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冬の日の建仁寺。
建仁寺は、栄西禅師が建仁2年(1202)に開いた京都最古の禅寺。
東山山麓や鴨川も近く、祇園の中に建っています。
舞妓さんが行き交う華やかなエリアですが、寺院の中は静けさに満ち
八百年の歴史と禅の世界が広がっています。
京都の寺院は、写真撮影禁止と言う所が多くなっていますが
ここ建仁寺さんは、写真撮影OKですから 嬉しくなります。
まずは、入り口正面に栄西禅師が説いた「大哉心乎」(おおいなる哉 心や)の衝立。
「人のこころは、本来自由で大らかである」、という意味との事。
続いて見えるのは、国宝・風神雷神の図。 (レプリカ)
今年は、琳派が生まれて四百年の年。
京都では琳派四百年に合わせて様々な催しも行われます。
俵屋宗達筆の国宝『風神雷神図屏風』は、建仁寺の寺宝として名高く、
保存のため、実物は京都国立博物館に寄託されています。
俵屋宗達は「琳派」を確立した江戸時代初期の絵師。
右双には風嚢(かざぶくろ)を持って疾駆する風神。
左双には連鼓を背負って地上に稲妻を落とす雷神。
このレプリカは、(株)キャノンが最新のデジタル撮影と高精度の技術で複製し、
伝統工芸士が金箔を貼り、表装を施したものです。
「風神雷神図」と共に展示されているのは、
書道家・金澤翔子さんの書道 「風神雷神」の屏風。
金澤翔子さんは、1985年東京都目黒区に誕生。
生まれてすぐダウン症と診断されますが、5歳から書家であるお母様に師事され、
書道を始められました。
10歳のとき般若心経を書かれ、全日本学生書道連盟展に「花」を出品。
その後、日本学生書道文化連盟展に出品をされ、16歳のとき「舎利礼」、
17歳のとき「觀」で金賞を受賞。
19歳で雅号「小蘭」を取得。2006年10月には
鎌倉建長寺に額装「慈悲」を奉納。
書道の「風神雷神」屏風。
素晴らしい躍動感に溢れた、書の世界に見入ってしまいました。
こちらは、桃山時代の海北友松作筆 襖絵「雲龍図」。
(重要文化財)デジタル複製。
京都の禅宗寺院に行きますと龍の天井絵や襖絵に出会います。
(妙心寺・南禅寺・東福寺・相国寺・大徳寺・天竜寺・など等。)
寺院に描かれた龍は、仏法を守る象徴と言われています。
龍は、金魚が鯉になり、鯉が滝を昇り、さらに空に昇り
龍に化身すると言われています。
天に昇った龍は龍神となり、水を司る神となります。
寺社で見られる雲龍絵は、仏法を守る象徴であると共に、渇水対策の雨乞いや
水難防止・火災除け等の祈願とも伝わります。
雄大な枯山水庭園。
方丈前庭・大雄苑
砂紋は水を表しているのでしょうか。
幾重もの丸。
この丸は、何処から書き始めたのでしょうね。
書院の掛け軸。「□△○」。
禅でいう□は、煩悩にまみれた人の迷い。
△は、その煩悩を断ち切る為修行している人。
○は、修行の後、悟りを開いた心。とか
鷹ヶ峰・源光庵の迷いの窓(□)と悟りの窓(○)を思い出しました。
法堂の天井に描かれた「双龍図」。(小泉淳作 日本画家(1924-2012)
2002年の創建800年を記念して描かれた畳108畳の大作です。
一体は「阿(あ)」。
一体は「吽(うん)」です。
この時期の京都は、咲く花も少ない時ですが、
冬の建仁寺には、日本画・書道・掛け軸・庭園・天井画と、
芸術の華の世界が広がっています。
《建仁寺》
○所 京都市東山区大和大路通四条下ル四丁目小松町584
○拝観時間 10:00-16:00
○拝観料 境内拝観自由 500円
○アクセス バス 市バス206,207,特207番「東山安井」から西へ5分
電車 京阪四条駅から徒歩7分