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ひと味違う「そば糠にしん」と「そば糠ほっけ」!北海道余市発、上品で深い味わい。

市之宮 直子

市之宮 直子

北海道特派員

更新日
2022年1月27日
公開日
2022年1月27日
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北海道の郷土の味、「糠ニシン」をご存じでしょうか。いわゆる魚の糠漬けで、北海道では昔から一般的に食べられてきた郷土の味です。米糠で漬けた「糠ニシン」が一般的で、ニシンのほかホッケやサンマなども糠漬けで食べられています。江戸時代から作られ、食べ続けられてきた糠ニシンですが、余市町で新しいアイデアの伝統の味を見つけたので紹介します。

CONTENTS

余市町の三印菊地水産

小樽市の隣町、余市町は、江戸時代からニシン漁で栄えた町です。
最近では、エビやカレイ、ブリなどさまざまな魚介が水揚げされ、北海道でも数少ない海の幸・山の幸が豊富な町のひとつです。
漁業と並行し、江戸時代から培われたニシン加工の技術をもとに各種水産品の加工も盛んな余市町。
その余市町にある「三印菊地水産」は、ニシン漁の網元として創業し、現在は京都名物の「にしんそば」になくてはならない「身欠きニシン」の生産量が北海道トップクラス(全国トップクラス!)の会社です。

乾燥中の身欠きニシン。余市町・三印菊地水産で/Japanesetraditional"driedherring"inYoichiTown

ニシンは回遊エリアによって、サイズや脂ののりが異なり、その違いによって身欠きニシンの味が決まるそう。
三印菊地水産では、昔ながらの"本乾"という身欠きニシンのほか、ソフトタイプで調理がしやすい"一夜干し身欠きニシン"を作っています。
同じ身欠きニシンでも、本乾タイプかソフトタイプかによって、ニシンの産地を変え、最もおいしく仕上がるニシンを原料に選んでいるそう。

昔ながらの木箱に入れて出荷する身欠きにしん/Driedherringthatispackedinthetraditionalwoodenbox

パッケージは、昔ながらの木箱が人気だそうで、今もこだわりの身欠きニシンを木箱に詰めて出荷しています。
身欠きニシンは、全国で郷土料理に使われている食材なので、北海道に限らず、この木箱入り身欠きニシンを全国の市場などで見かけることがあるかもしれません。

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上品で深みある味わい。”そば糠”の「糠にしん」「糠ほっけ」

三印菊地水産では、身欠きニシンのほかにも各種水産加工品を作っています。
そのなかでも目を引くのは、オリジナル商品の「吟上そば糠にしん」と「吟上そば糠ほっけ」。
北海道の郷土の味として昔からなじみ深い糠ニシンや糠ホッケ、糠サンマがありますが、三印菊地水産が作っているのは、"そば糠"で作る糠にしんと糠ほっけ。

新しい北海道の郷土の味。オリジナル商品の「吟上そば糠ほっけ」/LocaldishinHokkaido,saltedcodinbuckwheat-branpaste

あるときランチタイムにソバを食べながら、ふと
「(京都の)にしんそばがあるなら、ニシンとソバの愛称はよいはず。それなら、米糠ではなく、そば糠で作った糠ニシンもおいしいのでは」
と思いつき、その日のうちにソバの脱穀所へ行ってそば糠を入手したそうです。
そして試行錯誤を繰り返して商品化したのが「吟上そば糠にしん」と「吟上そば糠ほっけ」。
自社のスタッフの方々が一番のリピーターという"吟上そば糠"にしんとほっけは、きめ細かなそば糠がニシンやホッケのおなかの中までふんだんに入っています。

グリルした「吟上そば糠にしん」/GrilledherringthatisprocessedinYoichiTown

おいしくいただくコツは、魚の外側・内側ともていねいに糠を洗い流し、焦げないように注意しながら焼くこと(そば糠が残っていると焦げやすいので)。

熟成した味わいの「吟上そば糠ほっけ」/Fishthatissaltedinbuckwheat-branpastehasarichtaste

熟成されたそば糠ニシンとホッケは、魚の味に深みがあり、とても上品な味わい。
一般的な糠ニシンなどは、もともと保存食だったことから、かなり塩味が強いものが多いのですが、「吟上そば糠にしん」た「吟上そば糠ほっけ」は、塩ぬきをしなくてもおいしくいただけるおいしい加減の塩味です。

