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Sut Mae!(シュマイ!こんにちは!)
今回はアングルシー島(Isle of Anglesey)の南西、ウェールズ北西部からアイルランド海までおよそ50km伸びるリーン半島(Llyn Peninsula)にある「クリキエス城(Criccieth Castle)」を紹介します。
日本のガイドブックでは紹介されていない知る人ぞ知る? 古城ですが、ウェールズらしいローカルな魅力と歴史に触れることができるおすすめの場所です。
■ エドワード1世によって再建されたウェールズの要塞城「クリキエス城」
ウェールズ北西部、リーン半島の付け根に位置する町、クリキエス(Criccieth)の岬にある「クリキエス城(Criccieth Castle)」はウェールズのスリウェリン大王(Llywelyn the Great)が1230年代に建てた要塞城です。
トレマドグ湾を見下ろす岩山に建てられたクリキエス城は長年、ウェールズ軍とイングランド軍の攻防に耐えてきましたが、1283年にイングランド王エドワード1世によって占領され、ウェールズ征服のための要塞城群「アイアン・リング(鉄の環)」のひとつとして改造されました。
▲ トレマドグ湾を見下ろす岩山に建つ要塞城「クリキエス城」
現在、クリキエス城の管理・運営はウェールズ政府関係機関の「カドゥー(Cadw)」が行っています。
2021年6月現在、クリキエス城の見学はオンラインによる事前予約制になっていて、あらかじめチケットの購入が必要です。
▲ クリキエス城の入口・受付周辺
▲ 受付&ギフトショップ
▲ 受付に併設された展示コーナー(2021年6月現在閉鎖中)
受付で予約の確認メールに添付されたQRコードを提示し、案内マップを受取って入場。見学における時間や順路などの制限はなく、各自で自由に楽しめます。
▲ 英語&ウェールズ語が併記された案内マップ(写真は英語サイド)
▲ 整備された坂道をのぼり、頂上のクリキエス城へ
▲ 案内マップ⑤からの眺望
石造りの城内に入ると一面緑の芝で広場のようになっていて、正面にウェールズでは珍しいD字型の2本のゲートハウス・タワー(Gatehouse Tower)の内側が見えます。(案内マップ①)
▲ 城内に残る建物の基礎(写真手前)と2本の塔があったゲートハウス・タワー(写真奥)
1270年代にスリウェリン大王の孫、スリウェリン王(Llywelyn the Last)によって、外庭(Outer Ward)が建設され、その後、エドワード1世が矩形のゲートハウスを外壁に接続して建設、さらにその外に門(Barbican)をつけ加えました。
また城内には湧水槽から水が供給される井戸がゲートハウスの通路にもありました。
▲ 外庭から見るゲートハウス・タワー(案内マップ②)
外庭を囲う城壁の北端にはエンジン・タワー(Engine Tower)と呼ばれた北の塔跡があり、戦闘用の投石機が設置されていたと案内板に印されてます。(案内マップ③)
▲ エンジン・タワーからの眺望
ウェールズの城の慣例では南西の塔がメインの住居となることが多かったそうですが、イングランドに占拠されたクリキエス城ではD字型のゲートハウス・タワーがその役割を担ったとされます。
南西の塔周辺にはベンチが設置されていて、休憩をしながら眺望も楽しめます。また、視界が良い日は南東方向にハーレック城を望めるそうです。
▲ 南西の塔近くで散策や休憩を楽しむ人たち(案内マップ⑥)
▲ 南西の塔からの眺望(案内マップ④)
■ クリキエス城への行き方
・ ロンドン・ユーストン(Eudton)駅から鉄道でクルー(Crewe)駅で乗り換えてバンガー(Bangor)駅へ(約3時間)。
・ バンガー駅からカナーヴォン(Caernarfon)行きのバス(5C)でカナーヴォンへ(約30分)。さらにポースマドック(Porthmadog)行きのバス(1R)でクリキエスへ(約1時間)
・ クリキエスのバス停(Y Maes High Street)からクリキエス城まではおよそ400m、徒歩約5分。
■ Criccieth Castle
・住所: Castle St, Criccieth LL52 0DP
・営業時間: 4月~10月 10:00~17:00(13:00~14:00は昼休憩)火曜・水曜休み、11月~3月 土曜・日曜のみ営業 10:00~16:00 月曜~金曜休み、12月24~26日&1月1日休み
・入場料: 大人 £5.40、5~17歳 £3.90、65歳以上 £5.05
※ 2021年は新型コロナ対策により営業時間や見学についての変更が多くなっています。お訪ねの際は事前に上記のウェブサイトで最新情報をご確認ください
現在は夏のリゾート地として人気のクリキエスですが、古城と町の風景、海や遠くに望む山の自然美などウェールズならではの魅力をあわせ持つ町です。
いまだ新型コロナウイルスが猛威をふるっていますが、事態が収束したら訪れてほしいウェールズのおすすめスポットです。