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旅行をする時、その土地で何のお料理が名物なのか気になります。できればそこで美味しいものを食べてみたい
ものです。
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イビサ島にセレブが集まりだして以来、ミシェランの星付きのシェフ達が集まるようになり、新しい企画を試して
いるレストランが増えてきています。そういう話題性のあるレストランも興味深いですが、今回は普通にこの島で
美味しく楽しんで頂けるお料理の紹介をしたいと思います。
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<朝食に Pan con tomate (パン・コン・トマテ)>
(写真:筆者)
焼いたパンの表面にトマトを擦りつけて、オリーブオイルと塩をかけたもの。
簡単なのに何とも美味。地元で一番好まれる朝食の一つです。
右側の写真は地元のパン(Pan Payes パン・パイェス)にトマトを塗りスモークサーモンを載せてみました。
生ハムをのせてもいいですね。
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<レストランで最初にだされる Pan(パン)とAlioli(アリオリ)>
(写真:筆者)
どこのお店に行っても間違いなく最初に出されます。
シンプルなのに食べると驚きがあります。思わず食べ過ぎてメインが来る前にお腹がいっぱいになるくらい
癖になります。サービスではないので要らない方は断って下さい。聞かれないのにもってこられて、お会計に
含まれていてビックリすることもあるので。
アリオリはニンニクを潰しながらオリーブオイルでのばして作るマヨネーズみたいなものです。塩とレモン汁
を少々加えて作ります。そこに玉子を入れたり、黄身だけを入れたりする家庭もあります。お店に寄って味も
違います。楽しんでください。
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1.郷土料理(地元のお料理です)
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⓵ Bullit de Peix(ブジ・デ・ペシュ)と Arroz a banda(アロス・ア・バンダ)
(写真:筆者)
魚とジャガイモの煮込みがブジ・デ・ペシュ。そしてそのスープを使って炊いたご飯がアロス・ア・バンダ。
魚はカサゴやアンコウやメロという白身の魚など(店によって使用する魚は変わってきます)。スープが
浸み込んだジャガイモのなんて美味しいこと。魚の煮込みだけ出すお店もあります。炊いたご飯がないお店も
あるのでご注意を。このご飯にはほぼ溶けて姿を消したピーマンとトマトとイカが入っています。
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② Arroz Marinera(アロス・マリネラ)
(写真:筆者)
魚介のリゾット。大抵スープたっぷりで出されます。
私が一番最初に気に入って習ったスペイン料理。このお料理は漁師さん達が自分達のために売れない魚やイカ
とお米を一緒に煮込んで作ったのに始まる簡単なお料理です。
写真はフォーメンテラで食べたちょっと贅沢なロブスター入り。とっても美味。たっぷりの魚でスープをとり
ますが、出される時中に入っているのはイカ、エビ、カニ、ムール貝と、姿を消した玉ねぎ、トマトだけ
なので、魚料理は気が進まないという方にもお薦めです。
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③ Sofrito Pagès(ソフリト・パイェス)
(写真:筆者)
鶏肉、ラム肉、豚肉、ニンニクとソブラサダ(レンガ色)とブティファラ(黒色)という腸詰とジャガイモを
炒め合わせたもの。
絶妙な美味しさはどこからくるのかといつも思いながら戴く一品。
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④ Frito de Pulpo(フリト・デ・プルポ)
(写真:筆者)
とろけるように柔らかいタコと、とろとろの玉ねぎにフライドポテトを合わせたもの。
どのお店にもあるという訳ではないんですが、あれば是非とも試して頂きたい一品です。
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⑤ Montadito(モンタディート)
(写真:筆者)
モンタディートと言えば普通スペイン全域で食べられます。
イビサの場合、地元のパン(Pan Payes)でパン・コン・トマテ(上記朝食参照)を作り、その上に生ハムや
オムレツや豚のロース肉を載せて出すのがモンタディート(¨Montar¨モンタール「載せる」という動詞から
くる)。気軽に食べる時にピッタシ。もう少し何か・・と思えばこれにサラダかタパスを足せばよいですし。
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2.スペイン料理(地中海料理)
それはそれは沢山のスペイン料理があり、地中海料理があるのだけれども、スペインに来て食せずに帰って
ほしくないものをあげるとなると、以下の料理だと思います。
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⓵ Paella(パエジャ)
(写真:筆者)
パエリアは日本の食卓でも既にお馴染みの料理ですが、本場で食べていって下さい。
お米は柔らかすぎず、硬すぎず、芯が残っているのはいけてません。お肉のパエリア、魚介のパエリア、
ミックスパエリアがあります。お肉は骨付きです。最初はビックリしたものです。
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② Arroz Negro(アロス・ネグロ)
(写真:筆者)
紋甲イカの墨を使ったイカ墨ご飯。
パエリアのようにスープがお米に全て吸われているものもあれば、少しリゾット風に出す場合もあります。
私が作る時はいつも少しリゾット風(写真上)。レモンを絞るとサッパリします。
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③ Fideua(フィデウア)
(写真:筆者)
パエリアのお米をフィデウアというパスタに替えた料理。
たまにフィデウアというパスタを使わず、パスタの中で一番細い0番のパスタを使って出すお店があります。
私に言わせるとそれは邪道です。左側がフィデウア、右が0番のパスタです。
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④ Tapas (タパス)
日本で言う「お惣菜」がタパス。
色々な物を少しずつ試してみるのは楽しいですよね。
(写真:筆者)
