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バレンシアの学校は今日4月17日(木)から遅い春休みに入りました。が、待っていたかのように雨が降り出し、これから数日続く模様。
スペインでは4月14日(日)からセマナサンタが始まっています。期間中は各地でキリスト像やマリア像を担ぎ出し、信徒や楽隊と厳かに町を練り歩くプロセシオンと呼ばれる宗教行列が出ます。が、今日は雨で中止になったところも多々あったそうです。
<KKKを彷彿させる三角頭巾は、スペインではセマナサンタのプロセシオンのシンボル的存在>
<足に鎖をつけ、重い十字架を担いで参列する敬虔な信者の姿も>
Semana Santa/セマナサンタは日本語では聖週間、英語ではHolly Week。エルサレム入城からの、キリストの受難の1週間を偲ぶカトリック教会の行事で、日本語訳では受難週という言い方もあります。移動祝日で毎年日付が変わりますが、必ず日曜日に始まります。この日曜日は、キリストがロバに乗ってエルサレムに入城した日で、枝の主日と呼ばれています。その由来は、エルサレムの人々が棕櫚やオリーブの枝を振りながらキリストを迎えたことにあるそうです。
<枝の主日にロバに乗ったキリスト像のプロセシオンを見るのに、椰子やオリーブを持参する人も>
聖木曜日の夜から聖金曜日の夜が一番重要なのは、最後の晩餐や磔刑によるキリストの死、埋葬があったことを意味しています。
スペイン各地でプロセシオンが出ますが、もっとも盛んな地域はアンダルシア地方。キリスト像のほかに豪華な衣装に宝石を身にまとった美しいマリア像を天蓋付きの山車に乗せ、大勢の信徒と楽隊を従えて何時間もかけて町を練り歩きます。セビージャの有名なマカレナの聖母のプロセシオンを先頭から最後までを見るには、2時間近くかかるそうです。聖金曜日0:00にマカレナの教会を出発、大聖堂を経由し14:00に戻ってくることにも驚きます。14時間ですよ!
<プリエゴ・デ・コルドバのサン・フアン・デ・ディオス教会のキリスト像とマリア像>
写真提供:プリエゴ・デ・コルドバ観光局 https://turismodepriego.com
<息絶えたキリストを抱く聖母ラス・アングスティアスの像>
写真提供:プリエゴ・デ・コルドバ観光局 https://turismodepriego.com
さて、セマナサンタが終わった翌日の日曜日がPascua/パスクアで、日本語では復活祭、英語ではEasterと呼ばれていますね。パスクアは、毎年『春分の日の後の最初の満月の次の日曜日』。厳かなセマナサンタとは違い、キリストの復活をお祝いする行事です。バレンシアの海沿い地区カバニャルで復活祭のプロセシオンを見たことがありますが、とても明るいものでした。
スペインではパスクアよりもセマナサンタの方を盛大に催します。カタルーニャやバレンシアといった一部地域の学校を除いては、セマナサンタの1週間がお休みになるところが多く、復活の月曜日(スペイン語:Lunes de Pascua、英語:Easter Monday)も州によって祝日扱いのところとそうでないところがあります。
このようにセマナサンタとパスクアは似て非なるものなのですが、在住日本人でもセマナサンタとパスクアを混同している人は少なくありません。よってこんなタイトルにしてみた次第です。「どっちだっていいじゃん」と言われたことがあるのですが、信者でもないのにセマナサンタにプロセシオンを見るのが大好きな私としては大事なことなのです(^_-)-☆