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Bonjour こんにちは!
今日はすっかり浸透している、有機食材についてのお話です。
日本でも無農薬や有機野菜が人気ですね。
フランスは自給率200%、食を大切にする文化だけに、食材にもこだわりがあります。
そもそもEUは農薬使用に対し非常に厳しい制限を敷いています。実は日本よりも厳しいのです。
フランスももちろんそう。
マルシェに行けば曲がったりちょっといびつな形の野菜がたくさん。それは自然のまま育てているということでもあります。
その中でも農薬の使用量が極力少ないとされているビオBIO(英語でオーガニック)は人気。
なお、biologique の略としてbioと書かれています。
ただ、ビオに関しては、EUの定めた基準、フランスの定めた基準、さらにはモノプリビオ、カルフールビオなど企業が独自に定めた基準と種類も多く、一概にすべてがまったく同じ基準とは言い切れないのも難しいところ。
マークの種類が増え、ビオ産業に疑問を持つ人ももちろんいます。
▲星の柄がEUのビオマーク。上はフランスのビオマーク
ビオワインも増えてきました
基本的にビオ野菜に使う農薬は自然から作られています。植物や動物の肥料です。
▲化粧品や美容品にもビオが増えています
これは一般家庭やレストランだけの問題ではありません。
2018年に制定されたエガリム法。
これは学校給食法で、子供たちの健康や食生活、そして環境も配慮して考案されました。
最低20%はビオ由来の食材を使用すること、50%は原産地や由来が明らかである食材を使用することなどが決められています。
また、先日お話ししたベジタリアン文化。エガリム法により、フランス全土において最低でも週に一度はベジタリアンメニューを学校給食に取り入れる義務が生じています。
健康のためでもありますし、みんなが同じメニューを食べられるのは多文化、多宗教の理解へもつながるのです。
さて、フランス人がビオを選ぶ理由はなんでしょうか?
①健康のため
化学農薬を胎児や赤ん坊の頃から取ると、さまざまな病気や障害を引き起こすリスクがあると言われています。もちろん、それらを使う農家の方も影響を受けますね。
②自然界の多様性を守るため
殺虫剤を撒くと、虫たちの生態系のバランスも崩れてしまいます。ゆえに害虫と呼ばれる虫が増えてしまう結果になるのです。
フランスではみつばちを守るプロジェクトがあり、パリでもオペラ座の屋上で養蜂が行われています。
オペラ座のギフトショップでも購入できますよ。
③環境を守るため、ひいては未来を守るため
化学農薬を撒かないため、土を守ることができます。
水を使う量や必要なエネルギーが化学薬に比べ少なくて済みます。
これは地産地消を推進することも同じです。遠い異国から輸入する食材は自国のものに比べると輸送にたくさんの燃料、エネルギーを使います。
④単純に美味しい
お肉やお魚、先日紹介した卵においては味が違うと答える人も多くいます。特にサラダなど生でいただくものはビオの方がよい、と考えている人はたくさんいます。
こうしてみると、自給率200%を誇る国だからこそ、これだけビオが発展しやすいとも言えます。
ビオ製品は専門店以外のスーパーなどの食料品店はもちろん、マルシェでもたくさん見かけることができます。
そしてもちろん、レストランのメニューにもビオ野菜を使っています、と表示されることが増えてきています。
先日訪れたレストラン、fleur de pavéさんには野菜に注力したメニューが豊富。
ベジタリアンメニューというわけではありませんが、おいしい野菜の味を存分に引き出した料理を楽しめます。
▲旬のグリーンピースを使ったタルト
実は、こちらは日本人の山下さんがパリのお隣イブリン県でビオ野菜として育てていらっしゃるもの。
野菜の甘味をしっかり感じられます。
フランス料理といえばこってり、どっしりしたイメージがあるかもしれませんが、実は肉も魚も脂身がないものほど上質な素材として扱われており、野菜をたっぷり使ったヘルシーな一面もあるのです。
本当においしい食材であれば、フランス料理のように味つけを濃くする必要はないのですね。
ビオが必ずしもよいと言い切れるわけではありませんが、ぜひ一度ご自分の舌で確かめてみてください。
それではまたà bientôt!
◇◆お店情報◆◇
■Fleur de pavé
・住所: 5 rue Paul Lelong, 75002 Paris.
・電話番号: 01 40 26 38 87
・URL(フランス語): http://www.fleurdepave.com/
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