スタッフの方がリピートする理由がわかる、味わい深い「吟上そば糠にしん」と「吟上そば糠ほっけ」は、食べ慣れた米糠にしん等とは異なる味わい深さで驚きました。
タイトルには「ひと味違う」と書きましたが、実際は、ふた味以上違うと思います。

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HACCP認定工場製、美味で食べ応えある水産加工商品

余市町の三印菊地水産/Marineproductprocessingcompany"SanjirushiKikuchiSuisan"inYoichitown,Hokkaido

「吟上そば糠にしん」を作る余市町の三印菊地水産には、厳しい衛生管理基準の「HACCP」(ハサップ)認証を受けた工場があり、人気の水産加工品をいくつも作っています。

HACCP認証工場で作る味付けカズノコ/SeasonedHerringRoe

HACCP認証は、加工場へ入ってから出るまで、すべて決められた道順や手順で行動・作業をおこなうため、作られる商品の安心安全が裏付けられます。
国際標準でもあるので、より信頼がおける食品衛生管理方法で作られた商品といえるほか、コロナ禍でも安心できる商品作りが可能なシステムです。

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余市ドライブで寄りたい三印菊地水産直売店

三印菊地水産の商品ラインアップは、北海道通な魚介好きの方にもおすすめしたい商品がいろいろです。

「吟上そば糠にしん」のほかイクラ・松前漬けなど人気の水産加工品を製造・販売

一番人気は、イクラやカズノコのなどの魚卵製品だそう。
なかでもタラコ商品は、塩たらこ・明太子・近海産塩たらこがあり、ぷりっとしたおいしそうなタラコです。
(余市町のふるさと納税返礼品にもなっています。)

カットして盛りつけた「彩たらこ」(塩たらこ)/Saltedcodroe

サイズは特大・中・小と選べます。
立派なサイズの塩たらこ・明太子は、食べ応えもあっておいしいです。

松前漬け/Pickledkombuanddriedsquidwithsoysauce"MatsumaeZuke"
イクラの醤油漬け/Salmonroepickledinsoysauce"Ikura"

そして驚いたのは松前漬けです。
松前漬けは、北海道の松前町(松前藩)が発祥といわれる郷土料理のひとつです。
江戸時代、北海道の日本海側で豊漁だった"ニシン"の卵、カズノコとスルメイカ、昆布を漬けたものが最初の松前漬けだそうですが、昭和に入ってカズノコは高級品となり、現在の松前漬けは、カズノコが入っていないものもあります(近年はスルメイカの減少が危惧されていますが、もともとスルメイカは函館に近い松前町でもよくとれます)。

市販されている松前漬けには、スルメイカと昆布の松前漬けのほか、なかにはホタテを入れた現代風(?)の松前漬けもありますが、三印菊地水産の「松前漬け」はカズノコがゴロゴロと入った松前漬けです。
味はもちろん、カズノコの存在感たっぷりの松前漬けもおすすめです。
また、余市近海産の"煮タコ"もおすすめ。

BoiledoctopusfromcoastalwatersofYoichi,Hokkaido

お刺身でじっくり味わいたい歯ごたえがしっかりした"煮タコ"ですが、たっぷり入っているので、ぜいたくに"タコザンギ"や"タコキムチ"にしても絶品です。

自宅にて「にしんみりん干しやらわか仕上げ」で作った簡単"にしんそば"

「身欠きにしん」「吟上そば糠にしん」などのニシン商品、魚卵製品など、各種商品は本社事務所で直売もしています。

余市町・三印菊地水産の直売店(本社)

気になる商品は、三印菊地水産

【株式会社三印菊地水産】
・住所: 北海道余市郡余市町港町26
・TEL: 0135-22-2036
・本社直売所営業時間: 8:00~17:00
・定休日: 日曜・祝日・年末年始・お盆
・アクセス: 「JR余市駅」より車で約10分/後志自動車道「余市I.C」より車で約15分/札幌市内より車(後志自動車道経由)で約1時間30分/「JR小樽駅」より車(国道5号経由)で約40分/
・URL: http://sanjirushi.jp/

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