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新庄村は岡山県の西北端に位置する人口約800人の美しい小さな村です。
村内には豊かな自然と日本の里山の風景が残り「日本で最も美しい村」のひとつに選ばれています。
古くは山陰と山陽をつなぐ出雲街道の宿場町として栄えた村の中心部は、脇本陣など歴史あるお屋敷が今も当時の面影を残しています。その出雲街道沿いには「がいせん桜」と呼ばれる日露戦争の戦勝を記念して、樹齢100年を超える古木を含む137本のソメイヨシノが植えられています。ソメイヨシノの寿命は60年といわれているので、驚くほど長寿の桜ですよね。
4月5日現在の桜の状況はやっと咲き始めたところです。例年なら4月中旬が満開ですが、2020年の今年は1週間ほど早くなりそうです。今回は過去に撮った写真をもとにご紹介しますね。
この桜並木のトンネルは、新庄村の春を象徴する景色です。ウットリするほどきれいですよ~。
こちらの写真は、脇本陣木代邸の前の桜です。
街道沿いには、江戸時代に造られた石積みの小川があり、その清涼感のあるせせらぎの音は「ふるさとの調べ」として日本の音百選となっています。この小川に面した家々は池で鯉を飼い、その池の水は小川の水を利用しています。
脇本陣の中に入ってみましょう。江戸時代の終わり頃に建てられた幕末を代表する建物で、三列六間取りの大規模家屋です。
落ち着いた佇まいですね。新庄村によって文化財として指定されています。奥には醤油倉を改装したお食事処「さくら茶屋」もあります。私が訪れる日は毎回、桜まつりの時期なので満員御礼で入れたことがありません。
出雲街道の西に聳える愛宕山の中腹から街道を見下ろしてみました。手前の赤い石州瓦の間に淡いピンクのソメイヨシノが映えます。さらに奥の川の土手沿いには濃いピンクの紅枝垂れ桜が美しく咲いています。
出雲街道のがいせん桜が桜吹雪となるころ、土手の紅枝垂桜が満開の見頃を迎えます。
また、夜間照明に照らされた桜は幽玄な姿となり昼間とはまた違った趣が感じられます。
新庄村の桜は岡山県南のソメイヨシノが散ってから開花するので県民には人気のスポットです。新型コロナウイルスが猛威を振るい、今年のがいせん桜を多くの人に見ていただくのは難しいと思います。老木ですが来年も咲いてくれます。感染拡大の一日も早い終息を願ってやみません。
■アクセス
JR姫新線: 中国勝山駅から真庭市コミュニティバス40分新庄下車
中国自動車道: 落合ICから国道313号・181号を米子市に向け50分
JR伯備線: 根雨駅から自動車で20分
米子自動車道: 久世ICから国道181号を米子市に向け40分/湯原ICから県道湯原美甘線を経由し30分/蒜山ICから主要地方道北房川上線で15分
岡山空港: 自動車で90分