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こんにちは。前回紹介したこうもり塚古墳から西へ数キロの場所に作山古墳があります。
ここも"日本遺産「桃太郎伝説」の生まれたまち おかやま"の構成文化財のひとつになります。
墳丘は3段で築成されていますが、下草の手入れもよくされているので古墳のテラス面と斜面がよくわかり、県内ではいちばん美しい古墳ではないかと密かに思っています。
日本遺産の看板。
古墳の西にある駐車場に車を置き、前方部側から登ってみます。
独立した低い丘陵を加工して築造された前方後円墳だそうです。
朝の凛と張り詰めたような空気に、冬の弱々しく柔らかな日射しが心地いい日です。
紅葉もそろそろ終わりに近づいていますね。
前方後円墳の前方部の頂上です。
墳丘長は282mで、岡山県では造山古墳(350m、全国第4位)に次ぐ第2位の大きさです。
全国では第10位の大きさになるといいますが、この前方部から周囲への見晴らしはよくありません。
続いて後円墳へも行ってみます。
後円墳の頂上です。
古い看板があり、この古墳についていろいろと説明が書いてあります。
説明によりますと、築造された5世紀中頃はテラス面には少なくとも5000体の埴輪が並べられ、斜面には葺き石が敷き詰められていたそうです。この巨大なモニュメントは南側を通る旧山陽道に先行する古代山陽道に値する道があり、その道を通る人々に対して権力を誇示する意図があったと推測されるそうです。
そういえば、この東にはこうもり塚古墳、さらに東へ行けば全国第4位の造山古墳も見えてきます。否が応でも、古代吉備王国の権力をまざまざと見せつけられるわけですね。
ここから東の方向を見ると備中国分寺の五重塔が見えます。
この塔は創建当時は東大寺の塔と同じように七重塔だったんですよ。
ズームしてみます。五重塔のさらに奥に前回のこうもり塚古墳が鎮座しています。
北側の木々の梢からはるかな山を望むと
鬼ノ城が見えました。
このように岡山市~総社市の吉備路と呼ばれる範囲には伝説の地がたくさん散らばっています。
地図の赤い道はサイクリングロードになっています。私は車で訪ねましたが、季節のいいときには自転車で温羅伝説の地を巡るのもおすすめです(前回も同じようなことを書いていますね。アップロードが少なく本当におすすめなんです)。
古墳の北側に降りると小さなお地蔵様が迎えてくれました。横に「二一番太龍寺」とありました。
古墳の周りを歩いてみると、こんなにお地蔵様があります。どうやら四国八十八ヵ所の札所の名が書かれているので「写し霊場」のようなものでしょうか?
この作山古墳はいまだに本格的な発掘調査が行われていないそうで、盗掘跡もないそうです。この地を治めた大首長の墓ではないかと云われていますが、なかにどんな埋葬品が納められているのかとても気になるところです。
岡山県も新型コロナの患者数が増え、12月21日には「医療非常事態宣言」も出てしまいました。
「年末年始、岡山に旅行へ行く予定でした」というブロ友さんも何人かいらっしゃいましたが、「"晴れの国、岡山"に来てください」と胸を張って言える状況ではなくなりました。
来年こそは終息を迎え、多くの皆さんが岡山へいらっしゃる日が来ることを心から願っています。
■作山古墳
・住所: 〒719-1124 岡山県総社市三須
・電話番号: 0866-92-8363(総社市教育委員会文化課)
・URL: 総社市公式サイト
・アクセス: (車)岡山自動車道岡山総社ICから約10分、(公共)JR総社駅からタクシー約10分