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竹林と、もみじ美しい嵯峨野・直指庵(じきしあん)。
直指庵は、嵯峨野の中でも最も北の位置にあり、まさに
「庵」という名の通り静寂に包まれたお寺です。
直指庵は正保3年(1646年)に始まり 一時は大寺院となりましたが、
後に荒廃したそうです。幕末になって、近衛家の村岡局(むらおかのつぼね)と
言う方が、浄土宗の寺として再興されています。
その後長い時を経た1970年~80年代。
直指庵を訪れる一人旅の人が多くなって来ます。
一度訪れた人は、再びリピーターとなって戻って来られると言います。
人で賑わう嵐山から離れた北嵯峨の里。
竹林と青もみじの中に建つ直指庵。
きっと、再び訪れる人は、
ここに流れる静かな時と、木々を渡る風の音に魅せられ
直指庵に戻って来るのでしょうね。
かつて直指庵は、「泣き込み寺、駆け込み寺」と
呼ばれていた時がありました。
書院の机の上にあるのは想い出草ノート。
ノートには、
「そっとその意地を私の心(ノート)にすてていってください。
苦しむあなたをみているのが つらいのです」と記されています。
ノートには、人生に起こる様々な悩みが綴られています。
その数は、すでに5000冊以上。
今も日々、新しいぺージが更新されています。
本堂の言葉。
「祈りの言葉」
私が幸せでありますように
私の親しい人々が幸せでありますように
生きとし生けるものが幸せでありますように
私の悩みや苦しみが無くなりますように
私の親しい人々の悩みや苦しみが無くなりますように
生きとし生けるものの悩みや苦しみが無くなりますように
私の願い事が叶いますように
私の親しい人々の願い事が叶いますように
生きとし生けるものの願い事が叶いますように
私に悟りの光が現れますように
私の親しい人々にも悟りの光が現れますように
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏・・・・
境内奥におられる「想い出草観音」。
観音様は、書院のノートに綴られた
悲しみや苦しみを読み、そこから救い、その後の歩みを
見守って下さると言います。
青もみじ美しい直指庵。
紫陽花が咲き始めていました。
京都はこれから雨の日が多くなります。
竹林に囲まれ、咲き始めた紫陽花。
これからの雨の日には、濡れた紫陽花が綺麗でしょうね。
書院で拝見した直指庵の詩。
「直指庵に魅せられて」 藤 公之介
直指庵は 雨の日に訪れるのがいい
濡れそぼる竹林の緑が目にしみて 庭に降りそそぐ
雨音が心にしみるから・・
直指庵は、晴れた日に訪れるのがいい
緑先から見える嵯峨野の空が目にしみて
風にそよぐ葉ずれの音が心にしみるから・・
直指庵は もやの日に訪れるのがいい
直指庵は、雪の日に訪れるのがいい
直指庵は 耐え切れない悲しみをひきずって一人で訪れるのがいい
直指庵は かかえ切れない幸せを抱きしめて ふたりで訪れるのがいい
直指庵は いつの日も 心のふるさと・・・・
(藤公之介さんは、歌手・大塚博堂さんの作詞を数多く手がけられてきた方。)
「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」「季節の中に埋もれて」)等など
六月の青いもみじと、竹林を渡る風の音が聞える直指庵。
咲き始めた紫陽花が綺麗です。
《直指庵》
○所 〒616-8441 京都市右京区北嵯峨北ノ段町3
○拝観時間 9.00~17.00
○拝観料 500円
○アクセス 京都駅から京都市営バス28号系統 大覚寺下車して徒歩。