写真は左上が Navajas(ナバハス)、右上 Chipirones(チピロネス)、左下 Mejillones(メヒジョーネス)、
右下 Caracoles(カラコーレス)。順番にマテ貝、ホタルイカ、ムール貝、カタツムリです。
色々お任せで持ってきてもらいたい時は "tapas variadas"(タパス・ヴァリアーダス)ポーファボール
と言ってみましょう。
(写真:筆者)
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⑤ Pinchos(ピンチョス)
(写真提供:El Zaguan)
「Montadito(モンタディート)(上記 1-⑤)に串をさして落ちないようにしたものがピンチョス」と言って
しまうと、きっとピンチョスの店の人に叱られてしまうでしょうね。1軒で200種類ものピンチョスを用意
しているお店もあります。例えばこの写真のお店などです。
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⑤ Gaspacho(ガスパチョ)
(写真:筆者)
冷たい野菜スープです。トマト、きゅうり、玉ねぎ、ピーマンとニンニクを入れます。
新鮮な野菜を使ったさっぱりしたスープは暑い時期にいらっしゃる方には断然お薦めです。
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3.Dulce(ドゥルセ)
甘いもの。
お菓子にはどんなものがあるでしょう。
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⓵ Flao(フラオ)
(写真:筆者)
ヤギ乳チーズで作ったハーブ入りチーズケーキ。レストランにもありますし、パン屋さんでも買えます。
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② Magdalena de Almendra(マグダレーナ・デ・アルメンドゥラ)
(写真:筆者)
アーモンドのマドレーヌ。これはパン屋さんで買って下さい。
イビサではアーモンドが沢山採れます。マドレーヌと呼びますがパイ生地にアーモンドクリームが
入っています。
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③ Ensaimada(エンサイマーダ)
(写真:筆者)
ラードを使った丸く渦をまいているパン。これはパン屋さんで買って下さい。
元々はマジョルカで作られていたものが、既にイビサでも長く作られています。
中に何も入っていないもの、生クリーム、カスタードクリーム、カボチャのジャムが入ったもの、上に果物の
砂糖漬けとソブラサーダという腸詰を薄く切って載せたものなど、数種類あります。
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④ Greixonera(グレイショネラ)
パンプディング。レストランでもパン屋さんでも。
固くなったパンを利用して作ったお菓子がその起源。
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⑤ Crema Catalana(クレマ・カタラナ)
カスタードクリームの表面をカラメルソースで覆ったもの。
レストランにあれば試してみて下さい。
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4.番外編(TAKE OUT にお薦め)
いつもバルやレストランに行きたいとは限りません。果物やサラダとか、何か簡単に買ってホテルで
休みたかったり、港で座りながら食べたりしたかったり。そんな時へのお薦めです。
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⓵ Empanada(エンパナーダ)
(写真:筆者)
基本、3種類あります。お肉だけ入っているのと、お肉とえんどう豆(グリンピース)が入っているのと、
パプリカ(赤ピーマン)が入っているのと。お肉には伝統的にはラム肉メインに豚バラ肉とソブラサーダ
という腸詰を少し使います。たまに豚ミンチが入っていたりしてがっかりすることも。グリンピース入りが
お薦め。中がジューシーでとっても美味。「エンパナーダ・コン・カルネ・イ・ギサンテス」をどうぞ。
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② Cocaroi(コカロイ)
(写真:筆者)
半月の形をしているコカロイの中身は色々あるのですが、アセルガスと言うほうれん草より二回りほど
葉の大きな野菜に、レーズンと松の実を入れたものが典型的です。アセルガスは独特な苦みが少しあります。
レーズンの甘みが加わり面白い調和が生まれます。さらに松の実の食感と味が加わり、このトリオがとても
良いのです。「コカロイ・デ・ベルドゥーラ」と注文してみてください。
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③ Coca(コカ)
(写真:筆者)
色々なトッピングがあります。生地はピザのように柔らかくなく少し硬めです。
個人的にはトマト、玉ねぎ、ピーマン、赤ピーマンを炒めたものを載せたコカが好きですが、赤ピーマン
だけのも人気があります。子供達が食べ易いように、チーズとハムを載せたもの、季節の物になりますが
ガトーという小サメ肉を載せたものもあります。
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④ El Zaguan(上記)のピンチョス
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サンドイッチを買ってもいいのだけれど、やはりそこは少しこだわりたい、と思うのは私だけでしょうか。
ピンチョスで有名な El Zaguan ではお持ち帰りができます。オーナーで日本語を話すサンティ氏は、
「できればお店でお食事して頂けるのが良いのだけれども、お持ち帰りを希望されるお客様のために、幾つか
大きさの異なる箱を用意させて戴いています。」と仰っていました。「Quiero llevar un par de pinchos.」
(キエロ・ジェバール・ウン・パール・デ・ピンチョス」と言えば、何個持って帰るか聞かれると思います。
折角ですから、お持ち帰りもスペインらしいものが良いかと思いましたがいかがでしょう。
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レストランのお薦めはまた次回にさせて戴きます。
以前に書いたお薦めもご参考にして頂ければ嬉しいです。
・https://tokuhain.arukikata.co.jp/ibiza/2017/06/part.html
・https://tokuhain.arukikata.co.jp/ibiza/2017/08/_part_2.html
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