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スペインでは、早いところでは1月の下旬からアーモンドの花が開花を始めます。冬の景色の中に、そこだけほんのり明るく灯がともったようなアーモンドの花を咲かせた気を見かけると、春の訪れを感じて嬉しくなります。
アーモンドはサクラと同じバラ科の落葉樹なので、花もサクラによく似ています。
私は日本でサクラを楽しめない代わりに毎年アーモンドの花が咲く風景を探しに行くのが好きで、今年は足を延ばしてバレンシアとアリカンテの県境にあるマリオラ山地周辺にドライブに行きました。アグレスという村からアルファファラ村を通ってボカイレン村へ続くルートは、私のお気に入りのドライブルートのひとつ。アーモンドは畑に植えられているものもあれば、田舎道の脇にポツリと1本だけ立っていることも。品種が違うのか、ピンクがかった花もあれば、白っぽい花もあります。
世界最大のアーモンドの生産はアメリカのカリフォルニアで、世界の生産量の80%を占めると言われていますが、もともとは18世紀にスペイン人の宣教師が持ち込んだのだとか。次いでオーストラリア、そしてスペインは世界第3位の生産国です。アーモンドはスペインではとても身近なナッツで、トゥロン、タルタ・デ・サンティアゴなど伝統的なお菓子に使われるほか、ローストしたり油でいためたりしてそのままでも頂きます。この時期のカタルーニャ地方の郷土料理カルソッツ(ネギのBBQ)をつけるロメスコソースにも使われていますね。
アーモンドの花はバレンシア市内ではあまり見かけませんが、この時期(1月下旬~3月)移動中の車窓からは見られるかもしれません。「あれ、サクラみたい」と思ったら、おそらくそれはアーモンドです。スペインの春を告げる景色をお楽しみくださいね。