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「牛窓新八景」を紹介しています。
阿弥陀ヶ峰から港に戻ると前島からのフェリーが到着したところでした。
対岸の前島も新八景ですが、船嫌いの夫と一緒なので上陸はせずに別の角度から眺めます。
港から牛窓往来を通り小高い天神山を目指します。
文字通り山頂には天神様を祀るお宮があります。
麓から一直線の階段で上れます。
このお宮は天神山を加工して築造された前方後円墳の上に建っています。
境内からは海が見下ろせます。実はここも新八景です。
「阿弥陀ヶ峰」から見た前島や黒島がより近くに見えます。
先ほどの牛窓港と前島を結ぶフェリーも行き交っています。
この間は幅230~400mで、大潮の引き潮時には渦ができるほどの奔流となり大河のような流れとなるそうです。
その風景も一度見てみたいものです。
前島の何が新八景かというと展望台から見る景色だそうです。
前島は桐島かれんと黒木華のサントリーオールフリーのCMで有名になったので
記憶にある方もいらっしゃると思います。
ここにも歌碑がたくさん建っていました。
磯山の峯の松風通い来て 浪や引くらん唐琴の迫戸 《菅原道真》
菅原道真も太宰府へ左遷になる途中、牛窓に立ち寄りこの天神山へ登り、はるか彼方の讃岐の島を眺め、讃岐守だった若き日を偲び、涙を流されたと伝わっています。
牛窓は とかく水鳥の 名所かな 《松尾芭蕉》
忘れぬは浪路の月に憂へひつつ 身をうしまどに泊る舟人 《藤原定家》
芭蕉が瀬戸内の方まで来ていたことは知りませんでした。
日本の夕日百選にも選ばれている牛窓ですが、ここ天神山から見る夕日は特にすばらしいと知りました。
かすかに兵庫県の家島諸島も見えます。
山の南にまわると牛窓往来に面して本連寺が見えます。
その奥の白亜紀の建物はリゾートホテルの「リマーニ」。
対照的なふたつの建物が並んで見えるのもここならではの風景です。
墳丘からは埴輪の破片や葺石が見つかっているというので周囲を歩いてみます。
露出しているという板状割石も素人目には、よくわかりません。
牛窓は湾を取り囲むように数基の前方後円墳が分布しますが、江戸時代に「牛窓八景」が言い伝えられた頃には「波歌山」という景勝地があったそうです。
ここも古墳だったのですが大正時代、周囲の開発によって山自体がほとんど名残を残さず消失してしまったとか。
波歌山の麓には砂浜が広がり干潮になれば砂州が現れ対岸の紺浦地区に渡ることもできたとか。
もうひとつ、砂の浮橋があったわけですね。
天神山を降りたら牛窓往来を通り次の新八景を目指します。