」
境内の奥、竹林と青もみじの中には「想い出草観音」様がおられます。
広げたノートを手にした観音さまは、本堂のノートに綴られた
悲しみや苦しみを読み そこから救い・・・その後の成長を
見守って下さると言います。
竹林と青もみじ美しい直指庵。
さやさやと、五月の風が渡っています。
《直指庵》 京都市右京区北嵯峨北ノ段町3
拝観料 ◎ 500円
拝観時間 ◎ 9:00~17:00
アクセス ◎ 京都駅から京都市営バス28号系統「大覚寺」下車。
徒歩15分。