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Bonjour こんにちは!
現在パリ・オペラ座の公式ウェブサイトでバレエ「シンデレラ」が2020年5月21日まで無料で視聴することができます。
この演目は先日ご紹介した「ジゼル」と打って変わって現代が舞台の作品です。
原作はもちろんシャルル・ペロー、セルゲイ・プロコフィエフの音楽のまま、ルドルフ・ヌレエフのアレンジが効いています。
舞台は1930年代アメリカのハリウッド。
シンデレラはスターを夢見る少女で魔法使いは映画プロデューサーです。
いじわるなまま母とふたりの姉にいじめられているところへやってきた怪我をした映画プロデューサーを介抱するところから物語は始まります。
映画スターの相手役オーディションに挑むシンデレラ。映画のようなストーリー展開です。現代風にアレンジはされていますが、シンデレラの信じる力はそのまま描かれています。
(写真提供:Valentine Colasante ヴァレンタン・コラソント)
シンデレラ役はValentine Colasante ヴァレンタン・コラソント
今回の王子役ともいえる映画スター役はカール・パケット Karl Paquette
継母はオレリン・オウエット Aurélien Houette
姉役はドロテ・ジルベール Dorothée Gilbert、リュドミラ・パジリエロ Ludmila Pagliero
お父さん役はピエール・レティフ Pierre Rétif
主要人物がすべてオペラ座のエトワール達で構成された豪華な舞台です。
姉役のドロテ・ジルベールは先日ご紹介した「ジゼル」のジゼル役を務めているエトワールです。劇中にくすりと笑いを生む、わざと下手に踊るダンスもとてもうまく、演じるキャラクターの多様性に驚かされます。
1930年代といえば、ハリウッド黄金期と呼ばれる時代です。チャーリー・チャップリンにはじまりトーキー映画の登場、『風と共に去りぬ』『市民ケーン』などの時代です。
途中シンデレラがそのオマージュに扮するシーンもとってもチャーミングです。さてなんの映画かお分かりになるでしょうか?
また衣装デザインは森英恵さん。
オートクチュールが基本のこの時代。シンデレラの纏うイヴニングドレスが当時の様相を印象づけます。映画の町の設定なだけあってさまざまな衣装が見られるのもうれしいですね。チャイナドレス風や丈がアシンメトリーにデザインされたスペインのカルメン風の衣装も魅力的です。使われているヘッドドレスや小物も見逃せません。
舞台自体は象徴的ですので、衣装のおかげでぐっと当時の様子が伝わってきます。
この公演の2018年12月31日はエトワールのカール・のアデュー公演(引退公演)でした。彼がエトワールに任命されたのも2009年の大晦日でした。今までに王子役はもちろん、「白鳥の湖」のロットバルトや「くるみ割り人形」のドロッセルマイヤーなどすこし妖しげなキャラクターも似合います。今回のアデュー公演では彼のきらきらした軽やかなステップを惜しみなく見られます。
王子様に頼りきりではなく自分の力でチャンスを掴み取るのは現代のシンデレラに必要な要素かもしれません。
見た目も華やかなハッピーエンドの演目ですので、外出制限中の気分も明るくしてくれること間違いなしです。
☆パリ・オペラ座の過去の公演は公式サイトから☆
(フランス語または英語)
▲フランスでは5月1日にすずらんを贈る風習があります。
2020年の今年は八百屋さんやスーパーで販売されていました。
外出制限緩和まであと1週間。
がんばって乗り越えましょう!
それではまた、à bientôt!