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山梨のB級グルメと言えば、そう『鳥もつ煮』です。鶏レバー、ハツ、砂肝、きんかんを砂糖と醤油で照り煮した栄養満点の料理です。
これは、『奥藤本店』の甲府鳥もつセット(税込み1,230円)。暑い夏に、パワーがつきそうですよね!
「元祖鳥もつ」って、看板がありますね。
なぜなら甲府駅前と国母にある手打ち蕎麦の店『奥藤本店』が、鳥もつ煮の発祥となったお店なんです。
「蕎麦屋がどうして鳥もつ煮?」と思われる方も多いかも知れませんが、山梨では、「蕎麦屋で鳥もつ煮を食べる」のはスタンダードなんです。っていうか、「えっ、他の県では蕎麦屋に鳥もつ煮、ないの?」っていうレベルです。
冷蔵庫のなかった時代、蕎麦屋『奥藤本店』では使う鶏肉の残りの部位、内臓を捨てるに忍びなく、まかないで「鳥もつ煮」を作り始めたら評判がよくてお店でも出すことになったとか。「もったいない」から始まったんですね。
甲府駅改札横のお土産屋さんには、鳥もつ煮のレトルトパック、鳥もつ煮のタレ、冷凍のもの、鳥もつチップなども販売されています。
もちろん、買ってみました。
鳥もつ煮(税込み1,080円)、鳥もつ煮のタレ(税込み540円)、鳥もつチップ(税込み540円)です。
鳥もつ煮のタレで、初鳥もつ煮に挑戦。タレをストレートで鍋に入れ、鶏レバー、ハツ、砂肝、きんかんを入れて火が通るまで煮るだけ。簡単です。
できた!美味しそう♡さて、お味のほどは。
うん!美味い!このタレ、濃厚で鳥もつとの相性ばっちりです。さっと煮るだけなので、鳥もつもやわらかい。
レトルトの方は? 鍋に入れて、獅子唐と一緒に温めてみました。
こちらはしっかり煮込んだようなお味。生から煮た鳥もつ煮には負けますが、煮込んだやわらかさと濃い旨み。お手軽で、もう一品増やしたいときや、酒の肴なんかにはぴったりですね。いけます。
鳥もつチップ、美味しい!えびせんの鳥もつ版のような感じでしょうか。これはお土産に喜ばれそうです。
さて、この鳥もつ煮、なぜ山梨名物となったのでしょうか。
2010年の『第5回B―1グランプリin厚木』で、ゴールドグランプリ。優勝を勝ちとったからなんです。
「鳥もつ煮で、まちおこしを!」とB-1グランプリに出場したのは、甲府市職員のメンバー10人でした。
『みなさまのご縁をとりもつ隊』です。
彼らは、鳥もつ煮の考案者や『奥藤本店』の職人たちの協力を得て、屋外で生の鳥もつを扱い、調理し、鳥もつ煮を売っていくなかで、多くのことを学んでいったと言います。
鳥もつ煮の歴史。おもてなしという言葉の奥の深さ。職人の技と心。何もないと思っていた甲府の魅力。
そんなすべてが、甲府市職員のひとりが他県の蕎麦屋で鳥もつ煮を注文したら驚かれ「えっ、他県では蕎麦屋に鳥もつ煮、ないの?」とカルチャーショックを受けたところから始まったそうです。
うーん。当たり前と思っていることのなかには、スペシャルなことがあったりするんですよね。
鳥もつ煮が美味しいからというのはもちろんですが、チームワークとおもてなしの思いの強さで勝ちとったゴールドグランプリなのだとか。
そんな甲州人たちの思いがつまった鳥もつ煮。山梨にいらしたら、ぜひ召し上がっていただきたいです。