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エッフェル塔近くにあるパリ日本文化会館では、現在、日本のアニメ『UFOロボ グレンダイザー』をテーマにした特別展「GOLDORAK XPERIENZ」が開かれています。Goldorak(ゴルドラック)とは、グレンダイザーのフランス語タイトルのこと。『グレンダイザー』製作から45周年を記念して、パリ日本文化会館がPRIME PROD社と共催し、制作時のデッサンやグッズ展示を通じて、グレンダイザーの世界観や製作の歴史を紹介しています。
グレンダイザーことテレビアニメ『ゴルドラック』は、永井豪さん原作の東映アニメーション製作の作品で、1975年に日本で放送されたのち、1978年にフランスで紹介されました。フランスでは、数ある日本のロボットアニメのなかでも絶大な人気を誇っており、現在でもファンが多くいます。
今回の特別展では、日本から取り寄せた原画のデータなどから、過去に発売されたグレンダイザーの日仏でのグッズまで、マニア垂涎の品々が並んでいます。驚くべきはグッズで、日本製のものは特別展のために日本から持ってきたものかと思いきや、じつはフランスで保存されているコレクションだそうです。
というのも、今回の特別展を企画したPRIME PROD社のオーナーがグレンダイザーの熱心ファンで、そのオーナーの個人コレクションが多く展示されているそう! 例えば「展示されているゴルドラックの一部フィギュアは世界で5体しかない、箱まで残ったものだとさらに限られる」とスタッフのアレックスさんが答えてくれました。
▲この巨大なグレンダイザーのフィギアもPRIME PROD社オーナーの私物
グレンダイザーというアニメがどれくらいフランス人の琴線に触れているというと、パリ日本文化会館で行われる日本関連の特別展は、日本人来場者がだいたい1~2割を占めている肌感覚だそうですが、今回の特別展は、その割合をもっと超えてほぼフランス人だそうです。
人気の理由をアレックスさんに聞くと、「日本では『グレンダイザー』の前に『マジンガーZ』などが人気になったが、フランスでは最初に入ってきたロボットアニメが『グレンダイザー』だった。そのため、数ある日本のロボットアニメのなかでも特にファンが多い。また再放送、再々放送などを経て、タイムリーに見ていた視聴者だけでなく、第2世代、第3世代のファンが作られた」と教えてくれました。来場者の訪問動機も、パリ日本文化会館によると、グレンダイザー世代の大人以外にも子供がファンだから訪れたという人も多いそうです。根強い人気です。
今回の特別展では、コロナ禍のため30分ごとに予約枠を区切っているそうですが、土曜などはすぐに各時間帯の枠が埋まっていき、訪れる来場者は週末は1日に1000人ほどになるといいます。パリ日本文化会館の地上階にある売店で売られているグレンダイザーの一部グッズは、入荷後すぐに売り切れ。今回のグレンダイザーの特別展はたいへんな人気を博しているそうです。
今回の特別展の企画者であるPrime Prod社は、2021年10月28日にパリ市内「Grand Rex」でグレンダイザーをテーマにしたミニコンサートやコスプレ大会なども開く予定です。10月にはフランスの漫画出版社の大手Edition Kanaから『ゴルドラック』のバンド・デジネ(フランスやベルギースタイルの漫画書籍)版が出る予定です。
2021年10月8日からはグレンダイザーの記念切手もフランスで販売されます(詳細は過去記事「10月に日仏郵便局のコラボ切手が発売、グレンダイザー限定切手も仏で同時リリース【日本郵便×ラ・ポスト】」)。フランスのグレンダイザーのファンにとっては、たまらない秋になりそうです。
・住所: 101 bis Quai Branly 75015
・開館時間: 11:00~19:00(火~土曜)、~21:00(木曜)
・休館日: 日・月曜
・「GOLDORAK XPERIENZ」開催期間: 2021年9月15日~10月30日12:00
・入場料: 一般€7