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一乗寺の金福寺さんは、臨済宗南禅寺派のお寺。
芭蕉が訪れたとされる草庵「芭蕉庵」や与謝蕪村の墓所が
ある所として知られます。
落ち着いた門構えからも、静かな時の流れが感じられます。
これからの紅葉時、美しい景色が広がります。
庭園には桔梗が咲いていました。
書院の縁側で、ネコちゃんが迎えてくれました。
ネコの名は、「三毛猫の福ちゃん」。
名前の由来は、金福寺の福をとって福ちゃん。
秋の陽の暖かい縁側でお昼寝中。
金福寺さんの歴史 は、貞観6(864)年、慈覚大師円仁の遺志を継ぎ、
安恵僧都が創建したのが始まり。
天台宗の寺院でしたが一時荒廃。その後、江戸中期に円光寺の鉄舟和尚が再興し、
臨済宗南禅寺派となったそうです。
鉄舟和尚は俳人・松尾芭蕉と親交が深く、のちに鉄舟は彼を偲んで
芭蕉庵という庵を建てました。
時が過ぎて芭蕉庵は荒廃しますが、芭蕉を尊敬する与謝蕪村が
安永5(1776)年に再興しています。
書院から続く石段を上がった所に見えるのが、芭蕉庵。
芭蕉庵からは、静かな秋の景色が見えました。
秋を詠んだ芭蕉さんの句。
「こちらむけ 我もさびしき 秋の暮」 芭蕉
「此道や 行人なしに 秋の暮」 芭蕉
そして、蕪村さんの句。
「冬近し しぐれの雲も ここよりぞ」 蕪村
芭蕉庵の裏山には、多くの文人(俳人、歌人、画家など)のお墓があります。
高浜虚子もこう詠まれています。
「ゆく春や 京を一目の 墓どころ」
木々の間からは、京都の町が見えました。
蕪村のお墓近くには、蕪村が当季によめる句が並んでいます。
僕は俳句は全く無知ですが、幾つかの蕪村さんの句が心に残る様になりました。
「父母のこと のみおもふ 秋のくれ」 蕪村
そして・・・・
「去年より 又さびしいぞ 秋の暮」 蕪村
江戸時代中期に詠まれた俳句なのに、とても心に響いて来ます。
再び裏山から下りて書院と庭園の景色。
お昼寝中の福ちゃんが見えます。
一乗寺・金福寺さん。
俳句と静かな秋が広がっています。
《金福寺》
○所 京都市左京区一乗寺才形町20
○拝観料 300円
○時間 9:00~17:00
○駐車場 有り(2台、無料)
○アクセス 叡山電車「一乗寺駅」下車、徒歩約20~30分
市バス「一乗寺下り松町」下車、徒歩約5分