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モンマルトルにあるアル・サン・ピエール美術館にて、日本のアール・ブリュットを紹介する展覧会が開かれています。「アール・ブリュット」とは、伝統的な西洋芸術の手法を学んでいない人が制作した、アートとして扱われている作品のこと。1945年にフランスのジャン・デュビュッフェが提唱し、これら作品を「アール・ブリュット(生の芸術)」と名付けました。
同テーマでの展覧会は2010〜2011年の企画展に続き2回目。 東京都とパリ市の文化交流の活性化に向け、両都市およびアンスティチュ・フランセが協力して、東京都とパリ市の文化施設などで文化イベントを実施する「パリ東京文化タンデム2018」の一環です。
今回出展された作家は52組。絵画や陶芸、紙細工のようなものまで、作品は幅広いです。
(Marie SUZUKI, Bara Bara So Waka, 2014, Paravent, stylo, 172 x 357 x 1,5 cm, Collection de l'artiste)
初めて海外出展される展示作品も多くありますし、すでに日本国外で評価を得ている作家の作品も展示されています。一つ一つ作品を鑑賞していると、通常のアートと比べて、アール・ブリュットには独特の美しさがあります。
(Shinichi SAWADA, Sans titre, 2001-2014, Technique mixte, 5,5 x 13 x 17, social welfare organization Nakayoshihukushikai)
(Makoto FUKUI, Monde Parallèle, 2012 Crayon de couleur, stylo à bille sur papier 26 x 36 cm. Collection de l'artiste)
今にもキャンバスから飛び出てきそうな構図と細密画のように描きこまれた内側。既存のルールにとらわれないからこそ表現できた躍動感が、どの作品からも伝わってきます。
(Yuko NOHARA, Visage, 2000, Crayon sur papier, 26 x 36 cm, Collection de l'artiste)
会場のアル・サン・ピエール美術館は、初めから美術館として造られたわけではなく、元は市場だった建物です。モンマルトルという、整い過ぎず雑然とした雰囲気を残しつつある地区も、展覧会の雰囲気と合っています。
作家たちの溢れ出てくる表現をダイレクトに感じられる企画展です。
【データ】
住所:2 rue Ronsard 75018 Paris
開館時間:11〜18時(土曜は〜19時、日曜は12〜18時)
休み:なし
最寄り駅:地下鉄2号線Anvers