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ハポン(日本の意味)のいう姓を持つ人たちが住む町コリア・デル・リオ

田川 敬子

田川 敬子

スペイン特派員

更新日
2019年8月30日
公開日
2019年8月30日
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スペイン語では日本のことをハポン(JAPÓN)と言いますが、スペイン南部セビージャ近郊のコリア・デ・リオという小さな町には、ハポンという姓を持つ人たちがおよそ700人住んでいます。このハポン姓の人たちの先祖は日本人だったと考えられているのです。

徳川が江戸に幕府を開いた後の1613年、仙台の伊達政宗は慶長遣欧使節団を欧州に派遣しました。石巻を出た後にメキシコを経由し、1年かかってヨーロッパに着きます。スペインのサンルーカル・デ・バラメダからグアダルキビール川を遡り、最初に上陸したのがコリア・デル・リオではないかと言われています。この町には1617年に帰途の旅に出る前にも数か月間滞在したとされており、その際に使節団の数名がここにとどまることを決めたとのこと。町の教会に残る洗礼台帳によると、ハポンという姓は使節団の滞在以前は存在しなかったそうです。

これがハポン姓の人たちが日本人の末裔だと言われるゆえんです。

私が1997年に訪れた時は、使節団を率いた支倉常長の銅像がぽつんと立っていただけなのですが、今では銅像の後ろに鳥居ができたり説明書きが登場したりと、近年の宮城県とコリア・デル・リオの交流が盛んになったことがうかがえます。2013年には当時はまだ皇太子だった天皇陛下もここを訪れています。

写真提供:Juan Manuel Suarez Japón

私は遠藤周作がこの支倉常長を主人公に仕立てて書いた『侍』を読みました。とても読み応えのある小説なので、オススメです。

コリア・デル・リオは市役所に日本の国旗が掲げられているほど親日的な町です。セビージャからはバスで30~40分の距離なので、機会があればぜひ日本人ゆかりのこの町に足をお運びくださいね。

コリア・デル・リオはここ!!

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