キーワードで検索
ちょっと変ったフランス語のひと言、今回は「 C'est le pompon! 」です。「 coup de bambou à la pompe 」についてはこちらから
「 pompon 」はフランス語で「 ポンポン(帽子・衣服・家具などの装飾に用いられる房飾り)」を意味します。
直訳すると「それはポンポン(房飾り)だ!」になりますが、フランス人はどういう場面で使うのでしょうか?
例えば、小さな子供がいるお母さんが子供と一緒にケーキ作りを始めたときに、お昼寝中の赤ちゃんが目を覚まして泣いています。お母さんは急いで赤ちゃんのもとへ。赤ちゃんをあやしながら戻って来ると、キッチンに居た上の子供が小麦粉をひっくり返して床中真っ白に。赤ちゃんを抱えながら床を拭こうとしたら、うっかりテーブルの上にあった牛乳パックに肘が当たって床の小麦粉の上にこぼしてしまった!! そんなとき、「 C'est le pompon! 」と言ったりします。
ネガティブな状況でさらにネガティブな事が起こり、誰に怒りをぶつけることもできず「 C'est le pompon!(お手上げ!)」という意味です。確かにポンポン(房飾り)は仕上げにもうひとつ加える飾りですよね。ネガティブな状況にさらに仕上げのネガティブな出来事が起こる……お手上げ状態でのひと言というわけです。
そのほかの意味としては、例えば、ライバルを出し抜こうとアレコレ根回しをして準備していたのにライバルはそれを上回る策を練っていたことがあとでわかって「 C'est le pompon!(一枚上手だな!)」という意味で使います。
「 pompon 」がフランスではこういったニュアンスで使われるのが興味深いところです。