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一日おきに雨が降る京都。
梅雨空の下、一乗寺・曼殊院門跡へと歩きました。
緩やかな坂道を登ると曼殊院は見えてきます。
土塀と苔の景色が何とも良い感じ。
81年前の1934年(昭和9年)旅行作家・北尾鐐之助さんは
曼朱院を訪れて『京都散歩』の中で「曼殊院へ行く道」を綴られています。
「いったい、曼殊院の門といふものは、ちかごろ開かれた事があるのか。
あの、左右にずつと広い白壁を展げた宏荘な表門。
その前に築かれた高い石段。それ等は半ばくづれかゝつて、
人の踏み登つたやうな跡は殆んど見られない。
幽静といふよりも、どこかに廃頽といふ感じがある。小門を押してみたが
開きさうにもないので、私は冷々とした石段の苔の上に立つて、
ひとり麓の畑から来る雲雀の声を聞いてゐた。」
81年前、北尾鐐之助さんが見た曼殊院は、訪れる人もまばらで
静かな景色が広がっていたのでしょうね。
書院に入りました。
曼殊院は、天台宗の寺院。
延暦年間(728~806)、宗祖伝教大師最澄により、
比叡の地に創建されたのが曼殊院のはじまり。
大書院前には遠州好みの枯山水庭園が広がり、
静かな景色が見えます。
水の流れを表す白砂の庭園。
目の前には樹齢400年の五葉松。
座って眺めているだけで、静寂が伝わって来ます。
「そうだ、京都行こう。」で曼殊院が紹介された
ポスターの言葉は・・・
「最澄が比叡山に開いた一坊が江戸中期にこの地に移り、
優美な堂宇は「小さな桂離宮」と呼ばれました。
建立したのは良尚親王。
桂離宮を造った八条宮智仁親王の次男でした。
茶道、華道、書道、香道、和歌の精進をつんだと言われるだけあって、
紅葉と建物の見事なレイアウトや部屋の意匠へのこだわり等、
内も外も曼殊院ならではの美意識に溢れています。
JR京都駅から市バス5系統で「一乗寺清水町」下車、徒歩20分。
近くに詩仙堂、修学院離宮、赤山禅院。紅葉散歩に最適です。」
・・・・・・と紹介されていました。
梅雨の日の一条寺・曼殊院。
赤もうせんの向こうには、六月の景色が広がっています。
※ 北尾鐐之助さん『京都散歩』。
「そうだ、京都行こう。」の言葉お借りしています。
《曼殊院》
〇所 京都市左京区一乗寺竹ノ内町42
〇拝観時間 9:00~17:00(受付16:30)
〇拝観料 600円
〇アクセス 市バス 「一乗寺清水町」下車徒歩約20分