キーワードで検索
少し前に鶴瓶さんの「家族に乾杯」(NHK)と言うテレビ番組で、愛知県瀬戸市が取り上げられていました。
瀬戸は言わずと知れた日本を代表する焼き物の街ですが、時代の流れでしょうか、瀬戸を訪れる人は最近かなり少ないなと感じています。
ところで皆さんは、「瀬戸」あるいは「瀬戸焼」と聞いて、どのようなイメージを思い浮かべるでしょうか?
瀬戸焼は日本の陶磁史の骨格をつくるとともに、製陶業の隆盛に大きな役割を果たしてきた重要な窯で、瀬戸市は名実ともに日本の製陶業の中心地となっています。
その歴史と伝統のある瀬戸焼の街にぜひ多くの方に訪れていただきたいのですが、いざ瀬戸市を訪れたなら、行ってみて欲しいお店があります。
そのお店は、尾張瀬戸駅から徒歩5分の所にある「手しごとや阿ん」さんです。
こちらは名古屋市内にある行きつけの割烹店の女将さんが「うちで使っている陶器を仕入れている瀬戸の素敵なお店です」と話していたお店で、以前からずっと気になっていました。
女将さんは「阿んさんは、るるぶやまっぷる等の旅行ガイドには載っておらず、インターネット等での掲載情報も少ないのですが、窯元・お客さん双方から絶大な信頼を受けているんですよ」と仰っていましたが、実際に伺ってみて、その意味がよく分かりました。
●お店は銀座通り商店街に続く一角にひっそりと佇んでいました。
●店内には確かな技術を持った陶芸家さんたちの作品が並びます(全て許可をいただいて撮影しています)。
「手しごとや阿ん」の店主の小塚洋子さんは、自ら陶芸を学んでいた経験があり、一緒に学んできた窯元と厚い信頼関係を築いています。また瀬戸焼を愛し、そしてお客さんを大切にしていると言うことは、小塚さんと話してみればすぐに分かります。それだけの魅力を持っている方なんですよね。
小塚さんは自らの鋭い目と感性で、魅力的だと思う商品のみを仕入れており、店内には、加藤唐三郎さん、長谷川文陽さん、濱島美菜子さん、中尾郁夫さん、加藤麻野さん、長谷川希世恵さんらの作品が所狭しと並んでいました。素人の私が見ても素敵だと思える作品ばかりであったことは言うまでもありません。
●長谷川文陽さんの作品。日本伝統工芸展ほか多数の賞を受賞。男女問わず多くのファンをお持ちの作家さんです。
●中尾郁夫さんの作品。伝統技法に拘った素地作り、またその後に何工程も経る絵付まで一貫して手掛け、染付、五彩磁(色絵)を造りあげます。
●濱島美菜子さんの作品。赤絵を主体とする和食器が得意で、日常に使う器としてシンプルで収納しやすいデザインの作品を数多く手がけています。
小塚さんは「ネットで販売をするつもりはありません。やはり作品を直に見て、気に入ったものを買っていただきたいので」と仰っていましたが、まあそうですよね。実際に見て感じて買うのが一番だと、私も思います。
お店を出た後、観光案内所があったので、「手しごとや阿ん」さんについて伺ってみたところ、応対していただいた方から「私は阿んさんが一番おススメのお店だと思います。世の中的には無名かもしれませんが…」ときっぱり言われました。
後で分かったことですが、「阿ん」さんには遠方から訪れるお客さんも多く、また超有名な料亭からも数多くの注文が入っているようで、まさに知られざる名店だったのです。
●こちらの器は名古屋市内にある割烹店で使われています。
皆さんにも是非瀬戸を訪れていただき、「手しごとや阿ん」さんで瀬戸焼の魅力を再発見していただけたらと思います。
【お店の情報】
手しごとや阿ん
場所:愛知県瀬戸市朝日町47
電話:0561-82-3591
営業時間:10:30~19:00
駐車場:なし
定休日:不定休
※ホームページはありません。
【参考】愛知県・名古屋市のグルメ情報