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ポークパイの町、メルトン・モウブレイ① 由緒ある老舗パブ「アン・オブ・クレーヴズ」

June

June

イギリス特派員

更新日
2022年2月27日
公開日
2022年2月27日
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シュマイ!(こんにちは!)

2月最後の週末、ウェールズは小春日和で庭の花壇には可愛いクロッカスの花と国花の水仙が咲き始めました。

春はもうそこまで来ているようです!

さて、今回は少し前にはなりますが、2月初旬に家族旅行で訪ねたイングランドのレスターシャー州にある小さな町「メルトン・モウブレイ(Melton Mowbray)」を紹介します。

日本のガイドブックにはあまり紹介されていない田舎町ですが、イギリスでは「ポークパイ」で知られる町。近郊の村で開催されたボーダーテリア・ショーに行ったついででしたが、イギリス人の主人が「ポークパイを買わなきゃ!」ということで立ち寄りました。

■ メルトン・モウブレイの老舗パブ「アン・オブ・クレーヴズ」

ポークパイとはペストリーに豚肉を詰めて焼き上げ、肉が縮んでできた隙間にゼラチン入りのストックを流し込み冷蔵して固め、温めずにそのまま食べるイギリスの伝統的ミートパイ。イギリス人のソウルフードです。

▲ メルトン・モウブレイ名物ポークパイ:画像提供Dickinson&Morris

そんなポークパイを求めて訪ねたメルトン・モウブレイでしたが、老舗店「ディキンソン&モリス(Dickinson&Morris)」は日曜定休で残念ながら休業。

でも、気分はすっかりポークパイだった私たちは諦めきれず、ランチ営業していた老舗のパブでポークパイをいただくことに……。

そのパブが町の観光名所にもなっている「アン・オブ・クレーヴズ(The Anne of Cleves)」。

あの悪名高きヘンリー8世の4番目の妻アン・オブ・クレーヴズが離婚した際に与えられた館でパブの店名もそのまま彼女の名前が使われてます。

1509年から1547年にかけてイングランド王として君臨したヘンリー8世はローマ・カトリック教会と決別して離婚を宣言し、王妃を次々に取り替えて、最終的に6人の妻を娶った異色の国王として有名です。

最初の妻は元兄嫁で年上だったキャサリン・オブ・アラゴン。(男子が授からず離婚されたのちに病死)

2番目の妻はヘンリー8世に見初められ結婚したアン・ブーリン。(反逆罪で処刑)

3番目がアン・ブーリンに仕えていたジェーン・シーモア。(男子を出産後に病死)

そして、4番目の妻がこのアン・オブ・クレーヴズで離婚された理由は見合い用の肖像画とあまりにも実物が違ってて、結婚はしたもののヘンリー8世が半年でギブ・アップしたんだとか……。

▲ 店の看板にも使われているアン・オブ・クレーヴズの肖像画

ちなみに5番目の妻だったキャサリン・ハワードもアン・ブーリン同様、処刑され、最後の妻キャサリン・パーはヘンリー8世を看取ったあと、ジェーン・シーモアの兄と再婚したものの女子を出産後に病死してます。

アン・オブ・クレーヴズも42才で病死していますが余生はヘンリー8世から慰謝料として与えられたヒーヴァー城(アン・ブーリンが育ったスコットランド・エジンバラにある城)やこの館でのんびり過ごしたらしいのである意味、一番運が良かった妻なのかもしれません。

さて、約600年前に建てられたとされる館は現在、とても雰囲気の良いパブになっていて、ビールはもちろん、歴史好きには堪らない場所として観光客に人気です。

店内の壁には"メルトン・モウブレイ最古のパブ"の文字が描かれていました。

案内されたテーブル周辺の調度品も歴史を感じさせるものばかり。

天井には古い茅葺きの屋根が見えるよう一部ガラス張りになっている場所もありました。

そんな趣のあるパブで私たちがオーダーしたのは名物のポークパイもついたシェアメニューの「プラウマンズ・プラター(Ploughman's platter)」(16ポンド:約2400円)。それとチップス(フライドポテト)を別途追加で注文。

▲ サラダの右隣に並ぶポークパイ

肝心のポークパイは4分の1サイズが2切れだけでしたが、ホームメイドのハムとソーセージロール、チーズにクラッカー、自家製チャツネとピクルスも付いてて、ビールのつまみとしてもおすすめのメニュー!

チップスも付けたのでランチとしては十分な内容でした。

■ The Anne of Cleves

・ 住所: 12 Burton St, Melton Mowbray LE13 1AE

■ メルトン・モウブレイへの行き方

・ ロンドン・キングス・クロス(London King's Cross)駅から列車で約50分、ピーターバラ(Peterborough)駅で乗り換えて約40分、メルトン・モウブレイ(Melton Mowbray)駅に到着。

・ アン・オブ・クレーヴズ(The Anne of Cleves)までは駅から徒歩4〜5分、約350m。

ぜひ、ポークパイやご当地グルメ好きの方には訪れてほしいイングランド中部レスターシャーの田舎町メルトン・モウブレイ。結局、老舗店のポーク・パイも食べたくて、翌日に再訪します。(店の紹介は次のブログにて)

▲ アン・オブ・クレーヴズに隣接する「聖メアリー教会(St.Mary's Church)」

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