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こんにちは。「地球の歩き方」名古屋・愛知特派員ブログ担当のhossieです。
今回は岐阜県多治見市にある「虎渓山永保寺」をご紹介いたします。
虎渓山永保寺は、夢窓疎石が開創した仏徳禅師を開山とする臨済宗南禅寺派の寺院です。
岐阜県を代表する名寺で、鎌倉時代末期に建てられた「観音堂」と「開山堂」が国宝に指定されています。
2003年(平成15年)の火災によって「本堂」と「庫裏(くり)」が全焼してしまいましたが、再建を願う市民たちの協力によって募金活動が行なわれ、2007年(平成19年)に庫裏、2011年(平成23年)6月に本堂が火災が起こる前と同じ姿で再建されました。
開創者の夢窓疎石は鎌倉時代から室町時代に活躍した禅僧で、後醍醐天皇から与えられた「夢窓国師」の名でも知られています。 「国師」とは一番位の高い僧に与えられる称号で、疎石は生前と死後に渡り、7人の天皇から7度も「国師」の称号を与えられました。
疎石は全国を行脚して修業をすると同時に、各地で庭造りを行いました。世界遺産にも選ばれている天龍寺庭園、西芳寺(苔寺)庭園の他、瑞泉寺(神奈川県鎌倉市)、恵林寺(山梨県甲州市)、覚林房(山梨県身延町)等の庭園を手掛けています。
その疎石が手掛けた虎渓山永保寺もすばらしい庭園で、池の中央にかかる無際橋と、借景になっている梵音巌とされる岩盤と滝が絶妙な組み合せになっており、国指定名勝の登録を受けています。
虎渓山永保寺の庭園は大きな池を中心に配し、その周囲に園路を巡らして築山、池中に設けた小島、橋、名石などで各地の景勝などを再現した、いわゆる池泉回遊式庭園です。
秋の紅葉も見事で、11月上旬から下旬頃には樹齢約700年の大銀杏をはじめとする紅葉が境内に色づきます。
●駐車場近くにある案内板です
●玄関前にある樹齢700年のイチョウの大木。開山の仏徳禅師お手植えの木とされています。
●池越しに見る国宝観音堂(水月場)。12月の景色ですが侘び錆を感じさせます。
●境内の奥にひっそりと佇む国宝開山堂(僊壺堂)。足利尊氏が建立したと言われています。
●すぐ近くを流れる土岐川。この川の龍浮淵は良夫(婦)縁としてのパワースポットとして知られています。
●国宝の観音堂です。1314年に建立されたとされ、禅宗伽藍の中ではもっとも大切な仏殿です。県重要文化財の聖観世音菩薩坐像が本尊として祀られています。
現在では、国宝観音堂内や境内を使った仏前結婚式を挙げることができるお寺としても人気を集めています。国宝の前で愛を誓う結婚式は、とてもすてきな気がします。
なお、山号は虎渓山、虎渓の名称は景色が中国廬山の虎渓に似ていることによるといわれています。
【虎渓山永保寺】
住所:岐阜県多治見市虎渓山町1-40
電話:0572-22-0351
FAX:0572-22-0091
国指定名勝庭園内のみ拝観可(国宝建造物内の拝観はできません)。
■公式サイト
※公式サイトに拝観に関する注意事項等が記載されていますので参照ください。
■交通
◎電車の場合:名古屋より中央線多治見駅下車。徒歩約30分
◎車の場合: 中央自動車道多治見インターより約2Km