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新名所の美術館で、エレガントな反逆者・シャネル展開催中【終了間近】

HIROMI

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東京特派員

更新日
2021年6月14日
公開日
2021年6月14日
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Bonjour こんにちは!

リノベーション工事が終了したパレ・ガリレア(モード美術館)で初のエクスポジションはシャネルに焦点を当てたもの。パリではこれだけの規模で行われるのは初めてです。

2021年3月14日までの開催予定でしたが、ロックダウンの影響を受け、7月18日まで延長となりました。

当時ファッション界に革新を起こしたガブリエル・シャネル(ココは愛称)のオートクチュールを堪能できるとあり大人気です。

もともとファッションに関する美術館で、18世紀からのファッションの歴史、現代のオート・クチュールのコレクションを見ることができます。

今回のエクスポジションではシャネルの167着の衣装、138個のアクセサリーの展示がなされています。来場者の多くは女性でした。

冒頭は当時のイヴニングドレスやカクテルドレス、後半にシャネルスーツが展示されています。

なぜシャネルはファッション界の革命児と呼ばれたか、それは当時の女性の立場をみてみるとわかります。

当時、多くの女性はコルセットを身につけ、足首を見せることすらなく非常にタイトな服装を強いられていました。

こちらのドレスに見られるように

ゆったりとしたウエストライン。これはコルセットからの解放を意味しています。

しかも装飾がとても抑えられています。

当時社交界、ソワレで黒を身につける人は少なく、華美な装飾がしっかりと施されたものばかりのなか、黒のシンプルなドレスは女性の自由を象徴しています。

また有名なシャネルスーツ。

自由を体現したとも言われるシルエットはいまもなお愛され続けています。

直線的な、非常に男性的なシルエットは、ジャージー素材で動きやすさも計算しつくされています。

これはニュー・ルックと呼ばれ、社会進出してゆく女性たちに大人気となりました。

女性の社会進出が経済を支え、そして社会的地位も向上しました。

シャネルの生きた時代はまさに女性の生き方の革命期でもあったのです。

1955年2月に発売されたこちらのバッグも実用的になるようにデザインされています。

肩にかけられ、両手を自由に使えるのもシャネルバッグが発祥なのです。

ただ、男性の服装を真似したデザインではなく、非常にエレガントであるところがシャネルを伝説にしたといえます。

そのため、どのドレス、スーツ、小物も細部までこだわりぬかれて作られてきたのがよくわかるエクスポジションとなっています。

シャネルのように、初めて何かを成そうという人には批判もあるでしょう。

それでも自分の信念を強く持ち、自分のスタイルを確立させた彼女は自信にあふれ、そのブランドはいまもなおフランスのファッション界に君臨しています。

このシャネルの生きた過渡期に獲得された権利は、自然に与えられてきたものではなく、永遠に保証されているわけでもありません。

そのためフランスでは、女性の権利を訴え、守る活動がいまも盛んに行われています。

3月8日の国際女性デーにはデモ行進もありますし、そこにはもちろん男性の姿も見られます。

女性は男性の敵ではなく、平等に仲間として、皆が生きやすい社会を協力して作り上げてゆこうという考えなのです。

■「ガブリエル・シャネル~ファッションの反逆者」展 GABRIELLE CHANEL. MANIFESTE DE MODE

・開催地: パレ・ガリレア Palais Galliera

・住所: 10 Avenue Pierre 1er de Serbie 75116 Paris 16

・最寄駅: メトロIénaイエナ駅徒歩約5分

・開館時間: 火曜~日曜 10:00~18:00(金曜は夜間営業のため21:00まで)

・休館日: 月曜

・入場料: 大人€14

※予約必須

●併設レストラン「Les petits mains」

12時から週替わりランチ、16時からカクテルタイムなど。

美術館開館日は19時まで毎日営業。

注)写真はすべて美術館の許可を得て掲載しています

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