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文学芸妓が愛した「祇園白川の紫陽花」

Akio

Akio

京都特派員

更新日
2022年6月3日
公開日
2022年6月3日
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6月といえば紫陽花ですね。

祇園白川にも紫陽花が咲いてきました。

白川沿い朱塗りの玉垣の景色。

白川沿いは桜の木が多く、春の日には桜のトンネルとなります。

またここは、季節ごとの花が咲く場所でもあります。

桜の後にはツツジ。

そしていまは紫陽花が咲いてきました。

かつて祇園白川のこの辺りには「大友」(だいとも)というお茶屋がありました。

お茶屋「大友」の女将「磯田多佳」は祇園甲部の芸妓さんでしたが、一方で夏目漱石や谷崎潤一郎、吉井勇、志賀直哉、高浜虚子、浅井忠、横山大観など、多くの文学者や芸術家と交流した歌人であり、「文学芸妓」と呼ばれていました。

しかし時代が戦争後期に入り、戦局が悪化して、お茶屋「大友」も撤去され、多佳さんは終戦の年に亡くなられています。

多佳さんが好きだった花は紫陽花。

彼女は終生、雨の日と紫陽花を好まれていたそうです。

谷崎潤一郎が磯田多佳一周忌にちなんでつくった

手向けの歌2首は……

「しら河の 流れのうへに 枕せし 人もすみかも あとなかりけり」

「あじさいの 花に心を 残しけん 人のゆくへも しら川の水」

2022年6月のいま、祇園白川沿いには多佳さんが好きだった紫陽花が咲いてきました。

祇園白川

住所
京都市東山区新橋通周辺
アクセス
京阪「祇園四条駅」より徒歩約3分、京阪「三条駅」より徒歩約5分阪急「河原町駅」より徒歩約5分
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