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2020年12月現在、日本国外務省はフランスを、「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」に指定しています。そのため、観光目的などでの渡航は控えることが望ましいですが、やむを得ない状況などで行き来する場合のために、フランスから日本へ入国する際の、現時点における手順をレポートします。
なお、2020年3月時点での様子については過去記事「新型コロナ規制下でのフランスから日本への入国・移動・待機についての状況まとめ【2020年3月時点】」を参照ください。
パリ市内から空港までの交通機関
現在フランスは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、夜間の外出禁止が敷かれ、一部商業施設は閉鎖されていますが(過去記事「12月15日から日中の証明書携行が不要に 夜20時〜翌朝6時は外出禁止」を参照)、パリ市内から日本便が発着するシャルル・ド・ゴール空港までの公共交通機関は、一部を除き動いています(2020年12月時点)。
【運行中】
– ロワシーバス(オペラ発着)
– RER B線
– タクシー
– Uberなど配車サービス
【運休中】
– ビュス・ディレクト(ポルト・マイヨ、凱旋門、エッフェル塔、リヨン駅、モンパルナス駅発着)
今回、私はRER B線を使い、パリ市内からシャルル・ド・ゴール空港第2ターミナルで下車。第2EターミナルからANAの羽田便で日本へ向かってみました。
シャルル・ド・ゴール空港内の様子
シャルル・ド・ゴール空港では、搭乗券を持っている人のみがチェックインカウンターなどが並ぶ出発ロビーへ入れます。それ以外の人は、付き添いでも入れません。ターミナル前にはセキュリティの係員が搭乗券をチェックしており、搭乗者本人以外は、それ以上進めないようになっています。
乗客の中にはフランス語や英語が話せず不安な人もいるかもしれませんが、そのような理由でも、付き添いの人はチェックインカウンターが並ぶロビー内に入ることは許可されていませんでした。
搭乗手続きなどの流れは普段どおり。私がチェックインしたANA羽田便の場合、搭乗手続き時に「羽田空港から日本に入国・帰国される皆さまへ」という以下の内容が記載されたA4サイズの印刷物1枚が手渡されました。
入国の際には質問票の提出が必要です
質問票Webをご利用ください
新型コロナウイルス感染症に関する防疫措置の一環として、日本に入国・帰国する皆さまの滞在歴や健康状態などを「質問票」にご記入いただき、検疫官に提出いただいております。
出発地の空港等で事前に「質問票Web」に必要な情報をご記入いただき、発行されたQRコードを到着地の検疫官にご提示ください。
質問票Webは、インターネットがつながっている環境でしか登録できませんので、出発前の空港内のWi-Fiを利用するか、機内でのWi-Fi、到着後の空港のWi-Fiなどを利用して登録します。私は機内Wi-Fiを使って行ってみたのですが、機内Wi-Fiだとスピードが遅いため、なかなかページを開くことができなかったので空港内のWi-Fiをおすすめします。
出国後の免税店も、私の出国時(2020年12月時点)は開いていました。
■追記
2020年12月30日から2021年1月末まで、日本は一部の国と地域からの入国者に対して、新型コロナウイルス対策の新しい防疫措置を実施しています。フランス出国前72時間以内の検査証明が必要になり、検査証明を提出または提示できない場合は、検疫所長の指定する場所(検疫所が確保する宿泊施設に限る)にて、14日間待機することを要請しています。
詳しくは「フランスから日本への帰国検疫が強化、出国72時間以内の検査証明ない場合は宿泊施設待機」をご参照ください。
機内での様子
機内では客室乗務員の方々が、感染防止対策を取りながら(マスクと手袋など)乗客を迎えてくれました。このような状況下において、海外フライトでの接客はとてもたいへんなお仕事ですよね……。
感染予防のため、座席の機内誌はありません。機内の免税品販売は再開されていました。ただし、オーダーはすべて座席のスクリーンから行います。私はエコノミークラスに座りました。以前でしたらギャレーに水やジュース、スナック類が置いてあり、自由に取ることができましたが、いまはこれも感染防止のため行っていません。必要な時は客室乗務員の方に伝え、もらいます。
飛行機が日本の近づいてくると、機内で「入国される方へ検疫所よりお知らせ」というA4サイズの印刷物1枚が配られます。この用紙に、帰国後14日間を待機する場所と滞在期間を記入します。
羽田到着後と入国までの手順
