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近年、北海道で栽培されるブドウとワイン醸造所が注目を集めるようになりましたが、今回は、札幌で古くから営業しているワイン専門店をご紹介します。
札幌中心部、ススキノにある「ワインショップフジヰ」は、ワイン専門店として営業を開始したのは1971年。
まだ国内でもワイン文化はそう浸透していない頃から、すでにワインを専門に扱うショップとして営業していました。
5 minutes walk from Odori Station Exit 35 to "Wine Shop FUJII"
当初は、札幌地下街に店舗を構えていましたが、その後、現在の場所へ移転しています。
国内外のワインを問わず品揃えが豊富なので、ワインを選びたいとき、"こちらのお店へ行けばまず間違いはない"、と思っている札幌のワイン愛好家は少なくないと思います。
並んでいるワインの数はもちろんですが、新しい銘柄も続々と入ってくるので、まだ飲んだことがない1本に出会える予感がいっぱいのお店です。
壁一面にワインが並ぶ店内。
赤・白・スパークリング・ロゼ。
海外のワインから国産ワインまで、さまざまなワインが揃っています。
こちらのお店では、年間に約1,000種類のワインのテイスティングをおこなっているそう。
現在はコロナ禍の影響でテイスティングの機会が減ったとのことですが、コロナ禍前には年間2,000種類ものテイスティングをおこなっていたとのこと。
さらにすごいのは、毎月、希望するユーザーに「Wine Shop FujiiNEWS」としてメール配信もおこなっているという"新入荷商品をリスト"(2022年3月は約100本分!)。
品名・ヴィンテージ・価格などの基本情報のほか、各ワインの細かな説明が記入され、ワイン初心者には特にありがたい"おすすめワイン"の詳細説明付きです(店頭でも見せてもらえます)。
リストを参考にワインを選ぶ方法もありますが、初心者の相談や質問にも丁寧に応じていただけるありがたいお店です。
そのなかで改めておしえていただいたのが、現在お店にあるワインのラインアップ。
フランス産・イタリア産などメジャーな国のワインのラインアップに加え、ちょっと珍しいワインも揃っています。
今回、特に目に留まったのは、東欧諸国産のワインです。
旧ソビエト連邦だった東欧の国では、ブドウの栽培・醸造をおこなっていたものの寒冷地のため、貴腐ワインに象徴されるような比較的甘いワインだそう。
東欧産ワインは食事と一緒にいただくには少し甘いことや、東欧諸国以外への営業ノウハウがあまりなく、これまで日本では目にする機会が少なかったのですが、近年は少しずつ知られるようになってきたそうです。
アゼルバイジャン、ジョージア、スロヴェニア、モルドバなど、これまで飲んだことも見たこともなかったワインがいろいろ。
好奇心に駆られて珍しい外国産ワインに目が釘付けになりましたが、ワインショップフジヰは、北海道産ワインの種類が豊富なお店としても知られています。
北海道ではブドウ生産者による小規模なワイナリーが増え、独自に育てた自家ブドウの味をそのままワインにすることから、北海道産ワインの味は美味しくなっているとのこと。
札幌市内で北海道産ワインを購入するなら、多数が揃っているこちらでチェックすることをおすすめします。
タイミングがあえば、お店の方から北海道産のワインやワイナリーについても詳しくおしえていただけると思います。
そしてもうひとつ、充実のラインアップは、こだわりの食品です。
ワインのおともにぴったりの"こだわりのおつまみ"もワインと一緒に購入し、ホテルの部屋で楽しむにもぴったりです。
ワインショップフジヰには、店内に「BAR FUJII」を併設。
立ち飲みでワインをグラスでいただけるBARです。
「いろいろなワインを楽しんでもらいたい」というコンセプトのBARは、この日も入れ替わり、お店に訪れてはサッと一杯味わって立ち去る、というお客さんが何人もいらっしゃいました。
