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パリから鉄道で最速30分以内、日帰りできるチーズの町「モー」

守隨 亨延

守隨 亨延

フランス特派員

更新日
2019年3月20日
公開日
2019年3月20日
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フランスのチーズに少し詳しい人なら「ブリー・ド・モー」というチーズをご存知かもしれません。「ブリー」というのは表面が真っ白になっている白カビのチーズの種類で、「モー」というのが地名。つまりブリー・ド・モーは「モー」の「ブリー」チーズという意味です。

チーズの産地というと、パリから遠い山の方といったようなイメージをぼんやりと持っている人もいるかもしれませんが、モーの町はパリを含むイル・ド・フランス地域圏にあります。パリ東駅からだとノンストップでモーまで行く列車で30分以内、各駅停車でも40分以内で到着します。そのモーの町へ行ってきました。

モーへ行くのにパリ側で起点になるのがパリ東駅です。ここからパリ市内と郊外をつなぐトランシリアンP線(Transilien P)に乗ります。 P線はパリ東駅から主にパリ郊外東側に伸びている路線です。モーへ行くためにはシャトー・ティエリ(Château Thierry)行きに乗ります。

シャトー・ティエリの途中にあるモー(Meaux)までしか行かない便もあり、こちらは「Meaux」と表示されているので分かりやすいです。とにかく、どちらかに乗りましょう。各駅停車だとパリ東駅からモーは5駅目です。

モーの駅に着いたら、まずモーの市場地区に向かってみます。まず駅前の道を直進すると蛇行するマルヌ川にぶつかります。ここで大きめの橋が1本かかっていますが、その橋を渡らず(渡っても着きますが、スマホの地図アプリなどがなく、分かりやすく行きたいなら渡らず)川沿いに東(つまり進行方向はずっと真っ直ぐ)に進むとマルシェ橋(Pont du Marché)が右手に見えます。

マルシェ橋を通り川を渡って対岸に行くとモーの市場地区に着きます。モー市の公式サイトによれば、マルシェは土曜の1日中開いていると書かれています。しかし午後過ぎになると、ほぼ後片付けに入りますので、可能であれば午前を目安に訪れることをおすすめします。

市場地区とマルヌ川を挟んで逆側(つまりマルシェ橋を渡る前の対岸の地区)には13〜14世紀のサン・ティティエンヌ大聖堂とル・ノートルが設計した旧司教館庭園があります。大聖堂は駅からも見えるため、それを目印に進めば着きます。

モーへ行ったら、せっかくだからブリー・ド・モーのチーズを買いたいという人も多いはず。手軽に買えるのがサン・ティティエンヌ大聖堂に隣接する観光局内のショップです。ここでは冷蔵庫内にすでに小分けされたブリー・ド・モーが売られています。

モー市内のチーズ屋でも買うことができます。教会近くから東に伸びるモーの目抜き通りであるジェネラル・ルクレール通りを下っていくと、通りの東端近くにチーズ専門店「La fromagère」(日本語に訳すと、そのまま「チーズ屋」)があります。

ここだと、ほしい分量(グラム)を伝えて切り売りしてもらえます。どれくらいの重さでどれくらいの大きさのチーズ片になるのか分からない場合は、「これくらい」と手でチーズの円周の目安を伝えれば、その大きさに切ってくれます。

町中にマルシェが立っている場合は、そこで買ってもいいですね。

モーには地ビールの醸造所「ブラッスリー・ド・モー(Brasserie de Meaux)」もあります。ビールは観光局のショップにも置いてありますし、上記のチーズ屋にも売っています。ホテルに帰って、ビールを飲みながらチーズをつまんでも良いかもしれませんね。

さて、市場、大聖堂、庭園、チーズ、地ビールと、いろいろと紹介してきましたが、それら含めて、もしかしたら「モーはパリ近郊のスポットでは上位に入る観光地なのでは! 」と感じる人も多いかもしれません。モーは歴史ある町ではあるのですが、よくあるパリ郊外の雰囲気(大都市近郊の町にありがちな少し雰囲気が擦れて重い感じ)が漂っていますし、チーズに興味がある人以外は必ず訪れたい場所(例えば、街並みが感動するほどきれい、など)ではありません。

総括すると、ベルサイユなどパリ近郊の日帰り有名スポットをすべて訪れて、ちょっと変わった場所に行ってみたいという人向けの町です。

【データ】

Cathédrale Saint-Etienne – Meaux(サン・ティティエンヌ大聖堂)

住所:Rue Saint-Etienne 77100 Meaux

時間:9〜12時、14〜18時(10〜3月は10時〜、〜17時)

定休日:無

入場料:無

最寄り駅:Gare de Meaux

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