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お寺は道幅の広い「市場小路」の突き当りにあります。
室町時代は、吉井川の水運と山陽道の陸運が交わる要衝で、常設市に発展し
備前福岡は西国で最大級の商都として栄えていました。
かつては、ここから西の吉井川まで、市が立て並ぶメインストリートだったそうです。
当時から刀剣や備前焼が取り扱われ、国宝「一遍上人絵伝」の中の"福岡の市"では
その繁栄ぶりを物語っています。
この道幅は当時のままで、古い道にありがちな狭い路地ではありませんよ。
これは、福岡一文字刀工跡の記念碑です。"福岡一文字派"が生れ,多くの名工を輩出した場所です。
福岡一文字派の始祖、則宗は後鳥羽上皇より皇位の紋である十六弁の菊紋と一の字を切ることを許されます。
そのことから「十六弁の菊紋」に「一」が銘に入っているものを「菊一文字」と呼ぶことになります。
余談ですが、菊一文字といえば、新選組一番隊長の沖田総司愛用の刀として
作家の司馬遼太郎や子母澤寛の小説の中に出てくるので、有名な話しですが
実際、大名が持つような名刀を普段から持ち歩いていたのでしょうか?
また後鳥羽上皇は、古今の名刀をこよなく愛し、全国から名工を招じ
御所で鍛えさせ、さらに、自ら鍛刀を行ったともいいます。
そのため、刀鍛冶は一介の職人ながら下級貴族の地位を与えられ烏帽子を許されたといいます。
福岡藩初代藩主、黒田長政は一文字を代表する太刀、日光一文字(国宝)を所持していました。
さらに戦国武将、上杉謙信の愛刀として知られ、福岡一文字派の最高傑作とされる
山鳥毛(さんちょうもう)一文字(国宝)。
特にこの刀は岡山県内の個人の所有のものですが
先日、上杉謙信所縁の新潟県上越市が買取を断念したという報道がありましたね。
現在は旧長船町が含まれる岡山県瀬戸内市が買取に向けて動いています。
先月からこの太刀の購入に向け、瀬戸内市はインターネットで寄付を集める
クラウドファンディング(CF)型ふるさと納税を始めました。
興味のある方はこちらのHPへどうぞ。
山鳥毛里帰りプロジェクト https://setouchi-cf.jp/