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ピーター・ラビット作者ビアトリクス・ポターが愛した「ヒルトップ・ハウス」

小野 雅子

小野 雅子

イギリス特派員

更新日
2016年8月7日
公開日
2016年8月7日
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湖水地方は、ピーター・ラビットの絵本作家として有名なビアトリクス・ポターが愛してやまなかった場所です。ロンドンの富裕な家庭に生まれながら、有閑階級の暮らしよりも美しい自然に溢れたこの地に移り住んだ彼女は・・・。

この「ヒルトップ・ハウス」に住まいを構えて、農場経営や景観保護運動に取り組みながら、創作活動を続けました。

やがて地元の弁護士ウィリアム・ヒーリスと結婚してからは住宅を近隣の家に移し、この「ヒルトップ・ハウス」は仕事場そしてアトリエとして、日中の殆どをここで過ごしていました。

いわば「家庭に仕事を持ち込まない主義」によって弁護士である夫との家庭を大切にしながら、こよなく愛する自分の聖地を活動拠点にしていたんですね。

家具や備品など、すべてビアトリクスが愛用していた品々ばかり。ここを管理・運営している景観保護団体「ナショナル・トラスト」によって、今夏からは内部の写真撮影もOKになりました。

飾り棚の中には、ピーター・ラビットと仲間たちのオリジナル・フィギュアや子供用食器セットなども。ビアトリクス・ポターは絵本が刊行された当初から著作権ビジネスに熱心で、絵本の印税だけでは到底なしえなかった収入を得ました。

その資産を投じて周辺の農場や土地を買い上げ、美しい景観を乱開発から守って・・・ビアトリクスと夫の死後は、その殆どがナショナル・トラストに寄贈されました。

類まれな才能だけでなく、惜しみない努力と探求心で湖水地方の自然を次世代に遺した彼女の生涯は、ナショナル・トラストの公式ガイドブック「ビアトリクス・ポターのヒルトップ(日本語版)」で分かり易く読む事が出来ます。

フルカラーで全50ページのこの本は、「ヒルトップ・ハウス」に付随したこちらのショップで売っていましたが(£5.00、2016年7月現在)、イギリスの書店でも購入可能です。

あちらに見える白い家は、ビアトリクスと夫ウィリアムの自宅。周辺には「こねこのトムのおはなし」に出てくる白い門を始め、絵本に登場する建物や道がいっぱい!ピーター・ラビットの世界に浸れる「ヒルトップ・ハウス」なのです。

ナショナル・トラスト「ヒルトップ・ハウス」

https://www.nationaltrust.org.uk/hill-top

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