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Sut mae!(シュマイ!こんにちは!)
2021年のイースター休暇は「ステイ・ウェールズ」の外出制限もあり、家族と自宅でガーデニングに励みましたが、義父のすすめもあり、半日だけ北ウェールズのチャーク城へ。庭園散策とイースターの特別イベント「イースター・アドベンチャー」を楽しんできました。
長いロックダウン生活が徐々に緩和され、春の訪れをこうした野外活動でも体感できるようになったのは本当にうれしいことです。
そこで今回は春の花で美しく彩られたチャーク城の庭園とイースター・アドベンチャー体験の様子をお伝えします。
ウェールズでは現在もイングランドを含め、国外からの訪問は規制されていますが、事態が収束したら、ぜひ訪れてほしいおすすめの場所です。
■ 美しい庭園と丘陵地帯が広がる「チャーク城」
イングランドとの国境に近い北ウェールズの小さな町チャーク(Chirk)にあるチャーク城(Chirk Castle)はイングランド王エドワード1世に命じられて、要塞城群「アイアン・リング(Iron Ring)」の一部として、諸侯のロジャー・モーティマー・チャーク男爵が1295年に建て始め、1310年に完成させた城です。
長い歴史の間に何度も城主は代わりましたが1595年にトーマス・ミドルトン卿が購入してから、およそ400年間はミドルトン家が所有しました。
第一次世界大戦前から第二次世界大戦後まではハワード・ド・ウォルデン男爵に貸し出され、大戦中は城の一部が避難所として解放されたりもしましたが、1981年にナショナル・トラストへ寄贈されるまで、ミドルトン家代々の邸宅として使用されました。
現在は自然保護団体ナショナル・トラストの管理・運営により、城と庭園が一般公開されています(2021年4月現在は新型コロナウイルス対策により、庭園のみ公開)。
▲ 庭園から撮影したチャーク城の東翼&南翼
480エーカーの広大な敷地に囲まれたチャーク城は正面ゲートから城の麓にある入場受付や駐車場までおよそ2kmの舗装路を進みます(車の場合は一方通行のため、往路は別のゲートを利用)。
▲ 敷地内に設置された案内板と丘陵地にたたずむチャーク城
通常、チャーク城では有料エリア(城、庭園)の入場の有無にかかわらず、営業時間内であれば、自由に敷地内を散策したり、ピクニックが楽しめるので、天気のいい日や週末は多くの観光客や地元の人たちでにぎわいますが、現在(2021年4月)は事前のオンライン予約が必要で人数を制限していることもあり、とても空いていて、周囲の人との距離もほとんど気にせずに過ごせます。
▲ 受付入口に設置された「イースター・アドベンチャー」の案内板
イースター・アドベンチャーに参加したい場合は受付でアクティビティ・パック(£3)を購入してから庭園へ向かいます。
受付周辺には売店(2021年4月現在休業中)やカフェ(テイクアウト商品のみ提供)、トイレやピクニックエリアがあり、まずは購入したばかりのパックの内容を確認します。袋の中には庭園に設置されたポイントが印されたマップ兼クイズの解答用紙と鉛筆が入っていました。もちろん、ウェールズなのでウェールズ語と英語の併記です。
▲ 「イースター・アドベンチャー」のアクティビティ・パック
▲ 受付近くに設置されたチャーク城の案内マップ
子供たちのために自然素材で作られた遊具が設置されたプレイエリア(案内マップ5)を通り過ぎて、城と庭園入口まで緩やかな坂道を上がっていきます。
▲ チャーク城入口(案内マップ7)
チャーク城の入口を進むと中庭になっていて、有料エリアのステートルームやチャペル、使用人用の食堂、アダムタワー&地下牢の入口(案内マップ8~11 / 2021年4月現在見学不可)があり、売店(休業中)やカフェ(テイクアウト商品限定の提供)、トイレも併設されてます。
▲ チャーク城中庭の様子
そして、イースター・アドベンチャーのイベントが催された庭園入口は城の入口横にあります。
