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新型コロナウイルス(COVID-19:SARS-CoV-2)感染防止の制限緩和について、6月2日以降の段階以降について、フィリップ首相や関連閣僚から具体的な方策が示されました。それら「第2フェーズ」の内容と、美術館など観光スポットの再開スケジュールをまとめました。
なお、それ以前の制限緩和内容については「フランスの新型コロナウイルス外出制限の緩和措置まとめ【2020年5月11日以降】」をご参照ください。
フランス全土は赤ゾーンと緑ゾーンのふたつに分けられ、各ゾーンで異なった制限緩和が行われます。ゾーン分けは「ウイルスの流行」「病院の受け入れ能力」「PCR検査の能力」という基準で決められています。
5月28日では、フランス国内の大部分が緑ゾーンになりました(パリ含むイル・ド・フランス地域圏はオレンジです)。また6月14日のマクロン大統領の演説では、パリ含むイル・ド・フランス地域圏も緑に変わりました(演説内容については「2020年6月15日からパリでカフェやレストランが全面再開 フランスの今後の経済活動について」を参照)。
▲フランス国内の色分け(フランス政府Twitterより)
国境封鎖と入国について
フランス国境は、国境労働者等の例外を除いて6月15日以前までは閉鎖です。ヨーロッパ内の地域との国境に関しては、6月15日以降の開放で欧州レベルで調整。フランス国内に入る者は国籍問わず、別途定める感染流行地域からの入国の場合は、原則14日間の隔離を実施。現時点では、ヨーロッパ内からの入国者は隔離の対象外です。
過去の出入国の状況については「フランスへのEU圏外および圏内からの入国まとめ【新型コロナ制限緩和:6月15日以前】」に、詳しくまとめています。
■6月15日以降追記:
6月14日にマクロン大統領は演説を行い、6月15日からヨーロッパ内で移動が可能になります。欧州外については、7月1日から新型コロナ感染症がコントロールされている国々への移動が可能となります。またこれに先立ち、ルドリアン外相とカスタネール内相は連名で、6月12日にコミュニケを発表しました。詳細は「6月15日より欧州域内の移動制限解除、7月1日からは域外を段階的に【新型コロナのフランス出入国まとめ】 」をご参照ください。
フランス国内における移動制限について
6月2日以降は、自宅から100km以内の制限が廃止されます。
パリ市内の公共交通機関について
イル・ド・フランス地域圏では、ピーク時(6:30〜9:00および16:00〜19:00)は、仕事とやむを得ない理由以外の、公共交通機関の利用は許可されておらず、利用には証明書の携行が必要です(詳しくは「フランスの新型コロナウイルス外出制限の緩和措置まとめ【2020年5月11日以降】」を参照)。この措置は6月15日まで継続されます。
6月22日より、パリ交通公団(RATP)の全駅が再開します。地下鉄、RER、バス、トラムは通常運行に戻ります。
文化、スポーツ、宗教および各所再開予定日について
6月2日以降は、博物館、歴史的建造物などの営業が全土で再開されます。また緑ゾーンでプール、ジム、レジャーパーク、劇場の営業を再開、オレンジゾーンでは6月22日以降に再開となります。フランス全土で5月30日から公園が、6月2日からビーチが開放されます。
映画館は全土で6月22日以降に再開。少なくとも6月21日まで、公共の場での10人以上の集会、集団スポーツは禁止。ディスコ、スタジアム、競馬場は閉鎖です。野外での人数は5000人以下の制限になります。
■美術館・博物館
・アトリエ・ルノー:5月25日
・ジャックマール・アンドレ美術館:5月26日
・アトリエ・デ・ルミエール:5月26日
・モンマルトル美術館:5月30日
・マルモッタン・モネ美術館:6月2日
・造幣局:6月2日
・パリ植物園:6月5日
・ユダヤ芸術歴史博物館:6月6日
・グランド・アルシュ:6月8日
・モネの家と庭園:6月8日
・アール・サン・ピエール美術館:6月8日
・ケ・ブランリー・ジャック・シラク美術館:6月9日
・ダリ・パリ:6月10日
・マイヨール美術館:6月10日
・エトワール凱旋門:6月15日
・装飾芸術美術館:6月15日
・ブールデル美術館:6月16日
・パリ解放美術館:6月16日
・プティ・パレ(パリ市立美術館):6月16日
・バルザック記念館:6月16日
・チェルヌスキ美術館:6月16日
・カタコンブ:6月16日
・国立移民史博物館:6月16日
・パリ市立ロマン主義博物館:6月16日
・カルティエ現代美術財団:6月16日
・ニッシム・ド・カモンド美術館:6月17日
・建築・文化財博物館:6月17日
・ヨーロッパ写真美術館:6月17日
・グレヴァンろう人形館:6月18日
・ギュスターヴ・モロー美術館:6月第3週目
・クリュニー美術館:6月第3週目
・セーヴル陶器博物館:6月第3週目
・オランジュリー美術館:6月22日
・ドラクロワ美術館:6月22日
・オルセー美術館:6月23日
・発見の殿堂:6月23日
・人類博物館:6月24日
・進化大陳列室:6月24日
・エッフェル塔:6月25日
・軍事博物館:6月27日
・科学産業シティ:6月27日
・国立考古学博物館(サン・ジェルマン・アン・レー城):6月第4週目
・ポンピドゥー・センター(国立近代美術館):7月1日
・グラン・パレ国立ギャラリー:7月1日
・ルーヴル美術館:7月6日
・ロダン美術館:7月7日
・市立近代美術館:7月7日
・コニャック・ジェ美術館:7月7日
・ギメ美術館:7月8日
・シネマテーク・フランセーズ:7月8日
・ピカソ美術館:7月末
■城・宮殿
・シャンテイィ城:5月21日
・フォンテーヌブロー城:6月2日
・ヴェルサイユ宮殿:6月6日
・ヴォー・ル・ヴィコント城:6月13日
*上記はすべて2020年
商業施設の再開について
緑ゾーンにおいては、6月2日からカフェ、レストラン、バーが再開。オレンジゾーンではテラスのみで営業が可能。バーについては立ち飲みは禁止です。
■6月15日以降追記:
今までテラス営業のみ許可されていたパリを含むイル・ド・フランス地域圏のカフェやレストランは、同15日からは通常営業が再開されます。ただしフランス国内においては、マイヨット島とギアナは引き続き制限が続きます。「2020年6月15日からパリでカフェやレストランが全面再開 フランスの今後の経済活動について」も参照。
学校の再開について
6月2日以降は、全土ですべての小学校が再開します。ただし、1クラスあたり15人が最大。中学校は、すでに95.5%が再開しており、6月2日以降は全土ですべての中学校が再開。高校については、緑ゾーンでは総合高校、工業高校、職業高校について一部再開し、オレンジゾーンでは、証明書が必要な学生のため職業高校を優先的に再開。バカロレアの口頭試験は中止。
■6月15日以降追記:
6月15日からは、海外領土を含めたフランス全領土において、保育園、小学校、中学校は、全生徒を6月22日から受け入れるように準備を行います。
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更新記録:2020/5/29、6/4、10、11、16、21