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友人から教えてもらった旭川の森の中にある一軒家「リスの家」は、旭川市江丹別町にある360度の自然に囲まれたロケーションだけでも贅沢な立地の1日ひと組限定、コンドミニアムスタイルの一戸建て宿泊施設。森の音を聴きながらプライベートタイムを存分に満喫してみたくて、札幌から旭川まで車で行く1泊2日の旅に出かけました。特に北海道旅行のリピーターさんにおすすめしたい宿泊スタイルの「森深いここへ来てくれるお客さんは、もしかしたらリスだけかも」と名づけられた「リスの家」を紹介します。
札幌(深川)方面から国道12号線を進み、神居古潭を過ぎると左手に「春日青少年の家」の青看板が見えてきます。すると間もなく左折し石狩川にかかる「伊納大橋」を渡ると、対岸は旭川市江丹別町の南端、「リスの家」がある春日地区に入ります。
緑に囲まれた道を進んでいくと、右手に「春日青少年の家」が見えてきます。
そこを通り過ぎてさらに進むと「リスの家」の矢印が!
9月中旬の北海道は、数日前の真夏日が嘘のように秋の気配が濃くなり、筋雲が流れる高い空が印象的です。
「リスの家」の矢印から200m進むと、アナベルと萩の花、森の木々に囲まれた「リスの家」に到着!
子供の頃に読んだ本「ちいさいおうち」(バージニア・リー・バートン)や「大きな森の小さな家」(ローラ・インガルス・ワイルダー)を彷彿とさせるかわいらしい一軒家です。
オーナーさんと家の前で待ち合わせし、鍵を開けてもらいました。
そしてさっそくリスの家の中へ。
木が香る玄関では靴を脱ぐ間も惜しく、前のめり気味に入った室内で最初に目に入ったものは……
憧れの薪ストーブ!
少し肌寒くなってきた季節には、ぴったりの風景。
夏が遠ざかり、心なしか寂しい気持ちになりつつありましたが、薪ストーブを見た途端、肌寒い季節が楽しい季節に早変わり(薪ストーブのほかに石油ストーブ完備です)。
そして次に目に入ったのは、まるで絵画のような窓とその奥に見える木々。
一気に「リスの家」の世界に吸い込まれていきました。
「リスの家」ができたきっかけは、牧場を営むオーナーさんが20代でスイスやドイツで農業研修を受けたときにさかのぼります。
農業と農家民宿経営を行う研修先で、バリバリと仕事をこなすキャリアウーマン風なその家の奥さんが、あるとき「ここ、ステキなところでしょう?」と、あたりの風景を見ながらしみじみといったそう。
その言葉が胸に響き、当初は「ヨーロッパへ移住したい」と思っていた気持ちが、次第に自分の地元、旭川市江丹別町のよさを意識するとともに、「ヨーロッパの農家民宿」のような、泊まる人がそれぞれ完全なマイペースで滞在できる農家民宿を作りたいと思うように。そして2017年に夢を一歩実現させたのが「リスの家」です。
テレビやパソコン、Wi-Fiなど余計(?)なものが一切ないしつらえの「リスの家」。
スマホなどの持ち込みはもちろん自由ですが、基本的に日常から離れ、"マイペース"で"暮らすように過ごす"ことをコンセプトにした「リスの家」には、時計さえありません(壁に時計がない生活も意外とすぐに慣れ、むしろ心地よくなってくるから不思議です)。
そんな「リスの家」には、ロフトまである!
