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前回に引き続き、バレンシアの見どころをご紹介いたします。
バレンシアの守護聖母が鎮座する聖母聖堂
スペインは各地に守護聖人や守護聖母がいますが、バレンシアの守護聖母はデサンパラードスのマリア様。この黒髪ですっきりしたお顔立ちのマリア様は、聖母広場に面する聖母聖堂におさめられています。17世紀半ば過ぎに建てられた聖堂は、天井画に見応えがあります。聖堂が閉まっている時もマリア様の顔が見えるようにと、マリア像正面のドアは一部がガラスになっていることからも、バレンシアの人々に愛されていることがわかります。宗教心から子供に命名していた時代は、マリア・デサンパラードスという名前を女の子につける親も多くいました。聖堂へは無料で入場できますが、頻繁にミサを執り行っています。信仰の場ですので、ミサの有無に関わらず、信仰目的で来ている方々のご迷惑にならないよう心掛けたいですね。
<聖母広場。左が聖母聖堂、中央が大聖堂>
Real Basílica De Nuestra Señora De Los Desamparados
所在地:Plaza de la Virgen s/n, Valencia
見学時間:7:00~14:00、16:30~21:00
入場料:なし
長い修復期間を経て、昨年から公開をスタートしたサン・ニコラス教会
昨年はじめに修復を終えて公開がはじまったサン・ニコラス教会は、バレンシアの新しい観光スポットです。小さな教会ながら、バロック様式のフレスコ画の素晴らしさは一見の価値があります。このフレスコ画は全長およそ200メートル。3年間もの歳月を修復に要したことで、19世紀以降ほかの絵で覆われていた17世紀のフレスコ画は再び私たちの前に姿を現しました。ぜひ足をお運びください。
La Iglesia Parroquial de San Nicolás y San Pedro Mártir
所在地:Calle Caballeros 35, Valencia
見学時間:10月から6月 火~金10:30~19:30(土曜は18:30まで)、日祝13:00~19:00
7月から9月 火~金10:30~21:00(土曜は19:30まで)、日祝11:30~21:00
入場料:5ユーロ
陶器の歴史と貴族の暮らしが楽しめる陶器美術館
バレンシアは中世から陶器産業が盛んで、パテルナ、マニセス、アルコラが三大産地として知られています。この美術館では、年代ごとに順を追って陶器が展示されているので、段々と色彩が豊かになり、質も良くなっていく様子がよくわかります。20世紀のコーナーには陶器をふんだんに使ったバレンシア風キッチンとピカソの作品も展示されているのでお見逃しなく。そして、ここのお楽しみはもうひとつ。2階には、この建物が貴族のお屋敷だった頃の様子が再現されているのです。調度品のひとつひとつがアート。こんな暮らしをしていたのか~とため息が出ます。
<大理石に彫刻がほどこされたチュリゲラ様式の正門は見てのお楽しみに>
Museo Nacional de Cerámica y de las Artes Suntuarias
所在地:Calle Poeta Querol 2, Valencia
見学時間:月曜休館。10:00~14:00、16:00~20:00(日祝午後、毎週月曜、1/1、5/1、12/24、25、31、ほか年間2日休館。)
入場料:3ユーロ
そのほかには、欧州で最も大きな水族館がある近未来的な白い建造物が並ぶ芸術科学都市、何キロも砂浜が続くマルバロサ・ビーチ、今年100周年を迎えたモデルズム建築のかわいらしい鉄道駅など、見どころはいろいろ。また、バレンシアは温暖で過ごしやすい気候やマドリーやバルセロナに比べた物価の安さや治安の良さも魅力です。町もコンパクトで歩きやすいので、スペインにお越しの際にはぜひお立ち寄りください!!