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注: 留学生以外の外国人向け衛生パスの申請方法は現在変更になっています。変更後の申請方法は「EU域外からフランス入国する外国人向けの衛生パスの申請方法が変更に【2021年11月5日〜】」をご参照ください。
フランスへ渡航する外国人旅行者、学生、赴任などにより長期滞在される人向けの衛生パス(ワクチンパス)の申請手順が、2021年8月27日より新しくなりました。以前は、申請用紙や必要資料を指定されたメールアドレスに送付する形が取られていましたが(過去記事「日本からフランス入国する旅行者向け衛生パスポート申請方法【〜2021年7月26日】」)、今回からはオンラインを通じて申請する形式になりました。
必要な人もいると思いますので、「Demande de conversion d'un certificat de vaccination étranger en passe sanitaire français(外国ワクチン証明書の衛生パスへの切替申請)」の書き方を、順に解説します。今回は「日本に住んでいて日本国内でワクチン証明書をもらった、フランス滞在身分が学生以外の人」という前提で説明を行います。
在日フランス大使館のサイトには、現在申請を受け付けている日付(「●月●日までに到着する学生以外の外国人」など)が書かれていますので、そちらを参考に該当する人は申し込みを行ってください。
まず在日フランス大使館のサイトの「外国人旅行者・学生向け衛生パス」ページにある「学生以外の外国人の方はこちら(英語版あり)」のリンクから飛ぶと、オンライン申請のログインまたは登録ページが表示されます。アカウントを作るには「Create an account demarches-simplifiees.fr(アカウントを作る)」を選びます。
次にメールとパスワードの設定画面に切り替わります。ここに自分のメールアドレスと、これから申請で使いたい任意のパスワードを入れます。それらを記入したら「Create an account(アカウントを作る)」をクリック。
登録したメールアドレスにメールが届きますので、そのメール内にあるリンクから本登録をします。本登録のメールはすぐに届かない場合があります。試しに私がやってみたところ、20分後くらいに届きました。
本登録が済んだら、次は切替申請に必要な情報とファイルをオンライン上にアップロードしていきます。以下、登録画面に表示される順に、英語版を日本語訳してみました。
【外国ワクチン証明書の衛生パスへの切替申請】
– Select your area(申請者の地域)
・Canada:カナダ
・United States:アメリカ
・Rest of the world:その他の地域
*「Rest of the world」を選択。
1. 申請者についての補足情報
– Date of birth (DD/MM/YYYY):誕生日(日日/月月/年年年年)
– Residential address abroad:居住地
– Country of residence abroad:居住国
*誕生日は「2000年1月2日生まれ」の場合は「02/01/2000」です。居住地は日本の住所です。例えば、株式会社地球の歩き方の住所「〒141-8425 東京都品川区西五反田2-11-8」の場合は「8-11-2, Nishigotanda, Shinagawa-ku 141-8425 Tokyo」となります。居住国は「Japon」と記入。
– Copy of identity document (valid passport):身分証明書のコピー(有効なパスポート)
*ファイルの最大容量は3MB、ファイルの対応形式はPDF、PNGおよびJPEGです。
– Date of arrival in France:フランス入国日
– Date of departure from France:フランス出国日
2. 申請者のワクチン接種歴
– Country of vaccination:接種国
– Date of last injection:最後の接種日
– Vaccine:ワクチン
*接種国は「Japon」と記入。ワクチンの欄は、すでに接種済のワクチンの種類を選びます。日本のワクチン接種証明書にアルファベットで記載(例えば、Comirnatyなど)があると思いますので、それを参照してください。このリストにないワクチンについては、ヨーロッパ医薬品庁指定のワクチンではないため、接種が済んでいても申請対象にはなりません。
– Number of doses received:接種回数
・1/1(1回接種用ワクチンを1回接種済)
・2/2(2回接種用ワクチンを2回接種済)
・3/3(3回接種用ワクチンを3回接種済)
*接種済のワクチンの回数について選びます。ファイザーやモデルナの場合は、2回接種(場合によっては3回)が必要なワクチンですので「2/2」を選びます。
– A copy of the vaccination certificate issued by the competent authorities in the country of residence, clearly stating the type of vaccine used:ワクチンの種類が明記された居住国当局によるワクチン証明書のコピー
*ファイルの最大容量は3MB、ファイルの対応形式はPDF、PNGおよびJPEGです。
– Copy of travel ticket:渡航のためのチケット(航空券)
*ファイルの最大容量は3MB、ファイルの対応形式はPDF、PNGおよびJPEGです。
3. 追加情報
– Please provide any additional information that could help process your application:今回の申請について追記する事項があれば記載
– I hereby certify the accuracy of the information provided to apply for conversion of my foreign vaccination certificate into a French COVID certificate:私はここに、私の外国のワクチン接種証明書をフランスのCOVID証明書へ切り替え申請するために提供した情報の正しさを証明します。
*チェックを入れます。
– Completed at (Fait à):記入した場所
*このオンライン申請書を東京で書いている人なら「Fait à Tokyo」、愛知県で書いている人なら「Fait à Aichi」と記入。
– Submit the file:ファイルを送信する
すべて記入が済み、ファイルをアップロードしたら「Submit the file(ファイルを送信)」を押してください
以上で申請は終了です。ファイルを送信すると次のような画面になります。
「Accéder à votre dossier(種類にアクセスする)」を押すと申請内容の確認ができます。申請は通常7日以内に取り扱われますが、場合によっては前後する場合があります。当局によって取り扱われる前であれば申請書類や提出資料の修正は可能です。
申請が処理されると、登録したメールアドレスにQRコードが届きます。上記以外の方法での申請、または内容が不完全な状態での申請は処理されません。申請が処理されなかった場合は、あらためて申請書を提出する必要があります。催促メールは一切不要で、手続きの遅延を招く恐れがあります。
不明な点は在日フランス大使館の「よくある質問」も併せてご覧ください。
フランス国内向けの衛生パスは「ワクチン接種証明」「72時間以内の陰性証明」「治癒証明」のいずれかを根拠に、QRコードが付与されます。そのうち外国人旅行者向けの衛生パスは、「ワクチン接種証明」「72時間以内の陰性証明」により取得が可能です。つまり、ワクチン接種を根拠にした衛生パスのQRコードを取得できなくても、陰性証明のQRコードでも衛生パスとして使えます。
「陰性証明」は、抗原検査またはPCR検査による新型コロナウイルス感染の陰性を証明したもので、特に抗原検査はパリの町なかでいたるところにある検査場や薬局などで手軽に受けられます(旅行者などフランスの健康保険証を持っていない場合は有料)。結果は15~20分待ってその場で判明し、結果の通知と同時にQRコードをもらえます。QRコードの有効期間は検査から72時間以内です。そのため数日の滞在でしたら、陰性証明の衛生パスでも十分に対応は可能です。
検査場の一覧は、フランス当局のサイトで探せます。「Tests RT-PCR」がPCR検査(鼻咽頭ぬぐい液による検査)、「Tests antigéniques」が抗原検査、「Tests salivaires」が唾液による検査(子供向けであることが多い)です。
なお、外国人旅行者向けの衛生パスでは対象となっていない「治癒証明」とは、過去6ヵ月未満から11日前までの期間に、PCR検査で陽性が出た人に対し適用される、新型コロナウイルスに対してすでに抗体を持っているということを証明したものです。