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≪10月初めの嵯峨・二尊院≫
二尊院と言いますと、紅葉の名所。
晩秋には沢山の人がお参りに来られます。
二尊院は小倉山山麓にたたずむ天台宗のお寺。
二尊院を訪れた際に、最初に出会うのが「総門」です。
慶長十八年(一六一三)に伏見城にあった薬医門を角倉了以によって移築・寄進されたものです。
室町時代の建築として京都市指定文化財となっています。
≪紅葉の馬場≫
総門をくぐると、紅葉の馬場と例えられる、緩やかな上り坂の参道が伸びています。
参道にはモミジとサクラの木が交互に植えられていて、春は華やかな桜色に染まり、
夏は美しい緑の世界が広がり、秋は赤や黄の色鮮やかな紅葉のトンネルを魅せてくれます。
冬は霜に輝く木々が連なり、四季それぞれの風景を楽しめます。
10月初めの今、参道のもみじは青紅葉です。もみじが色づき始めるのは10月半ば過ぎからでしょうね。
≪二尊院の歴史≫
二尊院の歴史は、承和年間(834~847)に嵯峨天皇の勅願により慈覚大師円仁によって開かれました。
その後衰退しましたが、鎌倉時代に法然上人らにより再興されました。
人が誕生して人生の旅路に出発する際に現れる「発遣の釈迦」様、
そして人が、その寿命を閉じる時に、極楽浄土より迎えにくる「来迎の阿弥陀」様と、二体の本尊が祀られています。
≪本堂から見る勅使門≫
勅使門は、天皇の意志を伝えるために派遣される使いの「勅使」が出入りする際に使われていたのが勅使門です。
弓を横にしたような形で中央が高い「唐破風形」の屋根をしています。
かつては、勅使が訪れた時のみ開門されていたそうです。
境内左右に見えるのは、秋の七草のフジバカマ。
梵鐘横から石段を登った所には、
小倉百人一首が選定された時雨亭跡があります。
小倉山を詠った句
『小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ』
『忍ばれん ものともなしに 小倉山 軒端の松ぞ 馴れて久しき』
10月初めの嵯峨・二尊院。
青もみじの中に静かな時が流れています。
《二尊院》
◎〒616-8425 京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町27
◎ アクセス
京都駅から京都市営バス28号系統「嵯峨釈迦堂前」下車。
京福電鉄嵐山駅から徒歩30分。
◎ 駐車場 自家用車15台 無料
◎ 拝観料 500円
◎ 拝観時間 9:00~16:30