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ハマナスの丘のノハナショウブ~「はまなすの丘公園」(北海道石狩市)

市之宮 直子

市之宮 直子

北海道特派員

更新日
2021年7月5日
公開日
2021年7月5日
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石狩川河口に広がる「はまなすの丘公園」

▲RivermouthofIshikariRiver

北海道を代表する川、日本三大河川のひとつに数えられる「石狩川」。
その石狩川が日本海にそそぐ河口付近↑に広がる「はまなすの丘公園」は、日本海と石狩川の間にできた"砂嘴(さし)"の上にあり、毎年6月にハマナスが満開を迎えます。

▲Hamanasu-no-okaPark(wildflowergarden)neartherivermouthofIshikariRiver

「はまなすの丘公園」には、ハマナスのほか180種類もの海浜植物・湿地の植物が生息しており、公園全体は東京ドームのほぼ10倍、約46ヘクタールのうち、16.5ヘクタールが「石狩市海浜植物保護地区」になっています。
写真↑の灯台は、石狩灯台。
石狩灯台が開設された1892年当時は、この辺りが河口だったそうで、長い時間をかけて現在は公園になっている砂嘴ができたそうです。

▲JapaneseroseatHamanasu-no-okaPark,seasideplantreserve,inJune

公園内の海浜植物が咲いている場所は、植物を保護するために立ち入り禁止ですが、遊歩道(木道)が整備され、そこを歩きながら間近にハマナスをはじめとする花々を鑑賞できます。

▲RiverIshikariandthelighthouseIshikariontheoppositeshore

夕景の写真↑は、石狩川を挟んで「はまなすの丘公園」の対岸から見た風景です。
写真中央にシルエットで見える石狩灯台があり、その向こうが日本海です。
「はまなすの丘公園」は、北海道の花、ハマナス(石狩市の花でもあります)の名前を冠した公園ですが、ハマナスが咲く6月だけではなく、春から秋にかけて、いろいろな花を楽しむことができます。

ハマナスの丘の「ノハナショウブ」

▲JapaneseIrisintheseasideplantreserveinJuly

7月の「はまなすの丘公園」は、ハマナスの花がちらほら見られるほか、遊歩道からはエゾカワラナデシコやハマボウフウ、ハマヒルガオがあちこちに見られます。
遊歩道(木道)を最後まで歩き切ると、石狩川に沿って続く砂利道に合流します。砂利道を右手に向かうと遊歩道入口方面、反対側、左手へ進むと東屋が見えてきます。
その付近から広がるのが「ノハナショウブ」の群生です。

当初、道東でよく見られる"ヒオウギアヤメ"かと思っていたのですが、よく見ると、ヒオウギアヤメより明るい赤紫に近い色。
あとから調べると、アヤメは乾いた土地に咲き、湿地など水が多い場所に咲くのはノハナショウブだそう。
また、"ハナショウブ"は、このノハナショウブから園芸用に改良された花だそうです。

木道から見た範囲では、ノハナショウブを見つけられませんでしたが、石狩川河口、砂嘴の先端方面に行くと、遊歩道の両側に群生で咲いていたり、ポツポツと咲いていたり、蕾もまだたくさんありました。
遊歩道から砂嘴の先端部分、砂利道の終わりまでは、立ち止まらずに歩くと片道20分程度です。
砂利道の両側には野鳥が間近にさえずっていることも多く、時間が許せば木道から先へもぜひ足を延ばしてみてください。

「はまなすの丘公園ヴィジターセンター」と公園内散策のポイント

▲Hamanasu-no-okaVisitorCenter

遊歩道入口の向かい側には、「はまなすの丘公園ヴィジターセンター」があります。
入ってみると、石狩の名物が並んでいました。

▲LocalspecialitysweetsinHamamasu,Ishikari,"TeyakiDorayaki",handmaderedbeanpancake)