▲ チャーク城庭園入口(案内マップ12)
イースター・アドベンチャーの地図に印されたポイント①~⑩を探しながら、庭園散策を楽しみます。
最初のポイント①には「春の匂いを嗅ぐ」ということで数種類のハーブが植えられたプランターがありました。
セージやタイム、フェンネル、カレーの香りがするキク科のカレープラントなどおもしろいセレクションです。
▲ イースター・アドベンチャー①「Sniff out spring」
もちろん、イベントに興じつつ、花見も楽しみます。
庭園内のしだれ桜はちょうど見頃を迎え、春らしさを満喫させてくれます。
▲ 満開のしだれ桜とダフォディル(ラッパ水仙)
広い庭園内にはベンチも各所で設置されていて、散策途中に休憩しながら、ゆっくり花見ができます。
▲ 満開のモクレンと休憩用のベンチ
赤やピンクの色鮮やかなシャクナゲも咲き始めてました。
▲ 欧米では「花木の女王」と呼ばれるシャクナゲ
イースター・アドベンチャーのポイント⑤は「春の兆しを見つける」ということでウェールズの春を象徴するダフォディル(ラッパ水仙)が群生する場所でした。
▲ イースター・アドベンチャー⑤「Spot the signs of spring」
庭園内には鷹狩り用の鷹を飼育した小屋に茅葺き屋根をつけ加えて造った大きなあずまや「ホーク・ハウス(Hawk House)」があります。
▲ 1854年に建てられたあずまや「ホーク・ハウス」
また、庭園の奥一帯に広がるウッドランドは1650年代にトーマス・ミドルトン卿が造りあげた場所で初春にスノードロップやブルーベルが白や紫色のカーペットのように咲くことでも知られます。
イースター・アドベンチャーのポイント⑨は「何が育ってるかな?」ということでワイルドフラワーが数種類自生するスポットにヒントとなる花の種類が紹介されていました。
▲ イースター・アドベンチャー⑨「What's growing?」
そして最後のポイント⑩では「自然のためにできること」というナショナル・トラストらしい問いかけで植物や昆虫にやさしい環境をつくるためのアイデアがいくつか挙げられていました。
子供はもちろん、大人も考えさせられる内容です。
▲ イースター・アドベンチャー⑩「Do it for nature」
すべてのポイントで回答を見つけだし、用紙に記入したら、アドベンチャーのミッションは終了です。
庭園出口には特別ブースが設置されていて、ボランティアスタッフが景品のイースターエッグ(チョコレート)を用意して出迎えてくれます。
ただ、16時を過ぎると景品の受取りは麓の受付となるようです(受付は17時終了)。
▲ 受付で用意されていた景品のイースターエッグ
チャーク城の敷地内では羊が放牧されていて、春になるとかわいい子羊たちが元気に駆け回ったり、草を食む姿が見られます。
時間があれば、ぜひ庭園だけでなく周辺の散策もお楽しみください。
▲ チャーク城周辺で放牧されている羊たち
■ Chirk Castle : National Trust
・住所: Chirk Castle LL14 5AF
■ チャーク城への行き方
・ ロンドン・ユーストン駅からバーミンガム・ニュー・ストリート駅で乗り換えて、チャーク駅へ(約3時間30分)。
・ チャーク駅からチャーク城へはトレイル(遊歩道)を利用しておよそ2.7km、約40分。
▲ チャーク駅のホームの様子
チャーク駅から徒歩5分ほどの場所には運河と鉄道が併走する珍しい二重橋があります。
現在もナローボートが行き交う「チャーク水路橋」はトーマス・テルフォードによって1801年に造られた橋で世界遺産「ポントカサステ水路橋」の先駆けとなった歴史的にも貴重なものです。
▲ 歩行者も渡ることができる「チャーク水路橋」(写真中央)と併行する鉄道橋(写真右)
北ウェールズには世界遺産の古城も多く、見どころが満載なので、チャーク城はあまり日本のガイドブックなどで紹介されていませんが、ぜひ機会があれば足を運んでみてください。