最近は北海道の小規模なワイナリーが注目され、そういったワイナリーのワイン人気が高まるにつれ、発売と同時にほとんど売り切れてしまうような希少ワインも増えてきました。
こちらのお店では、特にそのような希少なワインの味も多くの人に楽しんで欲しいという趣旨で、かなり入手しにくいワインを"BAR FUJII"のメニューに入れているそう。
また、BARメニューのワインは、北海道産・海外産、赤・白・スパークリングとバランスよく入れているので、飲み比べも可能です。
BAR FUJIIは、午前11時から午後8時まで利用できるので、おいしい一杯をBAR FUJIIで味わってからランチやディナーに出かけるのもよいかもしれませんね。
いつもならここで北海道産ワインをご紹介するところですが、今回、お店の方に説明していただいた見たことも飲んだこともなかった"東欧産ワイン"に魅了され、購入してみました。
東欧産のなかから選んだのは「モルドバワイン」です。
ちょうど数日前、ウクライナ避難民を受け入れている国のひとつとして、ウクライナと国境を接するモルドバについて報道されていました。
ヨーロッパで最も経済環境が厳しい国といわれているそうですが、その中でもモルドバの人たちは、隣国の避難民をボランティアで受け入れ、支援物資を寄付していることを知りました。
ウクライナ避難民支援を支える"在日モルドバ大使館公認モルドバ共和国への貢献サイト "も立ちあがっていますが、そのほかに何か継続してモルドバを応援する方法はないかと考えていたところ、「モルドバワイン」に遭遇しました。
とても小さな支援ですが、少しでも"飲んで応援!"になればと思います。
こちらは、店頭のおすすめワインとしても紹介されているモルドバ産「ラダチーニ・フィオーリ・ヴィオリカ」。
ワインショップフジヰの藤井社長にもおすすめいただいたワインで、最近特に人気だそう。
"ヴィオリカ種"は、モルドバで1969年に作られたモルドバオリジナルのブドウ品種で、「ヴィオリカ」は、モルドバの女性に多い名前だそうです。
寒い地域でも栽培できる品種として開発されました。
香りがふわっと華やかで、酸味は爽やか。
先日、白老町の「ポロトミンタラ 」で見つけた「スケソウダラディルマリネ」をお供にいただきました。
おつまみとのマリアージュが楽しいです。
こちらはモルドバワインの赤!
モルドバ産"フェテアスカ・ネグラ"を使ったジョージア地元品種のサペラヴィ種、メルロ種のブレンドとのブレンドで、口にふくんだ瞬間の樽の香りが印象的。
辛口とはいえ、寒冷地のブドウならではの甘酸っぱさのように感じられます。
千円台でこのような風味のワインが飲めるなんて、申し訳ない感じがするほどおいしいです。
味と同じく印象的だったのは、カラフルなデザインのエチケット(ラベル)。
「アンプレ」は、ルーマニア語の"指紋"を由来にしているそうですが、指紋のようなデザインの部分はカラフルなだけではなくエンボス加工。
指紋のようなさわり心地もおもしろいエチケットです。
ワインは白・赤のほか、「ラダチーニ・フィオーリ・フェテアスカアルバ」(モルドバ/白/2019年/1,375円)、「ラダチーニ・メルロ・ロゼ」(モルドバ/ロゼ/2020年/1,100円)を購入。
そういえば、モルドバはワイン発祥地のひとつともいわれているそう。
まだ飲んでいない白とロゼのモルドバワインもモルドバやウクライナ、古代のワインに思いを馳せながら堪能したいと思います。
すすきのエリアの「ワインショップフジヰ」。
お土産用のワインのほか、立ち飲みBARでグラスワインを楽しんだり、ホテル客室での時間を充実させてくれそうなワインやおつまみを選んでみてはいかがでしょう。
なお、取扱商品は、ワインショップフジヰ
【ワインショップフジヰ】
所在地: 札幌市中央区南3条西3-1-2
TEL: 011-231-1684
営業時間: 11:00~20:00
定休日: 第2・第3日曜(日・月連休の場合は月曜休業)・年末年始(12/31~1/2)
アクセス: 地下鉄すすきの駅(1番出口)より徒歩2分 地下鉄大通駅(17番出口)より徒歩約5分 JR札幌駅より徒歩17分
URL: https://wineshop-fujii.com/