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「田舎暮らし」というと、どんなイメージをお持ちでしょうか。
自然あふれる里山。大きく広く青く抜けるような空。薪を燃やすストーブ。山菜や採り立ての野菜を楽しむ。
我が家もそんなイメージを持ち、20年ほど前に、ここ北杜市明野町に移住してきました。
赤松の林のなかに、伐採したその松を木材に使い家を建て、暮らしています。
田舎だからこそ、いい面もたくさんありますが、たいへんなことももちろんあります。
倒木の怖さと直面することも、そのひとつです。
上の写真の高く伸びる赤松。素人目にはわかりませんが、傷んできているのだそうです。
そこで、この方をご紹介したいと思います。
ツリークライマーの矢崎道徳さんです。木を切るお仕事なんですが、特徴は高い木に登って上から切っていくこと。他に何もない山のなかなどでは木の根元を切り倒すやり方でいいのですが、周囲に家や道路がある場所ではそうはいきません。昔は「空師」とも呼ばれ、今は「アーボリスト」とも呼ばれるお仕事だそうです。
(写真は、ご本人の許可を得て掲載しています)
ロープを命綱に、木に登り、切っていきます。
高さ20メートルほどだと思います。こんな高いところで、チェーンソーを使うんですね。
遠くから見ている方が、怖いです。
「弱っている木に登って、途中で倒れたりしたらどうするんですか?」と訊くと、「倒れる木かどうかは登る前にわかるので、だいじょうぶです」とのことでした。
矢崎さんは、長く林業に携わってきたそうです。登ったり切ったりする技術だけではなく、木にとても詳しくて、だから木の状態もとてもよくわかるんですね。
切り落とした部分は、こうしてロープを巻いて落ちないようにしています。ロープは滑車で上下するように設置していて切った木をひとつずつ降ろしていきます。
下でサポートする方は、ひとりだけ。真剣な表情でした。
木から木へ、ロープを伝い移動もしていました。何本かを切るときには、必要な手段だそうです。
時間をかけたロープワーク。それを信頼し身体を預けていく姿に、命をかけたお仕事なのだと実感しました。
切った土地、木などを整備するのも大切な仕事です。丸太は見た目よりずっと重いんです。ここで暮らし始めて薪運びをするようになり、その重さに驚きました。
矢崎さん、いい顔していますね。
林業で得た知識と経験を生かし、ロープワークを学び、矢崎流の仕事を確立していったそうです。
お話していて、とてもいいなと思ったのは、木を切ることだけに捉われず、森なり林なりを生かしていこうという姿勢です。生き生きとした森や林をデザインしていく仕事でもあるんですね。
木と生きる「ツリークライマー」素敵なお仕事だなあと思いました。
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「ツリークライマー」矢崎道徳
高木伐採、剪定などいたします
〒400-0203 山梨県南アルプス市徳永1675
電話 090-4827-5728