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少し日にちが空いてしまったのですが、2021年12月6日にパリ市内にある料理専門学校「コルドンブルー」にて、和食と日本酒のプロモーションイベントが開かれたので行ってきました。同イベントは、コルドンブルーによる特定の数カ国を取り上げ紹介する「Voyage Culinaire(料理の旅)」という期間限定プログラムの一環として実施されるもの。このプログラムの最後の期間にあたる12月6日からの週が日本週間とされていました。
2022年6月には、食と観光の世界大会であるUNWTO(国連世界観光機関)ガストロノミーツーリズム世界フォーラムが、奈良県で開催される予定です。ガストロノミーツーリズムとは、「その土地の気候風土が生んだ食材・習慣・伝統・歴史などによって育まれた食を楽しみ、その土地の食文化に触れることを目的としたツーリズム」のこと。現在日本政府は、あらゆる機会を捉えて、その食文化を世界に発信する取組を進めており、日本大使館およびJNTOパリ事務所がコルドンブルーと共催した今イベントはその一環でもありました。
▲デモンストレーションする田窪シェフ(左から2人目)ら。
この日はハマチを使った料理が2品デモンストレーションされました。調理を担当するのはパリ市内にある和食レストラン「駒つばき」のシェフ・田窪竜馬さんです。調理の様子は、インスタライブを通じて世界に同時配信されました。
1品目はハマチのお刺身。田窪シェフは、「ハマチという魚は大きさによって呼び名が変わっていく『出世魚』として、日本では縁起の良い食材として知られている」といった背景を説明しながら、丸ごと1匹のハマチを手際良く解体していきました。ハマチの身に包丁が滑るように入っていき、次々と切り分けられていく様子に、会場内の参加者は釘付けに。あっという間にお造りが仕上がっていきました。
2品目は焼いたハマチの大和ソース添え。鰹節の出汁をベースに醤油および味醂、酒を加えて作る、日本らしい旨味が整ったソースや、ハマチの焼き加減について、田窪さんが丁寧に説明を加えていきました。また料理の合間には、今回の2品に合わせる日本酒2銘柄、「松竹梅『白壁蔵』生酛吟醸」と「L'ATELIER DU SAKE 大吟醸」(いずれも宝酒造)を、酒ソムリエが解説しました。
全て料理が完成したら、お待ちかねの試食と質疑応答の時間です。
田窪シェフが作り上げた2品を、目を輝かせながらスマホなどで写真に収めているコルドンブルーの学生さんの姿を見ていると、なんだかこちらまで嬉しくなってきました。こういう活動の中から、また一人また一人と日本料理に興味を持つ学生さんが出て、彼ら、彼女らが世界各地で和食の将来を支えてくれるはずです。