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一時期の「地ビールブーム」を経てなお、北海道にはクラフトビール醸造所(ブルワリー)が
全国47都道府県で最も多い18醸造所があります。
また、札幌では各地のクラフトビールを飲めるお店をあちこちで見かけるようになりました。
そこで今回、クラフトビールの勉強会・試飲会「クラフトビール王国北海道への道」にお邪魔ました。
主催は北海道と札幌市の若手職員で構成する「北海道・札幌市政策研究みらい会議」。
会場は北海道庁の13階(最上階)「AKARENGA-CAFE」で、第1部は北海道のクラフトビール業界を
けん引する坂巻紀久雄氏と森谷祐至氏、おふたりのレクチャーでスタートしました。
(写真はAKARENGA-CAFEから見たアカプラのイルミネーション。通常は営業時間18時まで)
講師の坂巻紀久雄氏は、北海道のクラフトビール第一人者ともいえる方で、
真夏の北海道の空の下、森でクラフトビールを楽しむイベント、
「SAPPORO CRAFT BEER FOREST」の実行委員会メンバーであり、
ビールとモルトウイスキー専門店「モルトヘッズ」のオーナーでもあります。
森谷氏も同じく「SAPPORO CRAFT BEER FOREST」実行委員会メンバー。
ブルーパブ「月と太陽BREWING」のオーナーで、おふたりとも
クラフトビールの基礎知識や、熱い思いを語ってくださいました。
クラフトビールは、歴史や伝統に則った方法で作るビールだそうで、
一方で、おいしくするためには、どのような副原料を使ってもよいそうです。
(ドイツはビールに副原料を使えない「ビール純粋令」があるため、その範疇で製造)
北海道のブルワリーでは、「小樽ビール」がドイツ・バイエルンの製法を忠実に守って作っているビール。
その対極にあるのが、例えば「おたるワイナリービール」が作っている「天使の雫」だそう。
世界的にもクラフトビールが多く作られているポートランド(札幌の姉妹都市)と、
札幌(北海道)は気候が似ており、また、副原料になり得る良質な農産物が豊富なので、、
今後、北海道はクラフトビール王国になっていく可能性を十分秘めている!というお話でした。
その後、早速お待ちかねの試飲会に移り、試飲の仕方もレクチャーしていただきます。
1.見た目 2.香り(アロマ) 3.フレーバー
普段、国内大手ビール会社のビールを飲む際は、「まずは最初の1杯」として、
大抵はゴクゴク飲み干すので、このような手順を踏みながらの飲み方がとても新鮮です。
今回、特徴的な5種類の北海道産クラフトビールを試飲ました。
"NORTH ISLAND IPA from Ebetsu City"
「ノースアイランドIPA」(江別市)
IPA(インディア・ペール・エール)というスタイルは、その昔、UKからインドへ輸出するために
作られたビールで、防腐剤として大量のホップを使用したのが始まりだそう。
IPAの味は、大量のホップ=強い苦みだそうで、その通り、ノースアイランドIPAの苦みを前面に感じました。
ちなみに、今回、ノースアイランドIPAは樽生です。
"Otaru Weiss from Otaru City"
「小樽ヴァイス」(小樽市)
ドイツ・バイエルン発祥の白ビールで、昔ながらのドイツビールの製法だそう。
このため「副原料」は使っておらず、素人からすると、一番、飲み慣れたビールに近い感じです。
ところが、飲む前のアロマはバナナのような甘さを感じましたが、
一口飲んだ時のアロマは、なんとなく燻製のような香りに感じました。
さらに、ここでもう一度「ノースアイランドIPA」を飲んでみると、先ほどの印象とは、かなり異なる味わいに。
この味の印象の変わりようにとても驚きました。
飲み比べならではの醍醐味を感じます。
"Tenshi no Shizuku with Niagara from Otaru City"
「天使の雫」(小樽市)
この辺りから「副原料」を使用してよいというある意味クラフトビールの本領発揮?!というビール登場です。
白ブドウの「ナイアガラ」と麹も使っているビールだそう。
つまり、坂巻さん曰く、「日本酒(麹)とワイン(白ブドウ)のハイブリッド的なビール」。
口当たりがまさに「ナイアガラ」で、ほんのり甘く飲みやすい!
ちなみに、ブルワリーはおたるワイナリービール(北海道ワイン)と聞いて、納得の味とアロマです。
"Ezo PORTER from Niseko Town"
「蝦夷PORTER」(ニセコ町)
ポーターは、UK・ロンドン発祥の黒エールのことだそう。
蝦夷PORTERは、"旨味"を深めるため、なんと北海道産の鮭節・昆布・シイタケを使用しているそうです!
そして飲んでみると…ダシの旨味がわかります!
"Sisilian Rouge from Noboribetsu City"
「シシリアンルージュ」(登別市)
名前はフルーツトマト「シシリアンルージュ」から。
トマトやバジルを使っているそうで、スタイルは「ベジタブルビール」。
まさにトマトとバジルを感じるビールで、ピザが食べたくなります。
この日のラインナップ。
クラフトビールはときどき飲むものの、飲み比べがこれほど楽しいとは知りませんでした!
クラフトビール初心者にもわかりやすいレクチャーで、次回、クラフトビールを飲むのが
断然楽しみになりました。
ひと通り勉強と試飲を終え、今度はこの日のクラフトビールに合う料理と一緒に
再度クラフトビールをいただきます。
"Oil-packed shrimp on the rusk with shrimp from Haboro Town"
「羽幌産甘えびのラスクに羽幌産オイル漬け甘えびをのせて」
クラフトビールに合うおつまみとして、まだ発売前の「羽幌町・甘えびラスク」を
同じく羽幌産オイル漬け甘えびと一緒にいただきました。
これはビールが進みます!
クラフトビール勉強会・試飲会はこの日限りでしたが、講師のお二人のお店は札幌市内中心部にあるので、
お店に行けば、クラフトビールのいろいろなお話を直接聞くことができると思います。
また、夏のイベント「SAPPORO CRAFT BEER FOREST」は、2017年も開催予定なので、
このイベントもぜひチェックしてみてください。
関連サイト
・BEER・MALT WHISKY Maltheads