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本日3月8日は国際婦人デー。
スペインではマドリッドでの大きなデモ行進はコロナ感染を避けるため
禁止されたのだけれども、他の町では小規模のものから450人(バルセロナ)までの
デモが行われました。イビサは非常事態宣言のまっさ中なので労働組合の代表だけ
15人が抗議運動を行っていました。
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国によってこの婦人デーで主張する内容は微妙に異なるのではないでしょうか。
スペインでは次のテーマがメインとなっています。
・男性と女性の給与の格差や企業側の女性に対する一方的な解雇や時間短縮の敢行。
・配偶者、元配偶者、もしくは恋人、元恋人による女性に対する暴力もしくは殺害。
・性犯罪や性暴力。
日本にも内閣府の男女共同参画局という部署が取り組んでいるようですが、
スペインではMinisterio de Igualdad、男女平等省という新しい省庁がうまれるほど
今熱が入っているように思います。
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では私は、私の周りの仕事の環境はどうなのでしょう。
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イビサに来てはや28年。日本では英語教師をしていましたが、イビサで
英語を教える気はなく、当初から日本語を教えてきました。ここ十数年、
日本からの訪問客のツアーガイドなどもし、職種柄今までかつて
仕事をする面で女性として不公平な待遇を受けたことがありません。
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年を取ってから自分で自分の車をいじりたくなり自動車整備士の勉強をし、
最後の実習を学校の紹介で、イビサにあるトヨタさんでさせて頂きました。
実習の終了時にオーナーに仕事のオファーを頂き、双方にとって
都合の良い時間帯(8時から12時)で仕事をさせて頂いています。
日本人のメンタリティーを持つ私の仕事ぶりが気に入ったと仰ってくださいました。
メカニックはガレージでこそ学び続けられるので、大変有難く思っています。
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もちろん私の仕事場はガレージの中。車のメンテナンスや
新車の引き渡しの準備や、車検前の点検などをしています。
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実は私はタイヤ交換ができないのです。昔の鉄のホイールはまだしも
アルミホイールの場合、硬くて力が足りないのです。そんな私は仕事において
男性と同等だと、同じ様に仕事ができるとは口が裂けても言えないです。
その代わりと言えばなんですが、男性が好んでしない新車の準備や
中古車を売る準備などは私が進んで担当しています。
ここではパワハラもセクハラもありません。性別による給与の格差もありません。
コロナによる経済危機の只中解雇もされていません。
イビサのトヨタさん(Ebusus Motor)に感謝するばかりです。
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トヨタでは私達3人ともう一人、女性が働いています。
真ん中が起業者婦人、今のオーナーの母君、セニョーラ・ペピータ。
右のクリスティーナと私は年を取ってからの中途採用者です。
セニョーラもクリスティーナも若い時からずっと仕事を続けている
ビジネスウーマンです。
お二人に子供さんが産まれた時、子育ての時のことについて聞いてみました。
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二人とも4か月の産休があり、
セニョーラは産休が終わると同時にお子さんを保育園に入れて復職。
クリスティーナは産休後、実家のお母さんに預かってもらい復職。
就業時間も8時間を6時間にしてもらったそうです。
今なら男性も育休を取らなければいけないので、きっともう少し楽だったことでしょう。
今は男女ともに育休をとるし、女性で就業時間を短縮する人も多いです。
1年のうちとれる有給休暇は1か月。皆、フルにとっています。
こちらの人は自分が残業したくないから、人にもさせないようにしています。
日本より女性が働きやすい環境ができているかもしれないですね。
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ただ女性が多い職場(医療機関や教育関係)は女性の出産、就業時間の
短縮などが何人か重なる場合も多いそうで、そういう時のしわ寄せが男性に
いき、男性のストレスになっていると聞きます。
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ここ数年特に活発になっているフェミニズム運動。
女性が働きやすい社会は、女性も男性も働きやすい環境でなければなりません。
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男女平等省ができても、性暴力のSOS電話番号が設置されても性犯罪は
一向に減っていません。
性暴力・性犯罪をなくすのは教育だといいます。その通りだと思います。
夫婦、パートナー、親子のあり方も見直してみる必要があるでしょう。
幼稚園、小学校の先生の多くは女の先生です。先生の手腕にもかかっています。
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男女平等を主張してくれる人がいるからこそ社会は変わっていくのでしょうが、
主張するだけではなく、日常の中でできることから始めていけばよいのだと思います。