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11月頃より1月まで、きのこ狩りをします。
特に11月末から12月初めにかけては、きのこが採れたかどうかが話題に上ります。
採れたと聞こうものなら、その週末は皆こぞってキノコ狩りに行きます。
サン・ローレンソという村にある自然学習センターに植物専門の方がいます。
冬の間きのこ狩りに連れて行ってくれて、見つかるきのこについて説明をしてくれます。
驚くほど、全てのきのこの学名を知っておられます。
教えてもらっても、なかなか食べられるキノコと毒キノコが似通っていたりするので、結局は無難に昔から知っている種類を採ることになります。
イビサでの一番人気はハツタケです。
皆が探すので、なかなか見つかりません。
パエリアなど、米料理や肉料理に入れます。
その他にイビサの人は知らなくて、マジョルカではよく採るきのこがあります。
日本にあるかどうかは分かりません。イビサの人は採り慣れないので、これは比較的よく採れます。
このきのこは炒め物に使います。
ほうきだけは何年かに1度、見つけます。見つけても2・3個なので採らないです。
教えてもらってから採るようになった紫シメジ。
採取するキノコの中で一番見つけて嬉しいのは、松茸です。
採った時の香りだけでも嬉しくなります。
イビサで採れる松茸は香りも食感も日本の松茸と同じですが、苦いのです。
あく取りをするために茹でてお湯を換えます。それでも少し苦みが残るので佃煮にします。
佃煮にすると香りが無くなってしまいますが、食感は楽しめます。
食べられるきのこは普通なかなか見つかりませんが、きのこが苔の間から出てきたりしているのを見ると気持ちが和らぎます。
山の手入れをする人が少なく、山道がけもの道になり、さらには通れなくなったりするのを憂いながら、
たまに聞こえる狩猟の音に少し怯えながらも、小さな喜びを見つけに山歩きを楽しみます。