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木津川に架かる「流れ橋」です。正式名は「上津屋橋」(こうづやばし)。
この橋は、京都府の八幡市と久御山町(くみやまちょう)を結ぶ橋で、橋長は356.5m、幅員は3.3m。
流れ橋ができる以前の木津川を渡るには渡し舟が必要でした。
地元の人々はもちろんのこと、八幡市側にある「石清水八幡宮」にお参りする人々も渡し舟を利用していました。
昭和28年に橋が架かってからは地元の人々の生活道路としての役目も果たしています。
橋に欄干はないので、安全のため、橋の中央を歩くこと、バイク、自転車は降りて通行することになっています。
「流れ橋」と言われるように、豪雨で川が増水すると橋桁が流される独特の構造になっています。
橋の板は、ワイヤーロープで繋がれていて、増水で流出しても元に戻せる仕組みです。
「上津屋橋」は、いままでに20回以上水害で橋桁が流されましたが、そのたび復旧工事を経て再開してきました。
昭和28年8月の南山城水害では、橋桁が大阪まで流されたそうです。
近年は温暖化にともなった豪雨による洪水で、2011年から2014年までは4年連続で流される事態となり、2016年には対策として従来よりも橋の高さを約70cm高くし、橋脚の部分をコンクリート主体にして以前よりも流れにくい構造になりました。
《時代劇のロケ地》
流れ橋は、時代劇のロケ地としても有名で、この橋を中村主水が渡り、水戸黄門や暴れん坊将軍が通りました。
八幡市側の橋の入口横には、故・俳優藤田まことさんが、寄贈された「流れ橋」の石碑があります。
この辺りは橋の周囲に茶畑がある位で、民家や電柱なども見えにくいことからもロケ地として適しているのでしょうね。
木津川の堤防沿いには木津川サイクリングロード(八幡木津自転車道線)が整備されていて、休憩所もあります。この日も多くのサイクリングの方が渡っておられました。
《テーマパークよりリアルにスリリング!》
流れ橋は高いところで約5mの高さがあります。
自分の身長分も加算すると、かなりの高さを実感します。
辺りは茶畑が広がる、のどかな風景なのですが、欄干や手すりのない幅3.3mの橋は、かなりゾクゾクきます。
橋の下を流れる木津川は、広大な流域面積を誇る一級河川で平常時は穏やかに流れていますが、「暴れ川」と言われるように、台風や豪雨のときには橋桁を流してしまうほどの水量になります。
流れ橋は、河原に降りて橋脚部分を間近で見ることができます。
八幡市側の河原部分は河川敷を降りて橋脚部分まで行けます。ワイヤーロープで橋脚と橋桁が繋がれている構造もわかります。
以上、流れ橋の紹介でした。
京都は5月末まで緊急事態宣言が延長されています。
コロナが収束したらぜひ「上津屋橋」にお越しくださいね。