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京都で屈指の紅葉処・鷹ヶ峰の常照寺さん。
今年の京都は、琳派400年の年。
常照寺の開基は琳派の祖と呼ばれる「本阿弥光悦」(1558年~1637年)。
今年は、本阿弥光悦が俵屋宗達らと共に洛北鷹峰に移住し、
芸術の郷を創設してから、400年の年になります。
そして常照寺と言いますと、本阿弥光悦と共に浮かんで来るのが
天下の名妓・二代目吉野太夫(1606年 ~1643年)
ですね。
この朱色美しい山門は、天下の名妓・二代目吉野太夫が巨財を
投じて寄進したもので、二代目吉野太夫、23歳の時の寄贈でした。
吉野太夫こと松田徳子は京都に生まれ、7歳で遊里に預けられました。
14歳で二代目吉野太夫の名跡を継ぎ、天下の名妓と賞賛される様になります。
全盛期の吉野太夫は井原西鶴の「好色一代男」に記される程に、
その美しさは群を抜いていたそうです。
そして美しい容姿と共に、茶湯や華道、香道、書、俳句、和歌、
三味線、囲碁の諸芸に秀で、情に厚く品性を備えておられたそうです。
その後、26歳の時に豪商・灰屋紹益に身受けされ結婚。
しかし、38歳という若さでこの世を去り、遺言によって
ここ常照寺本堂裏の墓地に葬られました。
悲しみに明け暮れた灰屋紹益は、その悲しみを詠んでいます。
「都をば 花なき里になしにけり 吉野を死出の山に移して」
(寺院入口の参道に掲げられています。)
境内に広がる美しい紅葉の世界。
鷹ヶ峰は朝晩冷え込む所。
きりっと冷え込む大気が、常照寺色と例えられる
美しい紅葉を見せてくれます。
丸い窓は吉野窓。
丸窓の向こうに赤い実が見えました。
毎年春の四月第二日曜日には、
吉野大夫を偲ぶ「吉野太夫花供養」があり
現在の島原太夫による「太夫道中」が行われます。
境内に咲く四季の花は・・・
春には満開の染井吉野、しだれ桜、八重桜に山桜。
そして椿に霧島ツツジ。
梅雨には、ガクアジサイやサツキ、夏には桔梗、白蓮、
秋には萩、ホトトギス、楓、冬には南天など。
日一日と色付く常照寺さんの紅葉。
これから月半ばから後半にかけては、見頃の時・・・・
続いて後半から落葉の時が始まり・・・・
その後は、地上で最後の彩りを見せてくれる、
散りもみじの時と・・・
一年で一番美しく、ダイナミックな時を迎えます。
《常照寺》
○所 京都市北区鷹峰北鷹峰町45
○参拝料 300円
○時間 8:30~17:00
○アクセス 市バス「源光庵前」下車、徒歩約2分
○駐車場 有り