出合ったのは、"ふわふわのどら焼き"として知られる石狩市浜益区の菓子店「ふじみや製菓」の手焼きどら焼き。
同じ石狩市でも石狩市は南北約67kmにわたります。
名物のどら焼きを買うには、ヴィジターセンターから約50km離れた浜益区まで行かなければならないと思っていましたが、思いがけず、ヴィジターセンターで出会いました。

▲"ChukaManju",thatisredbeanpancakeandlocalspecialtysweetsinHokkaido

こちらは同じくふじみや製菓の和菓子で、昭和生まれの道産子には懐かしい「中華まんじゅう」です。
地域によっては「中花まんじゅう」と書くこともある北海道のローカルグルメ。
ボリュームたっぷりなので、公園内の散策後、エネルギー補給にもぴったり(?)です。
ちなみに、中華(中花)まんじゅうは"こしあん"です。

▲CarvedwoodenbearasoneoftheiconicHokkaidosouvenirs

スイーツのほかに魚介の加工品、北海道土産の定番「木彫りの熊」や「はまなすの丘公園」オリジナルグッズや季節の花のポストカードセットなどがありました。
木彫りの熊は、昭和の頃は各家庭にひとつ、というほど道内家庭にはなじみ深い置物だったのですが、当時よく見た木彫りの熊より小さなハンディサイズの木彫りの熊、しかもゴールドのものもあり、黒い熊を見慣れる道産子としては、とてもかわいらしく感じます。
「はまなすの丘公園ヴィジターセンター」、公園内散策の前後に立ち寄ってみてください(新型コロナの感染拡大状況によって臨時休業する場合があります)。

はまなすの丘公園は、遊歩道(木道)が整備されているため歩きやすいのですが、浜辺が近く風が強いことも多いので、天候によっては少し寒く感じることがあります。
一方で、遊歩道・砂利道の散策中は自動販売機等・店舗は建物など太陽を遮るものはほとんどないので、晴れた日には太陽がジリジリと照りつけます。
散策前に飲み物や帽子の用意、日焼け防止対策をおすすめします。
また、広い公園内ですが、遊歩道の幅が限られており、すれ違う際には"密"が発生します。
屋外であってもマスクの持参や大声で話さないなど、感染対策を行ってください。

ギャラリー:はまなすの丘公園・7月

7月初旬に訪れたはまなすの丘公園は、ノハナショウブの群生が印象的でしたが、ほかにもいろいろなシーンがありました。

  • ▲ハマナスとエゾノカワラマツバ/Japaneseroseandlady'sbedstraw
  • ▲ハマナスの花と実/FlowerandfruitsofJapaneserose
  • ▲ハマエンドウ/Beachpea
  • ▲ハマヒルガオとハマナス/ShoremorninggloryandJapaneserose
  • ▲ノビタキ/Stonechat
  • ▲エゾカワラナデシコ/Superbpink
  • ▲ハマボウフウ/Beachsilvertop
  • ▲エゾスカシユリ/Thunberglily
  • ▲ノハナショウブ/Japaneseiris

7月初旬の「はまなすの丘公園」は、思いのほかハマナスがまだ咲いていたり、ぽつりと咲くエゾスカシユリを見つけたり。
場所によっては、何種類もの花が重なるように咲き、まるで自然の花束のようです。
お目当て以外の花を見つけられることもあるので、ハマナスの時期にかかわらず、機会があれば立ち寄ってみてください。

【はまなすの丘公園】
・住所: 北海道石狩市浜町29-1
・TEL: 0133-62-3450
・営業期間: 4月29日~11月3日
・営業時間: 9:00~18:00(※9月1日~11月3日は9:00~17:00)
※新型コロナの影響や季節・天候などにより変更になる場合があるので、石狩観光協会公式サイトを参考にしてください。
・入場料: 無料
・駐車場: 30台(無料)

アクセス

  • 【車】札幌中心部より約45分
  • 【バス】中央バス札幌ターミナル(札幌市中央区大通東1-3)より「石狩線」乗車(所要時間約60分)、終点「石狩」停下車、徒歩約15分

関連サイト・参考文献

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