飛行機が着陸してゲートに到着すると、機内では「指示があるまで座席を離れないように」とアナウンスがあります。そのあと、客室乗務員の指示に従い、前方座席から順に降りていきます。
飛行機から降りたあとは、いつもであればそのまま検疫および入国手続きの場所へ向かいますが、新型コロナウイルスが流行する地域(フランス含む)から入国する際は、到着時のPCR検査が必須となっていますので、入国の前に検査場へ向かいます。検査場への道順は、係員が随所で誘導し、表示も大きくされているため迷いません。飛行機が到着するゲートによりますが、私の場合はけっこう距離を歩きました。
検査場に着くと、機内で配られた「入国される方へ検疫所よりお知らせ」の紙と、「質問票Web」で生成したQRコードを提示します。そのあと、唾液検査場に案内され、各自で自らの唾液を採取、PCR検査に回されます。
検体提出後は待機用のスペースに向かい、そこで自分の番号がモニターに表示され、検査結果が判明するのを待ちます。番号が表示されたら、カウンターに行き「陰性」または「陽性」の結果が伝えられます。私は今回、陰性でした。結果を伝えるカウンターで「COVID-19指定地域 滞在歴あり」というピンク色の紙が渡されますので、それを持って入国審査へ向かいます。
入国審査上へ着くと、まず検疫のカウンターで先ほどの紙を見せ通過、そのあとはいつもどおりに入国をして、手荷物受け取りの場所へ進みます。
手荷物受け取りのターンテーブル前では、ANAの係員が、手荷物をきれいに並べてくださり待機しています。そのため、到着から時間は経っていますが、荷物紛失の不安はなく、自分のスーツケースを受け取ることができました。その後、税関を通り、スムーズに外へ出られました。
15時前に飛行機がゲートに着いて、これら一連の手続きが終わり空港を出たのが17時でした。
空港から待機場所への移動方法
私は今回、東京で14日間の待機をすることにしました。空港から待機場所(自宅やホテル)までの公共交通機関の利用は「不可」となっています。そのため、空港からの移動は以下の5パターンが考えられます。
1. 自家用車で迎えにきてもらう
2. レンタカーを使う
3. ハイヤーを手配する
4. 検疫所が用意した空港周辺周回バスに乗る
5. 徒歩
今回、私が空港の検疫所の提出した待機場所は、検疫所が用意した空港周辺周回バスのルート内でしたので、検疫所のバスで待機場所まで移動しました。なおレンタカーは、2020年3月末の帰国時に利用しました。いまと少し状況は変わっているかもしれませんが、その際の過去記事「新型コロナウイルス規制下のフランスから日本へ入国後の移動と14日間の待機について」も参照ください。
検疫所のバスは、荷物を受け取り税関を抜け、到着フロアに出たところで、係員が立っていたり声をかけてくれたりしますので、すぐにわかります。バスは川崎駅方面が毎正時(00分)、品川駅方面が毎時30分ごとに出発しており、それら地域のホテルまで送迎してくれます。京急穴守稲荷駅周辺、大鳥居駅周辺は、川崎方面でも品川駅方面でも、どちらでも乗車可能です。
▲東京検疫所ウェブサイトより引用
運転手は、乗客の各滞在先と経路を把握しながら、それぞれの待機場所の目の前、もしくはなるべく近い場所で降ろしてくれます(必ずしもホテル前とは限りません)。
14日間の待機期間中の過ごし方
14日間の待機期間中は、検疫の担当当局からLINE、AIを使った自動音声などで連絡がきます。その際に、体温は通常どおりか、体調に異変がないかを知らせます。
日本の電話番号でLINEを登録している場合はいいのですが、そうでない場合はLINEでの対応はできず、自動音声の電話がかかってきます。その際は、質問事項に対して「はい」「いいえ」で答えると、その音声をAIが認識して各該当者の状況を収集します。私の場合は、フランスの電話番号でLINE登録をしていますので、LINEでの対応はできず、自動音声での報告になりました。
なお、LINEの場合は、次のようなメッセージが送られ、毎日報告を行います(以下は、私の知人のLINEを参考に記しました)。
帰国者の皆様
おはようございます。本日の体調はいかがでしょうか?「アンケート」をタップして、本日の体調をご記入ください。なるべく14時までの回答をお願いします。ご回答いただいた内容は、厚生労働省からお住まいの地域の保健所にも連絡させていただきます。
(毎日朝10時〜翌朝9時59分までに記入していただいた回答をその日の健康状態として保健所に連絡します。また、14時までに記入された回答は当日中に保健所に連絡します。)
本回答は、皆さまの健康を守るため、活用いたします。必要な場合には、保健所から皆さまに確認のお電話等をさせていただきます。ご理解・ご協力をお願いします。
14日間が終わると、登録情報は自動で削除され、それ以降の連絡は来ません。