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Bonjour こんにちは!
モンマルトルのふもとにたたずむ小さなかわいらしい美術館に行ってきました。
その名もロマン主義美術館。
キャバレー、ムーラン・ルージュから徒歩5分。モンマルトルのにぎやかな界隈から一転、門をくぐると物語に出てきそうな木漏れ日のそそぐ石だたみの小道があらわれます。
このあたりは、ヌーベル・アテーヌ Nouvelle Athènes と呼ばれる19世紀に芸術家や作家、画家らが創作活動に励んでいた地区なのです。現在はパリの下町として有名ですが、1820年から1860年までに建てられた、古代芸術をモチーフにした様式美の建物が並びます。
ロマン主義美術館はその時代の象徴ともいえる存在。
敷地内には実際に芸術家たちが創作活動に励んでいたアトリエサロン、邸宅、温室と庭があります。
1839年に、当時きらびやかだったこの地区に建てられた画家アリー・シェフェール Ary Scheffer(1795-1858)とアルネスト・ルナン Ernest Renan(1823-1892)一族の邸宅でした。いまではほとんど残っていない七月王政時代(1830-)の建築物です。
この頃、ブルジョワ階級の邸宅では芸術家を招いて談義を楽しむ、「サロン」が流行っていました。アリー・シェフェールもその例に漏れず、毎週金曜日には画家ドラクロワ、イタリアの作曲家ロッシーニ、ショパン、リスト、作家ディケンズらと時間を過ごしました。この吹き抜けの間で、お互いにインスピレーションを与え合っていたのですね。アトリエを描いた絵も飾ってあり、当時と変わらない内装にタイムスリップしたかのような印象を与えます。
こうした活動は才能ある若い芸術家たちを援助することにもつながっていたのです。
庭を挟んだ奥には邸宅があります。豪勢ではなくパステル調のかわいらしいおうちです。
邸宅の一階にはここで過ごしたジョルジュ・サンドGeorge Sandの間があります。お孫さんから寄贈された、実際に使っていた家具や作品が飾られており、当時の暮らしを彷彿とさせます。暖炉の上には友人だった画家オーギュスト・シャルパンティエによる肖像画が飾られています。
邸宅内は部屋ごとに色調の違う壁紙が貼られており、それぞれに趣向を凝らした造りとなっています。
園内の庭園と温室は2018年よりカフェになっています。
5月下旬にはバラが美しく、このカフェ目当てに人が集まります。きれいに手入れされたお庭はまるで隠れ家のよう。
冬でも天気がいい日は気持ちよく過ごすことができるため、週末の午後は人でいっぱいです。
もちろんおいしい軽食やお茶をいただくことができます。
実はローズベーカリーというパリで有名なパティスリーが運営しているのです。
左岸にある百貨店ボンマルシェのなかにも併設されているお店はよく雑誌でも紹介されています。すべてビオ(英語でオーガニック)の製品を使用しているこだわり派で直営店はパリ市内に3店舗あります。
それではまた à bientôt !
■ロマン主義美術館
・住所: Hôtel Scheffer-Renan, 16, rue Chaptal – 75009 Paris
・アクセス: メトロ2.12番線Pigalle駅徒歩5分、または13番線Liege駅徒歩8分
※坂が多い地区です
・開館時間: 火〜日 10:00〜18:00
・休館日: 月曜、祝日
・入館料: 無料、特別なエクスポジションは有料(エクスポジションによって金額は変わりますが、目安として大人ひとり€7ほど)
・オーディオガイド(フランス語・英語): €5
■庭園のサロン・ド・テ Un thé dans le jardin
・開館時間: 火〜日 10:00〜17:00
・休館日: 月曜、祝日
・メニュー例:
ウフ・ア・ラ・コックとトースト €7.5
日替わりスープ €8.5
季節のサラダ €12.5
キッシュとサラダ €11
チーズとチャツネのサンドイッチ €10.5
フルーツタルト €5.5
スコーン(バター、ジャム付き)€3.5
コーヒー €3.5
カフェラテ、カプチーノ €4.5
紅茶 €4.5 など。