マイペースなステイには重要なポイント、ダイニングキッチン。
窓から明るい光が差し込むダイニングテーブル(旭川家具の1社、cosine〈コサイン〉社製!)を中心に、IHクッキングヒーターをはじめ、電気炊飯機器や電子レンジ、ポップアップトースター、冷蔵庫と自炊ができる設備が整っています。
各種鍋やキッチングッズもこの通り。
ほどよく揃っているキッチングッズにうれしくなり、思わず並べてしまいました。
宿泊定員4名分の箸やカトラリー、ケーキサーバーもあります。
地元の食材を買い込んでちょっとした調理をしたり、テイクアウトで旭川グルメを楽しんだりがストレスなくできます。
ホテルステイとはまったく異なる楽しみ方ができそう。
洗面所もタイル張りでかわいらしく、この右側にはトイレ、左側はランドリーとシャワー室があります。
今回は1泊のみですが、洗濯機があるので連泊でも安心。
バスタオルはレンタルできるので、事前に連絡をすれば用意しておいてもらえます。
ランドリーには洗濯物を干せるスペースも!
至れり尽くせりの設備に居心地のよさを感じ、家の中を見て歩くだけで自分のセカンドハウスかのような愛着がわいてきました。
シャワールームとトイレ。
お風呂はありませんが、お湯の温度を自由に設定できるので、その日の気温や天候によって快適な水温でシャワーを浴びることができ、ありがたい仕様です。
家の中をひととおり見たあと、家の周りもぐるりと探索。
玄関の裏側にはテラスがありました。
ミントが香る"ミントのテラス"に飲み物を持ち込んで、ぼーっと過ごしたくなる空間です。
そして壁際にはストーブ用の薪!
映画で見たような"積みあがった本物の薪"は、薪ストーブにくべることを想像するだけで気分がリフレッシュ。
雪がないシーズンなら3~4台は止められるのでは?と思うほどオープンな玄関前の敷地には、BBQができる石畳スペースがあり、季節の花や樹木が植えられた庭になっています。
見上げれば大きな空、足元を見ると町なかでは見られない蝶が何匹も花の蜜を吸っています。
車で旭川駅からわずか30分、旭川空港からでも約50分のところで、これほど自然にあふれたロケーションにステイできるとは、ちょっと驚きです。
さて、「リスの家」の夜の雰囲気も紹介します。
まずは寝床について。
クローゼットに定員4名分の布団が一式入っているので、人数分を床に敷いて眠ります。
久しぶりの布団敷きに修学旅行のウキウキした気分を思い起こすかもしれません。
そしてここは、気になっていたロフト。
ハシゴで上るロフトは、布団を持ち込んで眠ることもできます。
ふたつある窓から空を眺め、虫の音や音無き音を聞きながら眠れば、日本に居ながらにして「アルプスの少女ハイジ」の気分を体感できます!
8月に入ると、急激に日が落ちるのが早くなる北海道。
そんな秋の夜長にやってみたかった贅沢な時間が、こちら。
ロッキングチェアを揺らしながら、部屋のあちこちにさりげなく置かれてあるドイツ語の料理本を眺めたり、持参した本で読書に没頭したり。
スマホチェックでさえ、ロッキングチェアに揺られながらだと、とても優雅な気分です。
これからの季節、夜がとっぷりと暮れてからの薪ストーブを囲む時間は、炎のぬくもりを感じられるさらに貴重で贅沢な機会になると思います。
ちなみに私が滞在した翌日、気温がかなり下がり、今シーズン初の薪ストーブを楽しんだそう。
「リスの家」は、ここを拠点にドライブ観光をしたり、早めに戻って森の中の暮らしを満喫したり、日常から離れた時間を過ごすにはぴったりの宿泊先です。
また、海外渡航が難しいコロナ禍の現在、日本のヨーロッパ「北海道」にあるヨーロッパスタイルの農家民宿「リスの家」で、スイスやドイツを含め、オーナーが各地で集めた本や小物を手に取ったりしながら過ごす時間は、なかなか貴重な体験かもしれません。
なお、ちょっとしたパーティなど(一度入ってみると必ずや泊まりたくなるとは思いますが)、「宿泊なしのステイのみ」でも利用できるそうです。
森の中の一軒家ですが、200mほど離れたところにオーナーさんが住んでいるので、「リスの家」の完全なプライベート空間で過ごしつつ安心感もありますよ。
旭川市と江丹別町チェックポイント